941 / 2,840
亜蘭の天国
しおりを挟む
10月に入り、東雲たちが戻って来た。
元々、乾さんの店の基礎工事は完了していたが、小判の小芝居のために、少し残していたのだ。
土曜の晩に、東雲たちを呼んでみんなで食事をし、飲んだ。
亜紀ちゃんと柳、それに双子もいる。
双子と諸見、亜蘭はクリームメロンソーダを飲んでいる。
亜蘭は双子に挟まれてニコニコだ。
小判の話でみんなで笑った。
「旦那、でも乾さんはそんなに金もいらない人なんじゃないですか?」
東雲が俺に言った。
「まあな。でも、俺がガキの頃に聞いたことがあるんだ。いつか自分のオリジナルのバイクを作りたいんだってな」
「そうなんですか!」
「現実にはなかなか難しいよ。あの人はエンジンからやりたがる人だしな。自分で設計してさ。一度その図面も見せてもらったことがある。バカみたいな夢で恥ずかしいって言ってたなぁ」
「いいじゃないですかねぇ」
「そう思うだろ? だからさ、今回の金はそういうことに使って貰えたらと思うよ。もちろん乾さんの自由だけどな」
「なるほどです!」
双子が東雲に寄って行った。
「東雲さん!」
「なんですか、ハーさん」
「ねぇ、キャンプいこ?」
「あー、いいですね!」
俺と亜紀ちゃんが酒を吹いた。
柳が口に入れたシウマイを噴き出した。
俺は向かってくるシウマイを避けたが、それが俺の後ろでササミを食べていたロボの頭にぶつかった。
ロボが激怒し、伸身三回ひねりネコキックを柳にかました。
最近、ネコキックのバリエーションが凄い。
柳が椅子ごと倒れてぶっとんだ。
「ロボ、ごめんって!」
俺はロボを抱いて、布巾で拭いてやった。
あの長い爪を出したので、それだけは絶対にダメだと言った。
蓮花の研究所で、麗星が喰らっている。
しばらく前に気になって五平所に電話をしたら、最近麗星は寝つきがいいと言った。
「すぐに寝るんで私らも安心なんですが、寝る前にちょっとヘンな笑い方をしたりするんですよ」
「へ、へー」
「その後で、こてッと寝るんです」
「そーなんだ」
健康で良かった。
俺はロボを優しく撫でて宥めた。
「よちよちねー」
ロボが機嫌を直した。
東雲たちが呆然と見ていた。
俺は亜紀ちゃんに写真を持って来いと言った。
亜紀ちゃんが自分のPCを抱えて来た。
「こないだ、マリーンのジェイたちが双子のキャンプに行った時の写真だ」
うちの玄関でみんなで肩を組んでいる。
全裸に、マンモスの牙のペニスケースだ。
「なんですか、こりゃ」
「お前らの来週の姿だ」
「……」
「まあ、バカみたいに強くなったけどな。その代わり、無事な奴はいなかったな。双子が向こうで瞬時に怪我を治すそうだけどなぁ」
「そうなんですか」
「やめとけよ」
「はぁ」
ルーとハーが来た。
「普通のかっこでキャンプしよ?」
「普通でいいんですか?」
「「うん!」」
「それなら行きましょうか! 旦那からも休暇を頂いてますし」
「「やった!」」
「普通」とは、双子の普通だ。
まあ、騙される奴が悪い。
それに、俺にとっては東雲たちよりも、双子がカワイイ。
若干憐れに思いつつも、俺も許可した。
強くはなるしな。
翌週の金曜の晩。
体育の日を含め、また三連休だ。
東雲たち千万組の連中が8人と、亜蘭も参加している。
今回は、俺も一泊参加することにした。
あまり無茶なことをさせると、うちの工事に影響がある。
それに、勝手に置いたレールガンやデュール・ゲリエたちも気になる。
亜紀ちゃんも、俺が行くなら行きたいと言った。
柳は断固拒否。
皇紀も拒否。
ロボはついてきた。
ハマーと、東雲たちのハイエースに分乗していく。
亜蘭はハマーに乗り、双子と一緒に座らせた。
走って早々に、鼻にティッシュを詰めていた。
「おい、マンモスはもうやめろよな」
「「うん!」」
麓の家に車を停め、山の中腹のベースキャンプまで登った。
体力のまだ劣る亜蘭は、ハーが担いで走った。
双子が小屋から「戦闘服」を持って来た。
東雲たちは着替えさせられる。
もちろんアニマルだ。
東雲たちも、諦めて着た。
一応、股間も何らかの動物で覆われた。
亜蘭は双子に着付けを手伝われ、大変だった。
「あれ、さっきはこれで入ると思ったのに?」
「もうワンサイズ上のを持って来るね」
「あれ、これでも入んないよ?」
「こまったなー。亜蘭ちゃん、おっきいね!」
亜蘭が鼻血を噴いて倒れた。
結局、タヌキの胴を巻いた。
俺と亜紀ちゃんはタイガーストライプのコンバットスーツだ。
当たり前だ。
ロボは全裸なのだが、ワニの頭を欲しがった。
ワニの口から顔を出し、満足げだった。
「じゃー! まずは基礎のハンティングだよー!」
今回は亜蘭以外は「花岡」が使える。
銃器は出さなかった。
全員で山を疾走する。
アランは今度はルーに担がれた。
ロボも嬉しそうに一緒に走った。
ポイントマンのハーが誘導し、獲物を探す。
尾根から林を下り、東雲たちに、イノシシを三頭獲らせた。
その間、ハーが亜蘭に「花岡」を教える。
「まずは「絶花」ね。足を肩幅よりちょっと短く、そう。角度はこう。それでね……」
「こうですか?」
「あ!」
ハーが叫んだ。
「もうできちゃったよ!」
「へー」
俺が見に行くと、確かに「絶花」を稼働していた。
「じゃー、次は「仁王花」ね。今度は腕をこうして……」
「こうですか?」
「できたぁー!」
ハーはルーに亜蘭の指導を任せ、東雲たちを連れて狩を続けた。
俺たちはベースキャンプまで戻った。
ルーが亜蘭をマンツーマンで指導する。
時々驚きと興奮の叫びを上げる。
俺と亜紀ちゃんはコーヒーを飲みながら眺めていた。
「亜蘭さんって、天才なのかも」
「信じられんな。ボッチのヒッキーだったわけだろ?」
「運動はからきしでしたもんね」
「まあ、俺も別に運動神経がいいわけじゃないからなぁ」
「球技はダメなんですよね」
「「地獄甲子園」なら負けねぇけどな」
「アハハハハハ!」
ルーが俺たちのテーブルに来た。
「タカさん! このまま奥義まで教えてもいいですか?」
「ああ、いいだろう」
俺も許可した。
悪用する人間でないことは分かっている。
あいつは自分に力がなくとも、双子のために命をかけようとする男だ。
ロリコンだが。
東雲たちが戻って来た。
ハーの誘導で獲物がすぐに見つかるため、結構な量の食材(肉)が揃った。
亜紀ちゃんは野菜を大量に担いで来たので、みんなで食事を作り始める。
その間も、ルーは亜蘭を指導しながら料理を手伝った。
途中で俺が亜蘭を指導した。
確かに筋がいい。
「花岡」の基本的な動きがなぞれる。
「よし、あの岩に「震花」を最大で撃ってみろ」
「はい!」
亜蘭が撃った。
5メートルほどの大岩が爆散した。
その破壊力は、子どもたちや東雲を除けば最大だ。
「お前、すげぇな!」
「エヘヘヘヘ」
亜蘭には、俺たちが世界的なテロリストと敵対していると話していた。
だから自衛のつもりで、「花岡」の基礎は教えていた。
ただ、普通の格闘技よりもやや上、という程度のことだ。
誰も、亜蘭の才能には気づいていなかった。
今日、キャンプに連れて来なければ、このままずっとそうだったかもしれない。
大量の肉の夕食で、双子に挟まれた亜蘭は幸せそうにガンガン食べた。
ルーに口の周りを拭かれ、卒倒しそうになった。
鼻血を流しながら、その鼻血を補うように食べた。
俺たちは大笑いしながら、幸せな亜蘭を眺めていた。
「石神さん!」
「なんだ!」
「僕がルーちゃんとハーちゃんを守ります!」
「おう!」
別にいらねぇ。
元々、乾さんの店の基礎工事は完了していたが、小判の小芝居のために、少し残していたのだ。
土曜の晩に、東雲たちを呼んでみんなで食事をし、飲んだ。
亜紀ちゃんと柳、それに双子もいる。
双子と諸見、亜蘭はクリームメロンソーダを飲んでいる。
亜蘭は双子に挟まれてニコニコだ。
小判の話でみんなで笑った。
「旦那、でも乾さんはそんなに金もいらない人なんじゃないですか?」
東雲が俺に言った。
「まあな。でも、俺がガキの頃に聞いたことがあるんだ。いつか自分のオリジナルのバイクを作りたいんだってな」
「そうなんですか!」
「現実にはなかなか難しいよ。あの人はエンジンからやりたがる人だしな。自分で設計してさ。一度その図面も見せてもらったことがある。バカみたいな夢で恥ずかしいって言ってたなぁ」
「いいじゃないですかねぇ」
「そう思うだろ? だからさ、今回の金はそういうことに使って貰えたらと思うよ。もちろん乾さんの自由だけどな」
「なるほどです!」
双子が東雲に寄って行った。
「東雲さん!」
「なんですか、ハーさん」
「ねぇ、キャンプいこ?」
「あー、いいですね!」
俺と亜紀ちゃんが酒を吹いた。
柳が口に入れたシウマイを噴き出した。
俺は向かってくるシウマイを避けたが、それが俺の後ろでササミを食べていたロボの頭にぶつかった。
ロボが激怒し、伸身三回ひねりネコキックを柳にかました。
最近、ネコキックのバリエーションが凄い。
柳が椅子ごと倒れてぶっとんだ。
「ロボ、ごめんって!」
俺はロボを抱いて、布巾で拭いてやった。
あの長い爪を出したので、それだけは絶対にダメだと言った。
蓮花の研究所で、麗星が喰らっている。
しばらく前に気になって五平所に電話をしたら、最近麗星は寝つきがいいと言った。
「すぐに寝るんで私らも安心なんですが、寝る前にちょっとヘンな笑い方をしたりするんですよ」
「へ、へー」
「その後で、こてッと寝るんです」
「そーなんだ」
健康で良かった。
俺はロボを優しく撫でて宥めた。
「よちよちねー」
ロボが機嫌を直した。
東雲たちが呆然と見ていた。
俺は亜紀ちゃんに写真を持って来いと言った。
亜紀ちゃんが自分のPCを抱えて来た。
「こないだ、マリーンのジェイたちが双子のキャンプに行った時の写真だ」
うちの玄関でみんなで肩を組んでいる。
全裸に、マンモスの牙のペニスケースだ。
「なんですか、こりゃ」
「お前らの来週の姿だ」
「……」
「まあ、バカみたいに強くなったけどな。その代わり、無事な奴はいなかったな。双子が向こうで瞬時に怪我を治すそうだけどなぁ」
「そうなんですか」
「やめとけよ」
「はぁ」
ルーとハーが来た。
「普通のかっこでキャンプしよ?」
「普通でいいんですか?」
「「うん!」」
「それなら行きましょうか! 旦那からも休暇を頂いてますし」
「「やった!」」
「普通」とは、双子の普通だ。
まあ、騙される奴が悪い。
それに、俺にとっては東雲たちよりも、双子がカワイイ。
若干憐れに思いつつも、俺も許可した。
強くはなるしな。
翌週の金曜の晩。
体育の日を含め、また三連休だ。
東雲たち千万組の連中が8人と、亜蘭も参加している。
今回は、俺も一泊参加することにした。
あまり無茶なことをさせると、うちの工事に影響がある。
それに、勝手に置いたレールガンやデュール・ゲリエたちも気になる。
亜紀ちゃんも、俺が行くなら行きたいと言った。
柳は断固拒否。
皇紀も拒否。
ロボはついてきた。
ハマーと、東雲たちのハイエースに分乗していく。
亜蘭はハマーに乗り、双子と一緒に座らせた。
走って早々に、鼻にティッシュを詰めていた。
「おい、マンモスはもうやめろよな」
「「うん!」」
麓の家に車を停め、山の中腹のベースキャンプまで登った。
体力のまだ劣る亜蘭は、ハーが担いで走った。
双子が小屋から「戦闘服」を持って来た。
東雲たちは着替えさせられる。
もちろんアニマルだ。
東雲たちも、諦めて着た。
一応、股間も何らかの動物で覆われた。
亜蘭は双子に着付けを手伝われ、大変だった。
「あれ、さっきはこれで入ると思ったのに?」
「もうワンサイズ上のを持って来るね」
「あれ、これでも入んないよ?」
「こまったなー。亜蘭ちゃん、おっきいね!」
亜蘭が鼻血を噴いて倒れた。
結局、タヌキの胴を巻いた。
俺と亜紀ちゃんはタイガーストライプのコンバットスーツだ。
当たり前だ。
ロボは全裸なのだが、ワニの頭を欲しがった。
ワニの口から顔を出し、満足げだった。
「じゃー! まずは基礎のハンティングだよー!」
今回は亜蘭以外は「花岡」が使える。
銃器は出さなかった。
全員で山を疾走する。
アランは今度はルーに担がれた。
ロボも嬉しそうに一緒に走った。
ポイントマンのハーが誘導し、獲物を探す。
尾根から林を下り、東雲たちに、イノシシを三頭獲らせた。
その間、ハーが亜蘭に「花岡」を教える。
「まずは「絶花」ね。足を肩幅よりちょっと短く、そう。角度はこう。それでね……」
「こうですか?」
「あ!」
ハーが叫んだ。
「もうできちゃったよ!」
「へー」
俺が見に行くと、確かに「絶花」を稼働していた。
「じゃー、次は「仁王花」ね。今度は腕をこうして……」
「こうですか?」
「できたぁー!」
ハーはルーに亜蘭の指導を任せ、東雲たちを連れて狩を続けた。
俺たちはベースキャンプまで戻った。
ルーが亜蘭をマンツーマンで指導する。
時々驚きと興奮の叫びを上げる。
俺と亜紀ちゃんはコーヒーを飲みながら眺めていた。
「亜蘭さんって、天才なのかも」
「信じられんな。ボッチのヒッキーだったわけだろ?」
「運動はからきしでしたもんね」
「まあ、俺も別に運動神経がいいわけじゃないからなぁ」
「球技はダメなんですよね」
「「地獄甲子園」なら負けねぇけどな」
「アハハハハハ!」
ルーが俺たちのテーブルに来た。
「タカさん! このまま奥義まで教えてもいいですか?」
「ああ、いいだろう」
俺も許可した。
悪用する人間でないことは分かっている。
あいつは自分に力がなくとも、双子のために命をかけようとする男だ。
ロリコンだが。
東雲たちが戻って来た。
ハーの誘導で獲物がすぐに見つかるため、結構な量の食材(肉)が揃った。
亜紀ちゃんは野菜を大量に担いで来たので、みんなで食事を作り始める。
その間も、ルーは亜蘭を指導しながら料理を手伝った。
途中で俺が亜蘭を指導した。
確かに筋がいい。
「花岡」の基本的な動きがなぞれる。
「よし、あの岩に「震花」を最大で撃ってみろ」
「はい!」
亜蘭が撃った。
5メートルほどの大岩が爆散した。
その破壊力は、子どもたちや東雲を除けば最大だ。
「お前、すげぇな!」
「エヘヘヘヘ」
亜蘭には、俺たちが世界的なテロリストと敵対していると話していた。
だから自衛のつもりで、「花岡」の基礎は教えていた。
ただ、普通の格闘技よりもやや上、という程度のことだ。
誰も、亜蘭の才能には気づいていなかった。
今日、キャンプに連れて来なければ、このままずっとそうだったかもしれない。
大量の肉の夕食で、双子に挟まれた亜蘭は幸せそうにガンガン食べた。
ルーに口の周りを拭かれ、卒倒しそうになった。
鼻血を流しながら、その鼻血を補うように食べた。
俺たちは大笑いしながら、幸せな亜蘭を眺めていた。
「石神さん!」
「なんだ!」
「僕がルーちゃんとハーちゃんを守ります!」
「おう!」
別にいらねぇ。
2
お気に入りに追加
228
あなたにおすすめの小説
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
こずえと梢
気奇一星
キャラ文芸
時は1900年代後期。まだ、全国をレディースたちが駆けていた頃。
いつもと同じ時間に起き、同じ時間に学校に行き、同じ時間に帰宅して、同じ時間に寝る。そんな日々を退屈に感じていた、高校生のこずえ。
『大阪 龍斬院』に所属して、喧嘩に明け暮れている、レディースで17歳の梢。
ある日、オートバイに乗っていた梢がこずえに衝突して、事故を起こしてしまう。
幸いにも軽傷で済んだ二人は、病院で目を覚ます。だが、妙なことに、お互いの中身が入れ替わっていた。
※レディース・・・女性の暴走族
※この物語はフィクションです。
~後宮のやり直し巫女~私が本当の巫女ですが、無実の罪で処刑されたので後宮で人生をやり直すことにしました
深水えいな
キャラ文芸
無実の罪で巫女の座を奪われ処刑された明琳。死の淵で、このままだと国が乱れると謎の美青年・天翼に言われ人生をやり直すことに。しかし巫女としてのやり直しはまたしてもうまくいかず、次の人生では女官として後宮入りすることに。そこで待っていたのは怪事件の数々で――。
大嫌いな歯科医は変態ドS眼鏡!
霧内杳/眼鏡のさきっぽ
恋愛
……歯が痛い。
でも、歯医者は嫌いで痛み止めを飲んで我慢してた。
けれど虫歯は歯医者に行かなきゃ治らない。
同僚の勧めで痛みの少ない治療をすると評判の歯科医に行ったけれど……。
そこにいたのは変態ドS眼鏡の歯科医だった!?
裏切りの代償
中岡 始
キャラ文芸
かつて夫と共に立ち上げたベンチャー企業「ネクサスラボ」。奏は結婚を機に経営の第一線を退き、専業主婦として家庭を支えてきた。しかし、平穏だった生活は夫・尚紀の裏切りによって一変する。彼の部下であり不倫相手の優美が、会社を混乱に陥れつつあったのだ。
尚紀の冷たい態度と優美の挑発に苦しむ中、奏は再び経営者としての力を取り戻す決意をする。裏切りの証拠を集め、かつての仲間や信頼できる協力者たちと連携しながら、会社を立て直すための計画を進める奏。だが、それは尚紀と優美の野望を徹底的に打ち砕く覚悟でもあった。
取締役会での対決、揺れる社内外の信頼、そして壊れた夫婦の絆の果てに待つのは――。
自分の誇りと未来を取り戻すため、すべてを賭けて挑む奏の闘い。復讐の果てに見える新たな希望と、繊細な人間ドラマが交錯する物語がここに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる