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御堂家、大騒動 Ⅳ
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昼食は蕎麦だった。
但し、量が半端ではない。
大量の天ぷら各種が大皿に山盛りでたくさんある。
蕎麦なのか天ぷらなのか。
ちなみに、天丼もある。
蕎麦屋で天丼と蕎麦を頼む人間は多い。
まあ、いいか。
俺は昼食の後で麗星を迎えに行った。
亜紀ちゃんが付いて来る。
「まさか麗星さんにここで会えるとは思いませんでした」
「ほんとになー」
「最近、なんだかしょっちゅう会ってますよね」
「そういえばなー」
「綺麗な人ですよね?」
「まーなー」
「虎曜日ですかね?」
「やめれー!」
俺のうちはなんかおかしい。
俺はのんびりと人生を楽しみたいのに。
子どもたちもどっかヘンだ。
「しかし、妖怪関連でこんなに苦労するなんて思わなかったぜ」
「アハハハハハ!」
「俺は鬼太郎じゃねぇんだ!」
「私、猫娘好きですよ?」
「そういう問題じゃねぇ!」
「アハハハハハ!」
水木しげるがいたら、大喜びだったろう。
「妖怪ポスト、作ります?」
「ばかやろう! 俺が相談する側だぁ!」
「アハハハハハ!」
松本空港に着いた。
やはり小さい。
軽井沢に来る人間が多く利用している。
ロビーで待っていると、麗星が来た。
麻の薄いベージュのスーツだ。
奇しくも俺と同じだった。
「石神さん!」
「遠いところ、本当に済みません」
「いいえ! 私も羅天遠呂智様にお会いしたかったですし」
「ありがとうございます。じゃあ、早速行きましょう」
亜紀ちゃんが麗星の荷物を持った。
麗星は助手席に上がる。
俺のハマーに乗るのが夢だったと麗星が言った。
「言ってくれれば、こないだドライブも行きましたのに」
「それは残念でございました」
俺はもう一度オロチの話を麗星にした。
麗星は、スマホの画面を俺に示した。
「これです!」
《大虹龍破魔王 最大五体在》
「……」
「ほら、書いてますでしょ?」
「そうですね」
真っ白い半紙に墨で書かれていた。
「最大」なんて言葉は昔は使わない。
「あの、もうその話はいいですから」
「そうですか?」
道は驚くほど空いていた。
恐らく、また麗星があやかしを使役しているのだろう。
30分ほどで御堂家に着いた。
「立派なお屋敷ですね」
「歴史のある家系ですからね。道間家と同じですよ」
「なるほど」
御堂が出迎えた。
一瞬、並んだ俺と麗星を見る。
やはり、同じ服装なのが気になったようだ。
「ようこそ、道間様。御堂正嗣です」
「御堂様、今日は急に押しかけてしまいまして」
「いいえ、こちらこそ。どうぞ中へ」
座敷に通され、茶を出してもらった。
正巳さんと菊子さん、それに柳も来る。
亜紀ちゃん以外の子どもたちとロボは部屋にいる。
「早速なんですが、着くなりロボとオロチがやり合ったのは」
「恐らく、互いの格を示したのでしょう。余程の差があれば、片方が逃げるだけです。でも、近い格だったので、力を示し合ったのかと」
「なるほど!」
「その後何事も無いということは、両者が認め合ったということかと。もうご心配はいりません」
「もし、そうでなかった場合は?」
「そのままどちらが上かを示し合って、この辺りは……」
「え!」
御堂が俺を見ている。
「オホホホ! まあ、石神様がいらっしゃるので、そういうことも無かったとは思いますよ」
早く言え!
「格が互いに認められなければ、どちらかが退散して終わっていたかと。でも、二体とも普通にしているのであれば、お互いに納得したのですよ」
「そうですか」
ホッとした。
「それに、二体とも石神様が大好きな様子。争うことはないでしょう」
「安心しました」
「石神様は女性関係も上手くこなしていらっしゃいますしね」
「ちょっと!」
御堂が笑った。
俺たちは庭に出た。
正巳さんたち全員も付いて来る。
皇紀と双子、ロボもいつの間にか一緒にいた。
縁側に来る。
俺は麗星と御堂以外を少し離れているように言った。
「おーい、オロチー!」
俺が呼びかけると麗星が驚いた。
でも黙っている。
軒下で巨体が移動する音がする。
「麗星さんって人を連れて来たんだ! 紹介したいから、子どもたちも連れて来てくれ!」
「石神さん!」
麗星が俺の腕を掴んだ。
しばらくすると、オロチがでかい顔を出し、遅れて五匹の小さなヘビが来る。
「こ、これは!」
麗星の腕を掴む力が強まる。
「おお、ありがとうな! 子どもたちもカワイイなぁ!」
俺はオロチの頭を抱いた。
麗星は驚きながらも、オロチと小さなヘビを見る。
俺を見て頷く。
「こちらが麗星さんだ。俺の友達だから、これからも宜しくな」
オロチは長い舌を麗星に向け出し入れした。
宜しくねってことだろう。
分らんが。
「ほら、麗星さんも」
「は、はい! 道間麗星です。お会い出来て光栄でございます」
「麗星さんは、お前が「羅天遠呂智」だって言うんだ。そうなのか?」
オロチがでかい口を開いた。
みんな驚く。
「へぇー、そうなんだ」
「石神、分かるのか!」
「分かるわけねぇだろう!」
麗星が笑った。
「オロチ様、何か必要なことがございましたら、なんなりと。道間家はオロチ様の味方です」
麗星が言うと、オロチが頭を揺らした。
「それと、「大虹龍破魔王」様方のご誕生、真におめでとうございます。これで世の乱れはつつがなく収まりましょう」
オロチは麗星に頭を寄せた。
五匹は俺の足元にまとわりついている。
「おし! じゃあ虹栞、虹花、虹鷹、虹柳、ニジンスキーな!」
「石神様!」
麗星が慌てた。
「名前くらい付けてやらないとなー」
「そ、それは!」
オロチは俺の肩に胴を乗せ、俺の顔を舌で舐めまくった。
喜んでいるらしい。
麗星が卒倒した。
「麗星さん!」
俺はオロチに戻ってゆっくりしてくれと言い、急いで麗星を運んだ。
座敷に寝かせ、起きた麗星に、散々説教された。
但し、量が半端ではない。
大量の天ぷら各種が大皿に山盛りでたくさんある。
蕎麦なのか天ぷらなのか。
ちなみに、天丼もある。
蕎麦屋で天丼と蕎麦を頼む人間は多い。
まあ、いいか。
俺は昼食の後で麗星を迎えに行った。
亜紀ちゃんが付いて来る。
「まさか麗星さんにここで会えるとは思いませんでした」
「ほんとになー」
「最近、なんだかしょっちゅう会ってますよね」
「そういえばなー」
「綺麗な人ですよね?」
「まーなー」
「虎曜日ですかね?」
「やめれー!」
俺のうちはなんかおかしい。
俺はのんびりと人生を楽しみたいのに。
子どもたちもどっかヘンだ。
「しかし、妖怪関連でこんなに苦労するなんて思わなかったぜ」
「アハハハハハ!」
「俺は鬼太郎じゃねぇんだ!」
「私、猫娘好きですよ?」
「そういう問題じゃねぇ!」
「アハハハハハ!」
水木しげるがいたら、大喜びだったろう。
「妖怪ポスト、作ります?」
「ばかやろう! 俺が相談する側だぁ!」
「アハハハハハ!」
松本空港に着いた。
やはり小さい。
軽井沢に来る人間が多く利用している。
ロビーで待っていると、麗星が来た。
麻の薄いベージュのスーツだ。
奇しくも俺と同じだった。
「石神さん!」
「遠いところ、本当に済みません」
「いいえ! 私も羅天遠呂智様にお会いしたかったですし」
「ありがとうございます。じゃあ、早速行きましょう」
亜紀ちゃんが麗星の荷物を持った。
麗星は助手席に上がる。
俺のハマーに乗るのが夢だったと麗星が言った。
「言ってくれれば、こないだドライブも行きましたのに」
「それは残念でございました」
俺はもう一度オロチの話を麗星にした。
麗星は、スマホの画面を俺に示した。
「これです!」
《大虹龍破魔王 最大五体在》
「……」
「ほら、書いてますでしょ?」
「そうですね」
真っ白い半紙に墨で書かれていた。
「最大」なんて言葉は昔は使わない。
「あの、もうその話はいいですから」
「そうですか?」
道は驚くほど空いていた。
恐らく、また麗星があやかしを使役しているのだろう。
30分ほどで御堂家に着いた。
「立派なお屋敷ですね」
「歴史のある家系ですからね。道間家と同じですよ」
「なるほど」
御堂が出迎えた。
一瞬、並んだ俺と麗星を見る。
やはり、同じ服装なのが気になったようだ。
「ようこそ、道間様。御堂正嗣です」
「御堂様、今日は急に押しかけてしまいまして」
「いいえ、こちらこそ。どうぞ中へ」
座敷に通され、茶を出してもらった。
正巳さんと菊子さん、それに柳も来る。
亜紀ちゃん以外の子どもたちとロボは部屋にいる。
「早速なんですが、着くなりロボとオロチがやり合ったのは」
「恐らく、互いの格を示したのでしょう。余程の差があれば、片方が逃げるだけです。でも、近い格だったので、力を示し合ったのかと」
「なるほど!」
「その後何事も無いということは、両者が認め合ったということかと。もうご心配はいりません」
「もし、そうでなかった場合は?」
「そのままどちらが上かを示し合って、この辺りは……」
「え!」
御堂が俺を見ている。
「オホホホ! まあ、石神様がいらっしゃるので、そういうことも無かったとは思いますよ」
早く言え!
「格が互いに認められなければ、どちらかが退散して終わっていたかと。でも、二体とも普通にしているのであれば、お互いに納得したのですよ」
「そうですか」
ホッとした。
「それに、二体とも石神様が大好きな様子。争うことはないでしょう」
「安心しました」
「石神様は女性関係も上手くこなしていらっしゃいますしね」
「ちょっと!」
御堂が笑った。
俺たちは庭に出た。
正巳さんたち全員も付いて来る。
皇紀と双子、ロボもいつの間にか一緒にいた。
縁側に来る。
俺は麗星と御堂以外を少し離れているように言った。
「おーい、オロチー!」
俺が呼びかけると麗星が驚いた。
でも黙っている。
軒下で巨体が移動する音がする。
「麗星さんって人を連れて来たんだ! 紹介したいから、子どもたちも連れて来てくれ!」
「石神さん!」
麗星が俺の腕を掴んだ。
しばらくすると、オロチがでかい顔を出し、遅れて五匹の小さなヘビが来る。
「こ、これは!」
麗星の腕を掴む力が強まる。
「おお、ありがとうな! 子どもたちもカワイイなぁ!」
俺はオロチの頭を抱いた。
麗星は驚きながらも、オロチと小さなヘビを見る。
俺を見て頷く。
「こちらが麗星さんだ。俺の友達だから、これからも宜しくな」
オロチは長い舌を麗星に向け出し入れした。
宜しくねってことだろう。
分らんが。
「ほら、麗星さんも」
「は、はい! 道間麗星です。お会い出来て光栄でございます」
「麗星さんは、お前が「羅天遠呂智」だって言うんだ。そうなのか?」
オロチがでかい口を開いた。
みんな驚く。
「へぇー、そうなんだ」
「石神、分かるのか!」
「分かるわけねぇだろう!」
麗星が笑った。
「オロチ様、何か必要なことがございましたら、なんなりと。道間家はオロチ様の味方です」
麗星が言うと、オロチが頭を揺らした。
「それと、「大虹龍破魔王」様方のご誕生、真におめでとうございます。これで世の乱れはつつがなく収まりましょう」
オロチは麗星に頭を寄せた。
五匹は俺の足元にまとわりついている。
「おし! じゃあ虹栞、虹花、虹鷹、虹柳、ニジンスキーな!」
「石神様!」
麗星が慌てた。
「名前くらい付けてやらないとなー」
「そ、それは!」
オロチは俺の肩に胴を乗せ、俺の顔を舌で舐めまくった。
喜んでいるらしい。
麗星が卒倒した。
「麗星さん!」
俺はオロチに戻ってゆっくりしてくれと言い、急いで麗星を運んだ。
座敷に寝かせ、起きた麗星に、散々説教された。
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