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ずっと君の味方だ
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先ほどリベスといた部屋で目を覚ました私は、しばらく呆然《ぼうぜん》としていた。
「私の【本当の願い】だけが叶う力・・・・」
女神は私にどうしろというのだろう。
リベスが打ち明けた秘密に心が苦しかった。
そのことすら整理出来ないうちに、女神は私の聖女の力を明かした。
グレン殿下が以前私に仰って下さった言葉を思い出す。
「私にはどれだけ甘えてもいいんだ。愛する者に甘えてもらえることほど幸せなことはないのだから」
グレン殿下に会いたい。
私は部屋を飛び出し、王宮へ向かった。
私の突然の訪問に、グレン殿下は慌てた様子で客間に入る。
「エイリル・・・・!何かあったのか・・・・!?」
グレン殿下の顔を見た瞬間、何故か涙が溢れ出す。
涙は止まることを知らず、ただただ頬を伝っていく。
グレン殿下が私を引き寄せ、抱きしめる。
そして、しばらく何も言わずに抱きしめ続けて下さる。
「エイリル、どうした?悲しいことでもあったのか?」
涙が溢れて何も話せない私の頭をグレン殿下はそっと撫でて下さる。
「君はいつも人に気を使ってばかりいる。そんな君が私の前で泣いてくれたことが、何故か少し嬉しいんだ」
「ねぇ、エイリル。もっと私に甘えてくれ。君が泣いた後、笑顔になる手助けをさせて欲しい」
「何でも打ち明けてくれ。私は絶対に君の味方だから」
涙を拭いた私は少しずつ話し始めた。
リベスのことは話さなかったが、自分の聖女の力を打ち明ける。
「そうか。それがエイリルの聖女の力なんだね」
グレン殿下は最後まで静かに話を聞いて下さった。
「グレン殿下、私は、この力の使い方が分からないのです・・・・何が正しいのか分からない・・・・」
「もし私がエイリルと同じ能力を持っていたとしたら、もっとベルシナ国に雨を降らせたいし、国民が困っていたら力を使って助けたい。それにエイリルからの愛だって求めてしまうかもしれない」
「でもね、もしそうしたら私が亡くなった後はどうなるんだろう。やっぱり私が亡くなった後もベルシナ国が上手く回っていくような持続可能な政策を考えたい。それにエイリルからの愛は自分で勝ち取りたい」
「では、力を使う人間が悪いのか?それも違うと思う。私だって君の力を持っていて目の前でもがき苦しむ人がいたら、助けて下さいと目を閉じるだろう」
「ねぇ、エイリル。私は正解はないと思うんだ。だから、君が考えた答えを信じたい」
「何度だって言おう。私は絶対に君の味方だ」
グレン殿下が優しく微笑まれる。
「エイリル、自信を持ってくれ。君は、優しくて「強い」人間だ」
私は、胸の奥から心がぎゅーっと苦しくなるのを感じた。
そして、思い出す。
あの日、グレン殿下の持って来た花を咲かせることが出来た時に頭をよぎった言葉を。
「またこの花が咲いた頃に会いにくるよ」
私の聖女の力は、【本当の願い】しか叶わない。
【心の底から強く願っていること】しか叶わない。
私はグレン殿下に会いたかった。
今もこうして苦しい時に、顔を見たいと思ったのはグレン殿下だった。
きっともう私は自分の気持ちに気づいている。
それでも、まだ私には向き合うことがある。
私は頬の涙を拭う。
「グレン殿下、私もう一度リエナ様に会いますわ」
女神よ、貴方はこの世界を、この勝負を、ゲームと仰った。
違う。
この勝負はゲームなどではない。
この世界は、この勝負は、ちゃんと現実だ。
ゲームのようにやり直しなど出来ない。
だからこそ、悔いのないように生きなければいけない。
グレン殿下、どうか私なりの答えを最後まで見守って下さいますか?
「私の【本当の願い】だけが叶う力・・・・」
女神は私にどうしろというのだろう。
リベスが打ち明けた秘密に心が苦しかった。
そのことすら整理出来ないうちに、女神は私の聖女の力を明かした。
グレン殿下が以前私に仰って下さった言葉を思い出す。
「私にはどれだけ甘えてもいいんだ。愛する者に甘えてもらえることほど幸せなことはないのだから」
グレン殿下に会いたい。
私は部屋を飛び出し、王宮へ向かった。
私の突然の訪問に、グレン殿下は慌てた様子で客間に入る。
「エイリル・・・・!何かあったのか・・・・!?」
グレン殿下の顔を見た瞬間、何故か涙が溢れ出す。
涙は止まることを知らず、ただただ頬を伝っていく。
グレン殿下が私を引き寄せ、抱きしめる。
そして、しばらく何も言わずに抱きしめ続けて下さる。
「エイリル、どうした?悲しいことでもあったのか?」
涙が溢れて何も話せない私の頭をグレン殿下はそっと撫でて下さる。
「君はいつも人に気を使ってばかりいる。そんな君が私の前で泣いてくれたことが、何故か少し嬉しいんだ」
「ねぇ、エイリル。もっと私に甘えてくれ。君が泣いた後、笑顔になる手助けをさせて欲しい」
「何でも打ち明けてくれ。私は絶対に君の味方だから」
涙を拭いた私は少しずつ話し始めた。
リベスのことは話さなかったが、自分の聖女の力を打ち明ける。
「そうか。それがエイリルの聖女の力なんだね」
グレン殿下は最後まで静かに話を聞いて下さった。
「グレン殿下、私は、この力の使い方が分からないのです・・・・何が正しいのか分からない・・・・」
「もし私がエイリルと同じ能力を持っていたとしたら、もっとベルシナ国に雨を降らせたいし、国民が困っていたら力を使って助けたい。それにエイリルからの愛だって求めてしまうかもしれない」
「でもね、もしそうしたら私が亡くなった後はどうなるんだろう。やっぱり私が亡くなった後もベルシナ国が上手く回っていくような持続可能な政策を考えたい。それにエイリルからの愛は自分で勝ち取りたい」
「では、力を使う人間が悪いのか?それも違うと思う。私だって君の力を持っていて目の前でもがき苦しむ人がいたら、助けて下さいと目を閉じるだろう」
「ねぇ、エイリル。私は正解はないと思うんだ。だから、君が考えた答えを信じたい」
「何度だって言おう。私は絶対に君の味方だ」
グレン殿下が優しく微笑まれる。
「エイリル、自信を持ってくれ。君は、優しくて「強い」人間だ」
私は、胸の奥から心がぎゅーっと苦しくなるのを感じた。
そして、思い出す。
あの日、グレン殿下の持って来た花を咲かせることが出来た時に頭をよぎった言葉を。
「またこの花が咲いた頃に会いにくるよ」
私の聖女の力は、【本当の願い】しか叶わない。
【心の底から強く願っていること】しか叶わない。
私はグレン殿下に会いたかった。
今もこうして苦しい時に、顔を見たいと思ったのはグレン殿下だった。
きっともう私は自分の気持ちに気づいている。
それでも、まだ私には向き合うことがある。
私は頬の涙を拭う。
「グレン殿下、私もう一度リエナ様に会いますわ」
女神よ、貴方はこの世界を、この勝負を、ゲームと仰った。
違う。
この勝負はゲームなどではない。
この世界は、この勝負は、ちゃんと現実だ。
ゲームのようにやり直しなど出来ない。
だからこそ、悔いのないように生きなければいけない。
グレン殿下、どうか私なりの答えを最後まで見守って下さいますか?
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