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恋文はデジタルで
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高梨弘樹15歳。
今年の春、高校に入学してようやく夏休みを迎える前日。
なんとか仲良くなったクラスメイトと「次は夏休み明けだよね」「いやいや、メッセあるっしょ」なんて話をしながら終業式を終えた教室を後にした。
本来なら部活動を満喫する夏本番のはずが、ご時世というやつで易々と友達に会うこともできないのが残念で仕方がない。
上履きを脱ぎ下足箱に置いた靴をとろうと手をかけた時、カサリと紙らしきものに触れて「これが噂のラブレターか」なんてドキドキした。
周りを見回して、友達に見られていないか確認しながらそれを大急ぎでポケットに突っ込んだ。
その日はどうやって帰宅したのか記憶にないぐらい「早く帰らなくちゃ!」という気持ちでいっぱいで、ポケットの中に手を突っ込んでは、たぶん手紙の感触を確認していたことだけ記憶している。
「ただいまー!」
家の鍵を開け、靴を脱ぎ手洗いとうがいを済ませると、2階の自分の部屋までダッシュで駆けあがった。
ベッドに腰掛けて折りたたまれた紙を開く。
※ 現在は次話にてリンク先内容を公開しています
「QRコード?」
そこには、何の文字も書かれていなかった。
そう、文字は書かれてない。
折りたたまれた紙の真ん中に、ちょこんと表示されたQRコード。
「うーん、これ、表示しろってこと?」
ラブレターに違いないと思っていた僕は、がっかりしながらスマホを取り出してQRコードを読み込んだ。
「え?今日の日付?...えっと2020年7月31日だから...」
僕は、スマホの中に表示された内容にしたがって数字を打ち込んだ。
「送信...と」
次に表示された内容のせいで、僕の顔は急速に赤くなったと思う。
「明日から夏休みなのに...僕、相手わかんないじゃん!
好きだとかって直球で伝えるもんじゃないの?」
スマホに表示された文字に特徴を見出せるはずもなく、僕は途方に暮れるしかなかった。
今年の春、高校に入学してようやく夏休みを迎える前日。
なんとか仲良くなったクラスメイトと「次は夏休み明けだよね」「いやいや、メッセあるっしょ」なんて話をしながら終業式を終えた教室を後にした。
本来なら部活動を満喫する夏本番のはずが、ご時世というやつで易々と友達に会うこともできないのが残念で仕方がない。
上履きを脱ぎ下足箱に置いた靴をとろうと手をかけた時、カサリと紙らしきものに触れて「これが噂のラブレターか」なんてドキドキした。
周りを見回して、友達に見られていないか確認しながらそれを大急ぎでポケットに突っ込んだ。
その日はどうやって帰宅したのか記憶にないぐらい「早く帰らなくちゃ!」という気持ちでいっぱいで、ポケットの中に手を突っ込んでは、たぶん手紙の感触を確認していたことだけ記憶している。
「ただいまー!」
家の鍵を開け、靴を脱ぎ手洗いとうがいを済ませると、2階の自分の部屋までダッシュで駆けあがった。
ベッドに腰掛けて折りたたまれた紙を開く。
※ 現在は次話にてリンク先内容を公開しています
「QRコード?」
そこには、何の文字も書かれていなかった。
そう、文字は書かれてない。
折りたたまれた紙の真ん中に、ちょこんと表示されたQRコード。
「うーん、これ、表示しろってこと?」
ラブレターに違いないと思っていた僕は、がっかりしながらスマホを取り出してQRコードを読み込んだ。
「え?今日の日付?...えっと2020年7月31日だから...」
僕は、スマホの中に表示された内容にしたがって数字を打ち込んだ。
「送信...と」
次に表示された内容のせいで、僕の顔は急速に赤くなったと思う。
「明日から夏休みなのに...僕、相手わかんないじゃん!
好きだとかって直球で伝えるもんじゃないの?」
スマホに表示された文字に特徴を見出せるはずもなく、僕は途方に暮れるしかなかった。
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