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始まりの軍師
軍師、登用され、主命を受ける
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魔王軍の一兵士の指示を受け、同行する。
最初は斬り殺されるんじゃないかと恐怖していたが、意外とすんなり案内してくれた。
その最中、俺は話しかけられ、なぜ仕官しに来るのかを聞かれた。
「まぁ、事情があってな……だが少なくても魔王様の利益になるつもりだ」
嘘は言ってない。むしろ得のない仕官とかなんぞと言いたい。
今いる場所から3日ぐらい離れたところに魔王城とその城下町があるという。
城下町近くで「案内はここまでだ」と言われ、一人で魔王城に向かう。
「コレが……魔王城」
実際アニメやゲームで見たものよりでかい……ゲーム内の主人公はこんなでかい城を10人も見たない人数で攻略していったのか。
今思えばだいぶ主人公やその仲間が化け物だと感じ取れるな。
そう考えながら城門に向かう、その際、城門を守っている二人の魔族の門番に止められた。
「何者だ。名を名乗り、来た理由を述べよ」
「俺はカイン。この城の主である魔王様に仕官するために来た」
笑われるよな…人間という下等生物が魔王の配下になりたいとか絶対怪しまれる。
「何?魔王軍に入隊したいだと?人間にも変わった奴がいるのだな」
「まぁ戯言なら許しやらんでもない。だが、本当に入隊したいのであるならば、その力を見せて見よ」
「え……?」
嘘だろ!?門番と戦うなんて聞いてないぞ!?暴れたら仕官どころかお縄じゃねぇか!
「何、そのような手枷が付いた状態の者が、どれほど渡り合えるか、試してやる」
二人の門番が持っている武器は棍、槍ではないが、殺傷性は皆無だ。多分殴って遊ぶ気なんだろう。
いいだろう、丁度この国の一兵士の戦闘力を図るチャンスだ。
「わかった。後悔するなよ?」
「はっ!その減らず口、喋れなくしてくれるわ!」
門番たちが襲い掛かってくる。まずは軽く煽るために横に薙ぎ払うように鉄球を振り回す。
一人には直撃して吹っ飛ばされるが、もう一人は防御して体勢を立て直す。
「ほう、ただの没落者ではないんだな」
「伊達にここまで旅はしていない!」
鎖を引っ張り、振り回す。
「ふん、鉄球を振り回すだけか?」
「ならこれはどうだ?」
自分の目前に落ちた鉄球を真上に蹴り上げ、叩きつける。
攻撃が外れても地面に落ちた衝撃波が回避した門番を吹っ飛ばす。
「オラァ!」
「ぐおっ!?」
計算通り吹っ飛んだ。筋力380を舐めんなよ!
「見事だ、そこまで戦えるなら通そう」
軽く殴っただけで通れた。ある意味上々かな?
撃破された門番が城門を開ける。
「仕官者が来たぞ!迎えろ!」
おおう、なんか大胆だなぁ。
数時間後、俺は王座の間に招かれた。広い……には広いが一部欠けた部分がある改修工事中だったのか?
「あなたが、軍に入隊を希望した人間ね?」
王座から女性の声が聞こえた。
「はっ、カインと申します」
「職業は?」
「軍師、副業は作成者(クリエイター)です」
周りの家臣団はざわつく、まぁ珍しくはないんだろう。
「面を上げなさい」
言われた通りに顔を上げる。俺の目に映った声の主はとてもきれいな女性だった。この女性が魔王「サイサリス」、この城の主か……!
「理由は兵長から聞いたわ。そして、我が軍の部隊を助けたそうね?」
「は、押されているところ、魔法で助けに入ったという事です」
「へぇ、魔法が使えるのね?まぁ良いわ。入る理由を聞こうかしら」
俺は理由を述べる。妹を取り戻すためというものではなく、懸命に考えた理由だ。
聞いた話だと、魔王軍には軍師が少なく、指揮できるものは不足してるという事、ならその軍師になり、勝利に導くという事。
「成程ね。誰かが情報を漏らしたのかしら?」
「いえ、城下の街で聞いたとのことです!」
「確かに、うちには軍師が不足してるわ。だってほとんどの軍師がお父様の軍に持ってかれてしまったもの」
お父様!?つまりこの女、娘なのか!?
「けど、運がいいわ。今回限りは藁にも縋りたい状態だし、あなたを登用するわよ。ただ、一つ良いかしら?」
「な、何なりと」
「今後、戦争になった時、あなたは同族を殺す羽目になる。その時、罪悪感などに囚われる羽目になるわ。その覚悟は、ある?」
「……」
何だ。その事か。
確かに普通なら罪悪感を覚え、色々経験を得るだろう。
だが俺はそんな一流ラノベ作品の主人公とは違う。この手枷を付けられ、家族を奪われた。
あるのは、奴らに一矢報いるための憎悪と世界に対する憎しみだ。
「失礼ですが、魔王様。私はこの手枷を同族につけられ、生き地獄を味わってきました。此処に来る前は嫌な目をされ、店に入店すれば数分で追い出されの繰り返し、ロクに相手にされませんでした。そんなことをする外道共に持つ情などありません」
「結構同族に対して辛辣に言うのね。まぁいいわ。ようこそ、我が魔王城へ」
「ははーっ!登用していただき、ありがとうございます!!」
やった……!やっと登用された!これで…計画が進む!ありがてぇ、ありがてぇ。
「では、他の下官に魔王城内の案内を頼むわ」
こうして俺は魔王サイサリスの配下になったのだった。
意外と呆気ないと思うが、恐らくすぐ裏切ってくるという算段で監視するつもりなんだろう。
「その前に……あなたの手枷についてる魔法の一つを解除してあげる。その魔法のせいで生き地獄を見たのでしょう?これさえなければあなたは誰よりも働いてくれるかしら?」
そう言いながら小さい魔法陣を手元に展開し、魔法を詠唱する。その時、俺の手枷から「パキン」と何かが割れる音がした。
「あ、ありがとうございます!このカイン、この恩を忘れずに最後まで尽くします!」
「うんうん、精進しなさい」
ついでに認識魔法まで解除してもらえるとかこの人もう魔王じゃねぇ!神だろ!
よし決めた。この軍を最強にしてやる!
*
翌日、俺は魔王城の内部を見回っていた。
そして自分のステータスを確認していた。
名前:カイン
Lv70 JOB:軍師 (足軽組頭) SideJOB:作成者(クリエイター) HP:500/500 MP:500/500
器用:300 敏捷:280 筋力:380
生命:500 精神:500 知力:341
指揮:0→5 炎魔法Lv:10 MAX 水魔法Lv:10 MAX
土魔法Lv:10 MAX 風魔法Lv:9 回復魔法Lv:10 MAX
闇魔法Lv:8 光魔法Lv:6
あ!上がらなかった指揮が上がってる!5とは小さいが、これからはどんどん上げればいい。
軍師の部分に身分が追加されてたぞ……しかも足軽組頭って、それでも十分高い方だぞ!?良いのか?これで?
「あ、そう言えば。今日は評定(ひょうじょう)の日だった!うろついてる場合じゃない!」
俺は鉄球を引き摺りながら評定の間へと向かった。
その部屋には常に何人か魔族が集まっており、サイサリス様もいた。
そして俺は空いてる席に座る。するとサイサリス様が口を開き、評定が始まった。
「お集まりいただき、感謝するわ」
初めての評定、一体何を方針にしてるんだ?
「今回の方針は南東統一よ」
おいおい、いきなりか。こりゃあ軍備も必要になるじゃないか。しかも南東って、ジュピトリア帝国じゃねぇか!
あの国は国力はそんな大きくないけど、兵力がかなり多いって聞いたぞ。
「現在、我々の勢力は少しずつながら大きくなってるわ。けど、あくまでほんの少しよ。それでも次には戦争を仕掛けないと我々は小競り合いをして徐々に衰弱していく未来が見えているわ。そこで、皆々には戦争の準備をしてほしいの」
戦争準備か……人手も必要だが、兵糧や武器も必要だろう。
「方針に異論はないわね?」
「「「「「ありません」」」」」
あ、同時に言ってしまった…ごめん。
「こほん。では私は兵糧を集めてきましょう」
「吾輩は徴兵と兵の訓練ですな」
「我は軍馬を購入してこよう」
「……武具の調達を致します」
次々と役割が決まっていく中、俺だけ残されてしまった。
「……あれ?俺は?」
「カインは修行ね」
え!?戦争準備なのに修行!?
「確かに普通ならそんな余裕はないけど、軍師が弱いままなんて話にならないでしょ?」
ぐうの音も出ねぇ……仕方ない。
こうして最初の評定は終わった。
まさかの最初の主命が修業とは……良いのか悪いのか分からないな。
最初は斬り殺されるんじゃないかと恐怖していたが、意外とすんなり案内してくれた。
その最中、俺は話しかけられ、なぜ仕官しに来るのかを聞かれた。
「まぁ、事情があってな……だが少なくても魔王様の利益になるつもりだ」
嘘は言ってない。むしろ得のない仕官とかなんぞと言いたい。
今いる場所から3日ぐらい離れたところに魔王城とその城下町があるという。
城下町近くで「案内はここまでだ」と言われ、一人で魔王城に向かう。
「コレが……魔王城」
実際アニメやゲームで見たものよりでかい……ゲーム内の主人公はこんなでかい城を10人も見たない人数で攻略していったのか。
今思えばだいぶ主人公やその仲間が化け物だと感じ取れるな。
そう考えながら城門に向かう、その際、城門を守っている二人の魔族の門番に止められた。
「何者だ。名を名乗り、来た理由を述べよ」
「俺はカイン。この城の主である魔王様に仕官するために来た」
笑われるよな…人間という下等生物が魔王の配下になりたいとか絶対怪しまれる。
「何?魔王軍に入隊したいだと?人間にも変わった奴がいるのだな」
「まぁ戯言なら許しやらんでもない。だが、本当に入隊したいのであるならば、その力を見せて見よ」
「え……?」
嘘だろ!?門番と戦うなんて聞いてないぞ!?暴れたら仕官どころかお縄じゃねぇか!
「何、そのような手枷が付いた状態の者が、どれほど渡り合えるか、試してやる」
二人の門番が持っている武器は棍、槍ではないが、殺傷性は皆無だ。多分殴って遊ぶ気なんだろう。
いいだろう、丁度この国の一兵士の戦闘力を図るチャンスだ。
「わかった。後悔するなよ?」
「はっ!その減らず口、喋れなくしてくれるわ!」
門番たちが襲い掛かってくる。まずは軽く煽るために横に薙ぎ払うように鉄球を振り回す。
一人には直撃して吹っ飛ばされるが、もう一人は防御して体勢を立て直す。
「ほう、ただの没落者ではないんだな」
「伊達にここまで旅はしていない!」
鎖を引っ張り、振り回す。
「ふん、鉄球を振り回すだけか?」
「ならこれはどうだ?」
自分の目前に落ちた鉄球を真上に蹴り上げ、叩きつける。
攻撃が外れても地面に落ちた衝撃波が回避した門番を吹っ飛ばす。
「オラァ!」
「ぐおっ!?」
計算通り吹っ飛んだ。筋力380を舐めんなよ!
「見事だ、そこまで戦えるなら通そう」
軽く殴っただけで通れた。ある意味上々かな?
撃破された門番が城門を開ける。
「仕官者が来たぞ!迎えろ!」
おおう、なんか大胆だなぁ。
数時間後、俺は王座の間に招かれた。広い……には広いが一部欠けた部分がある改修工事中だったのか?
「あなたが、軍に入隊を希望した人間ね?」
王座から女性の声が聞こえた。
「はっ、カインと申します」
「職業は?」
「軍師、副業は作成者(クリエイター)です」
周りの家臣団はざわつく、まぁ珍しくはないんだろう。
「面を上げなさい」
言われた通りに顔を上げる。俺の目に映った声の主はとてもきれいな女性だった。この女性が魔王「サイサリス」、この城の主か……!
「理由は兵長から聞いたわ。そして、我が軍の部隊を助けたそうね?」
「は、押されているところ、魔法で助けに入ったという事です」
「へぇ、魔法が使えるのね?まぁ良いわ。入る理由を聞こうかしら」
俺は理由を述べる。妹を取り戻すためというものではなく、懸命に考えた理由だ。
聞いた話だと、魔王軍には軍師が少なく、指揮できるものは不足してるという事、ならその軍師になり、勝利に導くという事。
「成程ね。誰かが情報を漏らしたのかしら?」
「いえ、城下の街で聞いたとのことです!」
「確かに、うちには軍師が不足してるわ。だってほとんどの軍師がお父様の軍に持ってかれてしまったもの」
お父様!?つまりこの女、娘なのか!?
「けど、運がいいわ。今回限りは藁にも縋りたい状態だし、あなたを登用するわよ。ただ、一つ良いかしら?」
「な、何なりと」
「今後、戦争になった時、あなたは同族を殺す羽目になる。その時、罪悪感などに囚われる羽目になるわ。その覚悟は、ある?」
「……」
何だ。その事か。
確かに普通なら罪悪感を覚え、色々経験を得るだろう。
だが俺はそんな一流ラノベ作品の主人公とは違う。この手枷を付けられ、家族を奪われた。
あるのは、奴らに一矢報いるための憎悪と世界に対する憎しみだ。
「失礼ですが、魔王様。私はこの手枷を同族につけられ、生き地獄を味わってきました。此処に来る前は嫌な目をされ、店に入店すれば数分で追い出されの繰り返し、ロクに相手にされませんでした。そんなことをする外道共に持つ情などありません」
「結構同族に対して辛辣に言うのね。まぁいいわ。ようこそ、我が魔王城へ」
「ははーっ!登用していただき、ありがとうございます!!」
やった……!やっと登用された!これで…計画が進む!ありがてぇ、ありがてぇ。
「では、他の下官に魔王城内の案内を頼むわ」
こうして俺は魔王サイサリスの配下になったのだった。
意外と呆気ないと思うが、恐らくすぐ裏切ってくるという算段で監視するつもりなんだろう。
「その前に……あなたの手枷についてる魔法の一つを解除してあげる。その魔法のせいで生き地獄を見たのでしょう?これさえなければあなたは誰よりも働いてくれるかしら?」
そう言いながら小さい魔法陣を手元に展開し、魔法を詠唱する。その時、俺の手枷から「パキン」と何かが割れる音がした。
「あ、ありがとうございます!このカイン、この恩を忘れずに最後まで尽くします!」
「うんうん、精進しなさい」
ついでに認識魔法まで解除してもらえるとかこの人もう魔王じゃねぇ!神だろ!
よし決めた。この軍を最強にしてやる!
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翌日、俺は魔王城の内部を見回っていた。
そして自分のステータスを確認していた。
名前:カイン
Lv70 JOB:軍師 (足軽組頭) SideJOB:作成者(クリエイター) HP:500/500 MP:500/500
器用:300 敏捷:280 筋力:380
生命:500 精神:500 知力:341
指揮:0→5 炎魔法Lv:10 MAX 水魔法Lv:10 MAX
土魔法Lv:10 MAX 風魔法Lv:9 回復魔法Lv:10 MAX
闇魔法Lv:8 光魔法Lv:6
あ!上がらなかった指揮が上がってる!5とは小さいが、これからはどんどん上げればいい。
軍師の部分に身分が追加されてたぞ……しかも足軽組頭って、それでも十分高い方だぞ!?良いのか?これで?
「あ、そう言えば。今日は評定(ひょうじょう)の日だった!うろついてる場合じゃない!」
俺は鉄球を引き摺りながら評定の間へと向かった。
その部屋には常に何人か魔族が集まっており、サイサリス様もいた。
そして俺は空いてる席に座る。するとサイサリス様が口を開き、評定が始まった。
「お集まりいただき、感謝するわ」
初めての評定、一体何を方針にしてるんだ?
「今回の方針は南東統一よ」
おいおい、いきなりか。こりゃあ軍備も必要になるじゃないか。しかも南東って、ジュピトリア帝国じゃねぇか!
あの国は国力はそんな大きくないけど、兵力がかなり多いって聞いたぞ。
「現在、我々の勢力は少しずつながら大きくなってるわ。けど、あくまでほんの少しよ。それでも次には戦争を仕掛けないと我々は小競り合いをして徐々に衰弱していく未来が見えているわ。そこで、皆々には戦争の準備をしてほしいの」
戦争準備か……人手も必要だが、兵糧や武器も必要だろう。
「方針に異論はないわね?」
「「「「「ありません」」」」」
あ、同時に言ってしまった…ごめん。
「こほん。では私は兵糧を集めてきましょう」
「吾輩は徴兵と兵の訓練ですな」
「我は軍馬を購入してこよう」
「……武具の調達を致します」
次々と役割が決まっていく中、俺だけ残されてしまった。
「……あれ?俺は?」
「カインは修行ね」
え!?戦争準備なのに修行!?
「確かに普通ならそんな余裕はないけど、軍師が弱いままなんて話にならないでしょ?」
ぐうの音も出ねぇ……仕方ない。
こうして最初の評定は終わった。
まさかの最初の主命が修業とは……良いのか悪いのか分からないな。
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