2 / 5
1-2 手違いと選択
しおりを挟む
始まりの町イニーツの中央広場にあるベンチで、俺は頭を抱えていた。
「どうする?どうしたらいい?!戦闘はダメ、あの最強生物(ブルースライム)に手も足もでない。生産もダメ、金槌を振れないんじゃ鍛冶なんてできやしない……うがああぁぁぁぁぁ!」
急に大声を上げたせいで周囲は珍獣を見るような目で俺を見る。
にっちもさっちもいかない状況であれこれと考えていると、視界の片隅でメールアイコンがピコンと光る。
「……メール?誰から?」
リアルの俺は大学の3回生で専攻は工学部機械学科。友達は学科内にそれなりの数がいるが、残念ながらVRMMORPGに興味がある奴はいなかった。そのためゲネシスは俺一人でプレイしており、メールをやりとりするような奴は誰もいない。
「差出人は……スズシロ?間違いメール……じゃないな」
『ロウ様へ 突然のメールで申し訳ございません。ロウ様のスキル設定についてお詫びとご相談がございますので、以下の場所までご足労ください。 ゲネシス運営員 スズシロより』
「運営からだと?!……マジか」
俺はメールに添付されていたマップ情報を頼りに、イニーツの町の城壁近くの一軒家の前にいた。
左右を見ても特に変わった様子もなく、明らかに町を作るためのただのオブジェクトの家にしか見えない。
「とりあえず入ってみるか」
木製の簡素なドアを2回ノックして、ドアノブを捻る。何事もなくドアは開いたため俺はそのまま中に入った。
部屋の中は何もオブジェクトは置かれておらず、木製のフローリングと石壁しかなく、後は2階に続く階段があるだけだ。
「そのまま2階に上がってきてくれ」
階段の奥から声がする。声からすると男性のようだ。俺は男性の指示に従い2階に向かう。
2階も1階と同様のつくりではあるが、木製のテーブルと椅子が2脚用意されている。1脚は俺が使用する分であり、もう一つには先ほどの声の主が座っている。
声の主は長身ではあるが全体的に痩せており、色白のアバターから何となく病的な雰囲気をかもし出している。黒髪、黒目で見慣れた顔からすると俺と同様にスキャンした身体データを登録してアバターを作成しているのかもしれない。
「急な呼び出しで申し訳ないね。そこの椅子にかけてくれ」
俺は椅子に座ると目の前の男性アバターの名前を確認した。
「あなたが、メールをくれたスズシロさん……ですね?」
「いかにも。ゲネシスの運営チームの一員であり、いわゆるGM(ゲームマスター)と呼ばれるものの一人だ」
スズシロさんは人差し指を空中で動かすとテーブルの上に急須と湯のみが出てきた。慣れた手つきで湯のみにお茶をそそぎ、ずぞぞっとお茶を啜っている。ちなみに俺の分のお茶はない。
「このたびは君が所有しているスキルについてメールのとおり、お詫びと相談があったため、ご足労を願った。既に君自身も理解していると思うだろうが」
「……亡者の拳、ですか?」
「そう。亡者の拳だ。そのスキルは本来ならアバター作成時のランダムスキルに選ばれるはずのないスキルだった。理由についてはただの人的要因によるプログラムミスだ。ようするにランダムスキルから排除し忘れた、というだけのことだ」
「一応、排除される理由を聞いても?」
「簡単なことだ。αテストにおいて運営チームと雇われプレイヤーの何名かで亡者の拳を初期スキルにして試してみたが誰もそのスキルで攻略を進めることができなかった。だからβテストではランダムスキルから排除されていたのだが、肝心の本番でミスが発覚したため、こうしてお詫びにきたという訳だ」
自分だけ飲んでいるお茶に加えて、厚顔不遜の物言いのせいで全然お詫びという感じがしないけど。
「つまり、俺の亡者の拳のスキルは排除される、ということですか?」
「それが『お詫びと相談』の相談部分だ。君には2つの選択肢がある。一つは亡者の拳を他のメインスキルに交換すること。ちなみに交換するスキルはお詫びの意味も兼ねてランダムスキルから好きなスキルを選択させてあげよう。もう一つは亡者の拳のスキルでこのゲネシスを挑戦することだ」
ランダムスキルから好きなスキルを、だと?!それなら動画サイトであがっていた片手剣派生スキルの刀や小剣派生スキルの忍刀とかも選べるのだろうか?何となくだが、洋風のスキルより和風のスキルのほうが俺は好みではある。
「前のほうは理解できましたけど、後ろのほうはどういう意味ですか?亡者の拳では攻略できないのでは?」
「そんなものは所詮、ありきたりで常識を最善と履き違えている凡人どもが出した結果だ。それもたかだか運営側とαテスター合わせて5名の、だぞ?俺が作ったこのゲネシスにそんなバグのようなものが出来ようはずがない。自由な発想とそれを実行するだけの行動力さえあれば、どんな凡人であろうともこのゲネシスで『詰み』という単語が出てくる訳がない。しかし、このスキルでスタートすることが高い難易度であることは理解している。ゆえにプレイヤー・ロウよ。君に選択する権利を与えよう。メインスキルを変更するか否か。さぁ、どうする?」
どうしよう、完全に『詰み』だと思っていました。てゆうか、俺が作った?もしかしてスズシロさんはただの運営の一人ではなく、お偉いさんなのだろうか?考えることが多いので頭の中は絶賛混乱中だ。せっかくGMの一人が目の前にいるのだから聞きたいことを聞いてしまおう。
「質問をよろしいでしょうか?」
「許可しよう」
「ゲネシスに素手や素足を使ったスキルはあるんですか?」
「今はない。あれば亡者の拳は呪い足りえないからな。ただし、近いものならある」
「それはなんでしょう?」
「それを言っては答えではないか。自分の頭で考えたまえ」
「では、亡者の拳を選んだ場合のメリットは?」
「ふむ。ひとえに浪漫だな。縛りプレイという言葉があるが亡者の拳は完全に縛りプレイに該当する。他者と違うものを持つ、というのは誰もが憧れるものではないかな?一応だが亡者の拳がレベルアップした際にはステータス上昇の補正が入るぞ。元々は後半に用意したイベントスキルで一定条件をクリアしたらすぐに解ける呪いの設定だ。それを縛りプレイとして楽しみたいというプレイヤーのご褒美としてレベルアップ時にステータスへのボーナスを付けてみた」
「その補正はどれくらいのものなんでしょう?」
「それは君自身が確かめたまえ」
スズシロさんがニヤリ、と笑みを浮かべる。おそらくだがスズシロさんには亡者の拳でゲネシスを攻略する方法を知っているのだろう、しかし、それは他の運営には周知されておらず、スズシロさんから見れば他の運営ですら俺たちプレイヤーと大差ないのかもしれない。
「最後の質問です。俺以外に亡者の拳のスキルを持っている人はどれくらいいますか?」
「君を含めて6名が亡者の拳のスキルを持っていたが、内3名は既に他のメインスキルへ交換済みだ、後の2人は君と同様に現在交渉中だ」
「わかりました。スズシロさん、俺は……」
俺のこの選択はスズシロさんの笑みを更に深くするものだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ちなみに、後日、ゲネシスの公式HPを確認していると『製作総監督 鈴白 直哉』の名前を見つけた。偉そう、ではなく、偉い人だった。
「どうする?どうしたらいい?!戦闘はダメ、あの最強生物(ブルースライム)に手も足もでない。生産もダメ、金槌を振れないんじゃ鍛冶なんてできやしない……うがああぁぁぁぁぁ!」
急に大声を上げたせいで周囲は珍獣を見るような目で俺を見る。
にっちもさっちもいかない状況であれこれと考えていると、視界の片隅でメールアイコンがピコンと光る。
「……メール?誰から?」
リアルの俺は大学の3回生で専攻は工学部機械学科。友達は学科内にそれなりの数がいるが、残念ながらVRMMORPGに興味がある奴はいなかった。そのためゲネシスは俺一人でプレイしており、メールをやりとりするような奴は誰もいない。
「差出人は……スズシロ?間違いメール……じゃないな」
『ロウ様へ 突然のメールで申し訳ございません。ロウ様のスキル設定についてお詫びとご相談がございますので、以下の場所までご足労ください。 ゲネシス運営員 スズシロより』
「運営からだと?!……マジか」
俺はメールに添付されていたマップ情報を頼りに、イニーツの町の城壁近くの一軒家の前にいた。
左右を見ても特に変わった様子もなく、明らかに町を作るためのただのオブジェクトの家にしか見えない。
「とりあえず入ってみるか」
木製の簡素なドアを2回ノックして、ドアノブを捻る。何事もなくドアは開いたため俺はそのまま中に入った。
部屋の中は何もオブジェクトは置かれておらず、木製のフローリングと石壁しかなく、後は2階に続く階段があるだけだ。
「そのまま2階に上がってきてくれ」
階段の奥から声がする。声からすると男性のようだ。俺は男性の指示に従い2階に向かう。
2階も1階と同様のつくりではあるが、木製のテーブルと椅子が2脚用意されている。1脚は俺が使用する分であり、もう一つには先ほどの声の主が座っている。
声の主は長身ではあるが全体的に痩せており、色白のアバターから何となく病的な雰囲気をかもし出している。黒髪、黒目で見慣れた顔からすると俺と同様にスキャンした身体データを登録してアバターを作成しているのかもしれない。
「急な呼び出しで申し訳ないね。そこの椅子にかけてくれ」
俺は椅子に座ると目の前の男性アバターの名前を確認した。
「あなたが、メールをくれたスズシロさん……ですね?」
「いかにも。ゲネシスの運営チームの一員であり、いわゆるGM(ゲームマスター)と呼ばれるものの一人だ」
スズシロさんは人差し指を空中で動かすとテーブルの上に急須と湯のみが出てきた。慣れた手つきで湯のみにお茶をそそぎ、ずぞぞっとお茶を啜っている。ちなみに俺の分のお茶はない。
「このたびは君が所有しているスキルについてメールのとおり、お詫びと相談があったため、ご足労を願った。既に君自身も理解していると思うだろうが」
「……亡者の拳、ですか?」
「そう。亡者の拳だ。そのスキルは本来ならアバター作成時のランダムスキルに選ばれるはずのないスキルだった。理由についてはただの人的要因によるプログラムミスだ。ようするにランダムスキルから排除し忘れた、というだけのことだ」
「一応、排除される理由を聞いても?」
「簡単なことだ。αテストにおいて運営チームと雇われプレイヤーの何名かで亡者の拳を初期スキルにして試してみたが誰もそのスキルで攻略を進めることができなかった。だからβテストではランダムスキルから排除されていたのだが、肝心の本番でミスが発覚したため、こうしてお詫びにきたという訳だ」
自分だけ飲んでいるお茶に加えて、厚顔不遜の物言いのせいで全然お詫びという感じがしないけど。
「つまり、俺の亡者の拳のスキルは排除される、ということですか?」
「それが『お詫びと相談』の相談部分だ。君には2つの選択肢がある。一つは亡者の拳を他のメインスキルに交換すること。ちなみに交換するスキルはお詫びの意味も兼ねてランダムスキルから好きなスキルを選択させてあげよう。もう一つは亡者の拳のスキルでこのゲネシスを挑戦することだ」
ランダムスキルから好きなスキルを、だと?!それなら動画サイトであがっていた片手剣派生スキルの刀や小剣派生スキルの忍刀とかも選べるのだろうか?何となくだが、洋風のスキルより和風のスキルのほうが俺は好みではある。
「前のほうは理解できましたけど、後ろのほうはどういう意味ですか?亡者の拳では攻略できないのでは?」
「そんなものは所詮、ありきたりで常識を最善と履き違えている凡人どもが出した結果だ。それもたかだか運営側とαテスター合わせて5名の、だぞ?俺が作ったこのゲネシスにそんなバグのようなものが出来ようはずがない。自由な発想とそれを実行するだけの行動力さえあれば、どんな凡人であろうともこのゲネシスで『詰み』という単語が出てくる訳がない。しかし、このスキルでスタートすることが高い難易度であることは理解している。ゆえにプレイヤー・ロウよ。君に選択する権利を与えよう。メインスキルを変更するか否か。さぁ、どうする?」
どうしよう、完全に『詰み』だと思っていました。てゆうか、俺が作った?もしかしてスズシロさんはただの運営の一人ではなく、お偉いさんなのだろうか?考えることが多いので頭の中は絶賛混乱中だ。せっかくGMの一人が目の前にいるのだから聞きたいことを聞いてしまおう。
「質問をよろしいでしょうか?」
「許可しよう」
「ゲネシスに素手や素足を使ったスキルはあるんですか?」
「今はない。あれば亡者の拳は呪い足りえないからな。ただし、近いものならある」
「それはなんでしょう?」
「それを言っては答えではないか。自分の頭で考えたまえ」
「では、亡者の拳を選んだ場合のメリットは?」
「ふむ。ひとえに浪漫だな。縛りプレイという言葉があるが亡者の拳は完全に縛りプレイに該当する。他者と違うものを持つ、というのは誰もが憧れるものではないかな?一応だが亡者の拳がレベルアップした際にはステータス上昇の補正が入るぞ。元々は後半に用意したイベントスキルで一定条件をクリアしたらすぐに解ける呪いの設定だ。それを縛りプレイとして楽しみたいというプレイヤーのご褒美としてレベルアップ時にステータスへのボーナスを付けてみた」
「その補正はどれくらいのものなんでしょう?」
「それは君自身が確かめたまえ」
スズシロさんがニヤリ、と笑みを浮かべる。おそらくだがスズシロさんには亡者の拳でゲネシスを攻略する方法を知っているのだろう、しかし、それは他の運営には周知されておらず、スズシロさんから見れば他の運営ですら俺たちプレイヤーと大差ないのかもしれない。
「最後の質問です。俺以外に亡者の拳のスキルを持っている人はどれくらいいますか?」
「君を含めて6名が亡者の拳のスキルを持っていたが、内3名は既に他のメインスキルへ交換済みだ、後の2人は君と同様に現在交渉中だ」
「わかりました。スズシロさん、俺は……」
俺のこの選択はスズシロさんの笑みを更に深くするものだった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ちなみに、後日、ゲネシスの公式HPを確認していると『製作総監督 鈴白 直哉』の名前を見つけた。偉そう、ではなく、偉い人だった。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
【完結】『飯炊き女』と呼ばれている騎士団の寮母ですが、実は最高位の聖女です
葉桜鹿乃
恋愛
ルーシーが『飯炊き女』と、呼ばれてそろそろ3年が経とうとしている。
王宮内に兵舎がある王立騎士団【鷹の爪】の寮母を担っているルーシー。
孤児院の出で、働き口を探してここに配置された事になっているが、実はこの国の最も高貴な存在とされる『金剛の聖女』である。
王宮という国で一番安全な場所で、更には周囲に常に複数人の騎士が控えている場所に、本人と王族、宰相が話し合って所属することになったものの、存在を秘する為に扱いは『飯炊き女』である。
働くのは苦では無いし、顔を隠すための不細工な丸眼鏡にソバカスと眉を太くする化粧、粗末な服。これを襲いに来るような輩は男所帯の騎士団にも居ないし、聖女の力で存在感を常に薄めるようにしている。
何故このような擬態をしているかというと、隣国から聖女を狙って何者かが間者として侵入していると言われているためだ。
隣国は既に瘴気で汚れた土地が多くなり、作物もまともに育たないと聞いて、ルーシーはしばらく隣国に行ってもいいと思っているのだが、長く冷戦状態にある隣国に行かせるのは命が危ないのでは、と躊躇いを見せる国王たちをルーシーは説得する教養もなく……。
そんな折、ある日の月夜に、明日の雨を予見して変装をせずに水汲みをしている時に「見つけた」と言われて振り向いたそこにいたのは、騎士団の中でもルーシーに優しい一人の騎士だった。
※感想の取り扱いは近況ボードを参照してください。
※小説家になろう様でも掲載予定です。
異世界日帰りごはん【料理で王国の胃袋を掴みます!】
ちっき
ファンタジー
異世界に行った所で政治改革やら出来るわけでもなくチートも俺TUEEEE!も無く暇な時に異世界ぷらぷら遊びに行く日常にちょっとだけ楽しみが増える程度のスパイスを振りかけて。そんな気分でおでかけしてるのに王国でドタパタと、スパイスってそれ何万スコヴィルですか!
採取はゲームの基本です!! ~採取道具でだって戦えます~
一色 遥
SF
スキル制VRMMORPG<Life Game>
それは自らの行動が、スキルとして反映されるゲーム。
そこに初めてログインした少年アキは……、少女になっていた!?
路地裏で精霊シルフと出会い、とある事から生産職への道を歩き始める。
ゲームで出会った仲間たちと冒険に出たり、お家でアイテムをグツグツ煮込んだり。
そんなアキのプレイは、ちょっと人と違うみたいで……?
-------------------------------------
※当作品は小説家になろう・カクヨムで先行掲載しております。
お前は家から追放する?構いませんが、この家の全権力を持っているのは私ですよ?
水垣するめ
恋愛
「アリス、お前をこのアトキンソン伯爵家から追放する」
「はぁ?」
静かな食堂の間。
主人公アリス・アトキンソンの父アランはアリスに向かって突然追放すると告げた。
同じく席に座っている母や兄、そして妹も父に同意したように頷いている。
いきなり食堂に集められたかと思えば、思いも寄らない追放宣言にアリスは戸惑いよりも心底呆れた。
「はぁ、何を言っているんですか、この領地を経営しているのは私ですよ?」
「ああ、その経営も最近軌道に乗ってきたのでな、お前はもう用済みになったから追放する」
父のあまりに無茶苦茶な言い分にアリスは辟易する。
「いいでしょう。そんなに出ていって欲しいなら出ていってあげます」
アリスは家から一度出る決心をする。
それを聞いて両親や兄弟は大喜びした。
アリスはそれを哀れみの目で見ながら家を出る。
彼らがこれから地獄を見ることを知っていたからだ。
「大方、私が今まで稼いだお金や開発した資源を全て自分のものにしたかったんでしょうね。……でもそんなことがまかり通るわけないじゃないですか」
アリスはため息をつく。
「──だって、この家の全権力を持っているのは私なのに」
後悔したところでもう遅い。
異世界転生目立ちたく無いから冒険者を目指します
桂崇
ファンタジー
小さな町で酒場の手伝いをする母親と2人で住む少年イールスに転生覚醒する、チートする方法も無く、母親の死により、実の父親の家に引き取られる。イールスは、冒険者になろうと目指すが、周囲はその才能を惜しんでいる
超リアルなVRMMOのNPCに転生して年中無休働いていたら、社畜NPCと呼ばれていました
k-ing ★書籍発売中
ファンタジー
★お気に入り登録ポチリお願いします!
2024/3/4 男性向けホトラン1位獲得
難病で動くこともできず、食事も食べられない俺はただ死を待つだけだった。
次に生まれ変わったら元気な体に生まれ変わりたい。
そんな希望を持った俺は知らない世界の子どもの体に転生した。
見た目は浮浪者みたいだが、ある飲食店の店舗前で倒れていたおかげで、店主であるバビットが助けてくれた。
そんなバビットの店の手伝いを始めながら、住み込みでの生活が始まった。
元気に走れる体。
食事を摂取できる体。
前世ではできなかったことを俺は堪能する。
そんな俺に対して、周囲の人達は優しかった。
みんなが俺を多才だと褒めてくれる。
その結果、俺を弟子にしたいと言ってくれるようにもなった。
何でも弟子としてギルドに登録させると、お互いに特典があって一石二鳥らしい。
ただ、俺は決められた仕事をするのではなく、たくさんの職業体験をしてから仕事を決めたかった。
そんな俺にはデイリークエストという謎の特典が付いていた。
それをクリアするとステータスポイントがもらえるらしい。
ステータスポイントを振り分けると、効率よく動けることがわかった。
よし、たくさん職業体験をしよう!
世界で爆発的に売れたVRMMO。
一般職、戦闘職、生産職の中から二つの職業を選べるシステム。
様々なスキルで冒険をするのもよし!
まったりスローライフをするのもよし!
できなかったお仕事ライフをするのもよし!
自由度が高いそのゲームはすぐに大ヒットとなった。
一方、職業体験で様々な職業別デイリークエストをクリアして最強になっていく主人公。
そんな主人公は爆発的にヒットしたVRMMOのNPCだった。
なぜかNPCなのにプレイヤーだし、めちゃくちゃ強い。
あいつは何だと話題にならないはずがない。
当の本人はただただ職場体験をして、将来を悩むただの若者だった。
そんなことを知らない主人公の妹は、友達の勧めでゲームを始める。
最強で元気になった兄と前世の妹が繰り広げるファンタジー作品。
※スローライフベースの作品になっています。
※カクヨムで先行投稿してます。
文字数の関係上、タイトルが短くなっています。
元のタイトル
超リアルなVRMMOのNPCに転生してデイリークエストをクリアしまくったら、いつの間にか最強になってました~年中無休働いていたら、社畜NPCと呼ばれています〜
婚約破棄はいいですが、あなた学院に届け出てる仕事と違いませんか?
来住野つかさ
恋愛
侯爵令嬢オリヴィア・マルティネスの現在の状況を端的に表すならば、絶体絶命と言える。何故なら今は王立学院卒業式の記念パーティの真っ最中。華々しいこの催しの中で、婚約者のシェルドン第三王子殿下に婚約破棄と断罪を言い渡されているからだ。
パン屋で働く苦学生・平民のミナを隣において、シェルドン殿下と側近候補達に断罪される段になって、オリヴィアは先手を打つ。「ミナさん、あなた学院に提出している『就業許可申請書』に書いた勤務内容に偽りがありますわよね?」――
よくある婚約破棄ものです。R15は保険です。あからさまな表現はないはずです。
※この作品は『カクヨム』『小説家になろう』にも掲載しています。
人質から始まった凡庸で優しい王子の英雄譚
咲良喜玖
ファンタジー
アーリア戦記から抜粋。
帝国歴515年。サナリア歴3年。
新国家サナリア王国は、超大国ガルナズン帝国の使者からの宣告により、国家存亡の危機に陥る。
アーリア大陸を二分している超大国との戦いは、全滅覚悟の死の戦争である。
だからこそ、サナリア王アハトは、帝国に従属することを決めるのだが。
当然それだけで交渉が終わるわけがなく、従属した証を示せとの命令が下された。
命令の中身。
それは、二人の王子の内のどちらかを選べとの事だった。
出来たばかりの国を守るために、サナリア王が判断した人物。
それが第一王子である【フュン・メイダルフィア】だった。
フュンは弟に比べて能力が低く、武芸や勉学が出来ない。
彼の良さをあげるとしたら、ただ人に優しいだけ。
そんな人物では、国を背負うことが出来ないだろうと、彼は帝国の人質となってしまったのだ。
しかし、この人質がきっかけとなり、長らく続いているアーリア大陸の戦乱の歴史が変わっていく。
西のイーナミア王国。東のガルナズン帝国。
アーリア大陸の歴史を支える二つの巨大国家を揺るがす英雄が誕生することになるのだ。
偉大なる人質。フュンの物語が今始まる。
他サイトにも書いています。
こちらでは、出来るだけシンプルにしていますので、章分けも簡易にして、解説をしているあとがきもありません。
小説だけを読める形にしています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる