往復ビンタから始まる恋愛模様

第51話 後悔の日々

佑介が明日香と亜紀と別れた日、佑介はリビングで呆然としていた。

「・・・・・なんで、あんなに怒ったんだろう・・・別れようって・・・ああ・・・別れたんだね・・・ウッウッウッ」


「僕はどうしたらいいんだろう・・・とにかく明日学校で謝ろう。」


次の日

「謝ったけど・・・ほとんど無視だったし・・・それに姫野さんと小路さんか・・・。」

ピンポーン

「お届け物です。この書類ですね。はい。。」

「なんだ、これ？」

「あああああああ、離婚通知表？？？？え？あっ・・・・正式に離婚ってなってる・・・。」


「そんな・・・あんまりだ・・・ちょっと相談しただけなのに・・・・。」


次の日

「ううう。お弁当作って一緒に食べようって言ったのに即、断れてしまった・・・僕、何かしたかな・・・・ううううう。」

佑介は夕暮れになり薄暗くなった、その広いリビングを眺めていた。そこには最愛の二人の姿は無い。

その楽しい思い出が詰まったリビングはやたらと広く感じ。明日香がいつも料理していたキッチンは寒々としたステンレスの色がしている。

亜紀がいつもコーヒーを淹れていたコーヒーセットはカップを下にして冷たくお盆の上に載っている。

「ううううう。寒いよ・・・・さみしいいよ・・・・あっちゃん・・・あきちゃん・・・・。」

佑介はその広すぎるリビングのソファーへ座り、頭から毛布を被り、手元に楽しいそうで笑顔の3人が写ってる写真を持ち泣き続けたのであった。

佑介はそれから2週間、ほとんど、この状態であった。食事もあまりとらず、風呂もはいらず、ただ、ただ、泣いていたのであった。

「ううう、もう、駄目だ・・・。もう、僕の人生ここで止めてもいいや・・・もう、生きる気力が無い・・・。」

佑介は最後の覚悟を決めたときに己の体が上手く動かないことに気づいたのであった。

「あああ、自分で逝くこともできないのか・・・まあ、このまま、食べ物食べなかったら・・・うん・・・そうしよう・・・。」

佑介はそこから2日間、食事も、水分も取らなかった。3日目、いよいよ、意識が混濁しその時を待っていたのであった。

「ごん　ごん。ちょっと！なにしてるの！」

「パリーン」

「東川君！しっかりして。」


佑介は意識を失ったのである。


｛ん・・・・ああ・・・知らない天井だ・・・ははは・・・懐かしいな・・・楽しかったな・・・・。｝

｛天国か地獄か分からないけどやけに眩しいな。｝

そして、佑介の目には明日香と亜紀と別れる直前に電話していた相手。そして相談しようとした相手。綾小路たまきが写ったのである。



佑介「ボソボソ・・・たまきちゃん。あの時に救ってもらってありがとうね。僕なんかの介抱もしてくれて。しかも恋人までなってくれた。僕は今日退院できて嬉しいよ。」

たまき「よかったわ。餓死寸前だったんだからね？もう、あんなことしたら駄目だからね。あなたには、私がいるんだから。」

佑介「うん。絶対しないよ。ありがとう。たまきちゃん。」