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あー、やっちゃったよ(佐倉美麗side)

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こんにちはー!
私はー!ただいまー!遅れてしまったー!理科の授業でー!実験しているー!猛省中のー!
佐倉美麗さくら みれいでぇっす!

いやー、やっちゃったよ!
たまーにやってしまうんだよなぁ。

...一日に一回くらい。

うん。でも友達にだし。それは。
それにしても、知らない人に鏡みてこいなんて言えたもんかなあ。自分も。
はぁ...
失礼極まりないないあ。

「はぁ...」
一人授業中にため息をついていると、話しかけてきた同じ班の女生徒がいた。
彼女こそさっき言っていた友達の一人である。

同じ班になれたとき、心底かなり嬉しかった。
声には出さなかったけど。

「みれい?どうしたのー?ため息なんかついて。
幸せが逃げちゃうぞー?」

そう言って気軽に話しかけてきたのが未羽星菜みはね せなである。
数少ない私のことを理解してくれる友達の一人で、情報通なんだよね。
女子力も私たちのグループの中で一番高い。
そんな彼女に私はさっきあったことを、話すことにする。

「せな~。聞いてくれる?この授業遅れたときにさ、どこかの小説みたいに男子とぶつかったのよ。」
そう言いながら私はため息をまた一つつく。

「だから~!ため息はつかない!」
せなは、二つに分けて低い位置でくくっている長い緩く巻いたロングの髪を揺らしながら頬を膨らましている。
それを見ていると、こちらも頬を膨らましたくなるが、私の場合、キャラ崩壊しかねないのでやらないことにしている。

「それにしても、そんな珍しい体験をするとはね~。いいじゃん。話してみてよ!恋でも始まった?」

元気な彼女は恋バナには熱意がすごい。
でも、話せるようなことは何もない。
強いて言うならば、

「喧嘩が始まりそう。」

そう言ってまた私はため息をもう一つつく。

「えぇ!?いや、その前にため息つくのやめなさい!」

元気な彼女は元気だなあ。
おじいちゃん...いや、あぶないあぶない。
おばあちゃんみたいな思考回路になっているなあ、と思いながら私は言い返す。

「いいじゃないの。幸せなんて最初からないのよ。」

「何言ってるの?ネガティブみれいになっちゃってんじゃん!」

私の小さな声に彼女が大きな声で返す。
これは...やばい!
理科はこわーい隣の担任の矢部先生の授業だ!

「あっ、せな!...「授業中ですよ!静かにしなさい!」
理科の授業を受け持っている矢部先生が大声で怒鳴った。

心の中だけで言い返す。
「先生?今時怒鳴るだなんて時代遅れですね。」

そして、私はまた思う。

だからそういう考え、ダメなんだってぇぇぇ!!!
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