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第2章 奴隷を買いました。
第2話
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歩きながら様々な屋台や店を通り過ぎる。すると、ある屋台に目が止まる。まばらではあるがちょくちょくと、食べ物を買いに行く客が見えた。
(あそこが丁度いいか……)
「すみません、お兄さん。これください」
指をさす先にあるのはオークの串肉だった。ここは、魔物肉専門の屋台のようだ。
「あいよ! 毎度ありぃ! きみ、見ない顔だね」
「はい、さっき入国したところです。ところでお兄さん、ここらで評判のいい薬屋と宿、武器屋、服屋、雑貨屋、あと奴隷商館しらない? 教えてくれたら、あと五本貰おうかな?」
「おぉっ! この魔物肉高いのに、そんなにも買ってくれるの⁉︎ じゃあ、この優しいお兄さんが教えてあげよう!」
オークの串肉を頬張り、私はお兄さんの話す情報に相槌を打ちながら聞いた。
この屋台を選んだのは、人がまばらな屋台、そして、並ぶ客が身なりの良い人たち、従業員の対応の仕方だ。
情報収集する上で、あまり人気すぎるところだと店に迷惑をかけてしまう。人がまばらならば、少しは話ができると考えた。
身なりの良い客が並んでいることから、少し高めな食べ物を売っているから人がまばらなのではと分析した。だから、情報収集の対価として多めにオークの串肉を買えばいいのではと考えたのだ。
この調子で私は六軒屋台を回って食べてを繰り返し、情報収集を行ったのだった。
***
それからすぐに評判のいい宿をとった。はじめ受付の人に、今日奴隷を買いに行くので同じ部屋に入れてもいいかと聞けば、護衛で室内に奴隷を入れる人もいるので大丈夫だと言っていたので、一番高くて広い部屋にしておいた。
宿に食べきれなかった量の食べ物も置いておいた。まぁ、後で奴隷も連れてくるし大丈夫だろう。
それから雑貨屋で大きめの麻袋を二袋、服屋で大きめのローブを六着、自分用の一週間分の服と下着を購入して、武器屋に少し顔を出し『ローダの薬屋』というところにやってきた。
木造二階建てで、チェスナットブラウンの渋い建物だ。そこの入り口のドアノブに手をかける。
「ぐぅっ……」
薬草だろうか、独特な匂いに思わず唸って顔を歪めながらドアノブから手を離し、鼻を腕で覆った。
(凄い匂い……びっくりした)
ドアから漂う匂いに慣れて、ドアノブに手をかける。
チリンチリン────……。
ドアベルを響かせながら中へと入る。
建物内の匂いはもっと濃厚で、まるで粉薬を常に口に含まされ続けているかのように苦々しく、進む足が思わず止まりそうだ。
広いはずの中は、大きな棚が沢山整列しているせいで、とても狭く感じる。幾つもの並んだ棚に、薬草らしきものが詰められた瓶がぎっしりと隅から隅まで入っている。カウンターには、薬を作るためだろうか? 年季の入った分厚い本が何冊か広げて置いてあった。
「いらっしゃい」
店の奥から出てきたのは、耳の尖った白髪混じりの丸眼鏡をかけたご老人だった。
「すみません。体臭を消す薬草や木の実などはありませんか?」
(あそこが丁度いいか……)
「すみません、お兄さん。これください」
指をさす先にあるのはオークの串肉だった。ここは、魔物肉専門の屋台のようだ。
「あいよ! 毎度ありぃ! きみ、見ない顔だね」
「はい、さっき入国したところです。ところでお兄さん、ここらで評判のいい薬屋と宿、武器屋、服屋、雑貨屋、あと奴隷商館しらない? 教えてくれたら、あと五本貰おうかな?」
「おぉっ! この魔物肉高いのに、そんなにも買ってくれるの⁉︎ じゃあ、この優しいお兄さんが教えてあげよう!」
オークの串肉を頬張り、私はお兄さんの話す情報に相槌を打ちながら聞いた。
この屋台を選んだのは、人がまばらな屋台、そして、並ぶ客が身なりの良い人たち、従業員の対応の仕方だ。
情報収集する上で、あまり人気すぎるところだと店に迷惑をかけてしまう。人がまばらならば、少しは話ができると考えた。
身なりの良い客が並んでいることから、少し高めな食べ物を売っているから人がまばらなのではと分析した。だから、情報収集の対価として多めにオークの串肉を買えばいいのではと考えたのだ。
この調子で私は六軒屋台を回って食べてを繰り返し、情報収集を行ったのだった。
***
それからすぐに評判のいい宿をとった。はじめ受付の人に、今日奴隷を買いに行くので同じ部屋に入れてもいいかと聞けば、護衛で室内に奴隷を入れる人もいるので大丈夫だと言っていたので、一番高くて広い部屋にしておいた。
宿に食べきれなかった量の食べ物も置いておいた。まぁ、後で奴隷も連れてくるし大丈夫だろう。
それから雑貨屋で大きめの麻袋を二袋、服屋で大きめのローブを六着、自分用の一週間分の服と下着を購入して、武器屋に少し顔を出し『ローダの薬屋』というところにやってきた。
木造二階建てで、チェスナットブラウンの渋い建物だ。そこの入り口のドアノブに手をかける。
「ぐぅっ……」
薬草だろうか、独特な匂いに思わず唸って顔を歪めながらドアノブから手を離し、鼻を腕で覆った。
(凄い匂い……びっくりした)
ドアから漂う匂いに慣れて、ドアノブに手をかける。
チリンチリン────……。
ドアベルを響かせながら中へと入る。
建物内の匂いはもっと濃厚で、まるで粉薬を常に口に含まされ続けているかのように苦々しく、進む足が思わず止まりそうだ。
広いはずの中は、大きな棚が沢山整列しているせいで、とても狭く感じる。幾つもの並んだ棚に、薬草らしきものが詰められた瓶がぎっしりと隅から隅まで入っている。カウンターには、薬を作るためだろうか? 年季の入った分厚い本が何冊か広げて置いてあった。
「いらっしゃい」
店の奥から出てきたのは、耳の尖った白髪混じりの丸眼鏡をかけたご老人だった。
「すみません。体臭を消す薬草や木の実などはありませんか?」
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