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不治の病

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家に戻ってくると、お父様が僕を抱きしめてくれた。

「お父様…?」

「フェルから聞いたよ。3つも属性を宿していると…」

「はい」

いつの間にかフェルはお父様に連絡していたらしい。王都には通信機があるから、何処かで連絡したのだろう。馬車では眠って居たから、その間かな?

「かわいそうに…今までとても辛かったね。お医者様を呼んであるから、そこで話を聞こう」

「はい」

フェルとお父様と一緒に部屋に入ると優しそうな女性が居た。

「初めまして。私はリルと言います。この御屋敷に使える医者です。病の事は聞きました。少し見てよろしいですか?」

「はい」

フェルは僕を椅子に座らして、ドレスを半分脱がしてくれる

「怖がらなくて大丈夫だよ。魔力の流れを見ていくだげだから」

「うん…んっ!」

先生の手が胸元に触れ温かい光に包まれる。

これ、フェルと同じ魔法だ。

「3つの属性を宿しているせいで魔力がかなり膨大ですね。それが体の中を暴れ回っているので、発作がかなり苦しいはずです。ルナ様」

先生は僕を見る。

「あなたはこの不治の病にかかって居ます。しかも症状はかなり重いです。よく今まで一人で耐えましたね」

「ふじの…やまい…」

不治の病はゲーム内でアクアが患っている病だ。まさかルナも患っていたなんて……

僕は胸元を抑える。

「不治の病は魔力に体がついて行かない人がなるのです。症状も様々で大体の方が軽いもので発作等もほとんどありません。しかしごく稀にルナ様みたいなとても重い症状が出る方もいます。ただこの病は死ぬ事はありません」

「死なないの?」

「はい。というか私たち魔法使いは死ぬことは出来ないのですよ。致命傷を負えば死にますけど、病では死ねません」

それじゃあ、この病の発作とずっと戦わないといけないの?

フェルがいるから耐えれるけど居なかったら闇堕ちしそうだ。世界を恨みそうだ。

「治らない病ですが軽くすることは可能です」

「本当?」

「はい。魔力操作を覚えて魔法を使えるようになれば軽くなりますよ。ただ3つの属性のうちルナ様は光魔法が強いので光魔法を制御していく事をおすすめします」

「はい」

「魔法はフェル様やお父様に習うのがよろしいですね。私もサポートします。魔法が使えると魔力の流れも一定になりますから、楽になります」

先生の言葉に僕は安心する。

「ルナ。大丈夫だよ。僕が魔法教えるし、傍にいるから」

「フェル様の癒し魔法で発作も早く止まりますからそれが良いですね」

「そうと決まれば二人には毎日一時間の魔法鍛錬の時間を入れよう。教師は私が勤める」

「父上。ありがとうございます」

「お父様…ありがとうございます」

「どういたしまして。あとルナくんには触媒を後で渡すね」

「触媒?」

「魔法を発動する時に扱う武器だよ。僕なら剣だね」

僕も剣がいいなって思うが絶対フェルに却下される気がする。

「とりあえず魔力を込めやすい、アクセサリーにしようか。指輪とかどうかな?」

「はい」

「じゃあ僕が指輪作るね」

「ありがとうフェル」

僕は服を直してそして先生に挨拶をして部屋から出る。

何だか疲れてしまった。

「フェル…疲れた」

「部屋に戻ったら少し休もうね」

そして部屋に戻り僕は少し休憩することになった。
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