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全部脱いでね.9.

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「やったね!朱希ちゃん!仕事が増えるよ!」
怜奈はニコッと笑って聞き覚えのあるフレーズを言った。

「おいやめろ!」それトラウマなんだよっ



「さて、自己紹介が遅れましたわね。私は彩夏よ。仕事もするけど、基本受付係よ。」
彩夏はそうだ言うと、ふふんっと、どや顔をした。

「……俺は受け継ぐとは言ってないからな?なんもしないからな?」

「証明書はいまここにあるわよ?」
怜奈が俺を脅して書かせた書類の1枚をヒラヒラさせる。

「ああそうだなっ!俺の心はノーと言っているっ!!」

「世の中、証拠が全てよ。」

「くう……っ」いつか口で勝ってやる……。

「まあまあ、とりあえず、朱希ちゃんには色んな事を覚えてもらわなきゃね!」
パンッと話題を変えるように言われても。

「……もう俺に拒否権はないんだな……。」もう疲れたよ。

「そういえば、」

「妹が居たんではないんですの?」
彩夏が首を傾げる。

「連れてきてねーよ……ここへ来たのも好奇心でだし……。」

「?あれ?朱希ちゃんなんか疲れてる?」怜奈も首を傾げる。

「誰のせいだと思ってんの!?」

「よし、とりあえず街を散策しよっか!」

「無視するなよ……」

「散策の前に着物を着せた方がいいと思うわよ?」

「あ、そっか!カンペキ向こうの制服だもんねっ」

「……?制服だとわかるのか?」

「そりゃね。わかるよ!アタシこっちの世界の住民じゃないしね!ささ、着物を見繕うからこっちおいでっ」手を引かれ階段の後ろの廊下へ歩き出す。

「……俺と同じ?」目を見開く。分からなかった。

「そうだよっ根っからの女の子だけどねっ」

「……ふぅーん。」

奥の部屋へつき、中へ入れられた。
怜奈も入ってくると後ろ手にドアを閉める。
たくさんの色鮮やかな着物が掛けてある。

「全部脱いでね!」

「はっ?!」

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