お前の事なんて知らない

*黒猫*

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おなかすいた。.5.

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「……おなかすいた。」

夢を見ることもなくただただ熟睡していたと思う。

目が覚めたとき、一瞬ここがどこか分からなかった。

今は何時なんだろう……。

窓の外からスズメのさえずりが聞こえる。

……何時でもいいや。多分一晩は寝た。

「んぅー……。ふぁあ~……。」よいしょっと上半身を起こす。

ふわっと海斗の匂いが広がった。   パサッ

「……?」布団から紙切れが落ちた。首を傾げながら拾い上げる。

『寝すぎ。下でごはん作って待ってるよ。』

…この少しカクカクした字は海斗のものだろう。

「……そんなに寝てないもん………多分……」

すんすんと鼻で周りを嗅ぐと、微かに美味しそうな匂いが漂っていた。

「!…ごはんっ」

ばっとベットを飛び出し、海斗の部屋を出て、階段をかけ降りる。最後の一段で転びそうになった。

「わっ……とと……海斗!おは…よ…ぅ」


……リビングで海斗の姿を見て何故か顔が赤くなり、言葉が小さくなっていった。

海斗は美味しそうな朝食?を前にテーブルに座っていた。

「おはよう。朝ごはんできてるぞ。」

「う…うんっ」顔をまともに見れず、俯きながら椅子を引いて座った。

だけど、そんな妙な恥ずかしさも朝ごはんを見た瞬間に吹き飛んだ。

スクランブルエッグ、鮭の塩焼き、お味噌汁、ごはん……僕の好きなものばっかりだった。

「わぁ~っ!い……いただきますっ!」

「いただきます。……味はどう?」

右手にお椀、左手に箸、口いっぱいにもぐもぐしながら答える。

「少し冷めてるけどおいひいっっ」ほんとにおいしいとしか言えないっ。

海斗はフフッと微笑み、僕の頬に付いてたらしい米粒を取って、食べた。……ちょっとビクッとした。

「そっか。……冷めてるのは未琴がすーすー寝てたからかな。」

「うっ」

「ははっ。冗談だよ。

そういえば、今日どうするんだ?」

「……わかんない。ヒマだよっ」

「ふーん。そっか。
じゃ、俺の買い物、付き合ってよ。」
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