物置小屋

１人向け・看病系

大切な味(雷)

どうかしたのか？…電球くらい俺が替えるからおりろ。危ないだろ。
…別に。これくらい普通だし。
あと、今日の夕飯だけど…雷、近かったな。
それで消えたのか。そんなに慌てなくても、数分で復旧するはずだ。
多分電柱に落ちたんだろう。
…そういえば、暗闇で過ごすのは平気なのに突然電気が消えるのは苦手だったな。
大丈夫だから動くな。…ほら、手。このまま繋いでおけばいいだろ。
嫌、とかじゃなくて…お風呂あがりで汗かいてるから、触られたくないんじゃないかと思っただけ。
そんなによそよそしくしなくていいだろ？…昔？
そういえば、似たようなことあったな。
あのときは怖がって泣いてたな。…事実だろ？
おちょくるつもりはないけど、苦手だって知らなかったから驚いたのは覚えてる。
あのときのことを覚えてるか？…どうだろうな。
ただ、姉貴にも苦手なものがあるのかって驚いたのは覚えてる。
…別に、そのときも礼を言われるようなことはしてない。
電気、ついたな。…なんか楽しそうだな。怯えてるよりいいけど。
…で、夕飯だけど、あっためたら食べられるから。

…覚えてたのかよ、あのときのこと。
そういえば…姉貴が好きなアイス、あの頃と全然変わってないな。
…思い出の味、か。
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恋人みたいな姉弟の話にしました。