物置小屋

１人向け・other

届いた指先(逃亡)

…もしもし？どうしたの？
助けてって、何があったの？…すぐ行くから待ってて。


…開けて。しー…。ごめん、下の部屋の明かりがついていたから窓からしか入れなかったんだ。
何があったの？…閉じこめられた？
そっか、あの人たちが気に入らないことを言ったから…。ごめん。もっと早くこうするべきだった。
舌、噛まないようにね。


俺みたいにあの家から逃れても、幸せになれるとは限らない。
だったら、大事に思われてるおまえは置いていった方がいいと思っていた。
だけど、それは俺の勘違いだったみたいだ。
おまえに覚悟があるならこのまま連れ去るよ。
友だちに優秀な弁護士さんがいるんだ。その人に頼んで色々手続きしてもらう。
…助けるって決めたからには、この手を絶対に離さないから。

…おはよう。よく眠れた？だったらよかった。
そんなに心配しなくても、この場所は特定されてないよ。
お兄ちゃんを信じてほしいな。…あの監獄に戻らなくていいようにするから。
俺もお世話になったんだ。だからきっと、今回も上手くやってくれる。
おまえが自由に生きられるように手伝わせてほしい。
…俺たち兄妹は操り人形じゃない。もうあの家で言われたことを聞く必要はないんだよ。
おまえの夢を否定させはしない。
だから、このままお兄ちゃんについてきてくれる？
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兄に救いを求めた妹の話にしてみました。