物置小屋

１人向け・看病系

願いひとつ(裏稼業)

…あれ？こんな時間に外にいるなんて珍しいね。どうしたの？
俺はここでちょっと休憩しようと思って…え、なに？
いきなり人の腕を掴んで引っ張るなんて、乱暴だな…。
分かりました、黙りますよ。


ここ、君の家じゃない？なんで…痛!?
あーあ、やっぱり気づかれちゃったか。
…現場にいたとはいえ、濡れ衣着せられて追いかけ回されるって最悪だよね。
昔から運がなかったけど、今回ほど不運なことは初めてかもしれない。
どうしてそんなに泣きそうな顔してるの？…このくらいの傷ならすぐ治るよ。
それより、俺にはあんまり関わらない方がいい。君まで怪我しちゃうかもしれないよ。
だから痛いってば…。ごめん。泣かせるつもりじゃなかったんだ。
俺の近くにいて君が怪我したら一生後悔するから、君が傷つく前に離れなきゃって…。
…手当てしてくれてありがとう。これならなんとか動けると思う。
全部終わってから会いに行くつもりだったのに、まさかこんなタイミングで会っちゃうなんて思わなかった。
え、隠れる？どういうこと？…分かった。ここで静かにしてるよ。

…なんでさっきの怖い人たちに俺のこと突き出さなかったの？
冤罪だって話、信じてくれるの？…ありがとう。されだけで充分だ。
それじゃあもう行くから…どうかした？
怪我をしている人を放っておけない、か。君らしいね。
なら、遠慮なくお世話になろうかな。用心棒も兼ねて、ね。
誰にも信じてもらえないと思ってた。さっきまであのまま死んでもいいとも思ってた。
…そのはずなのに、君を見たらまだ死ねないって思った。不思議だね。
あれ、もしかして照れてる？…君のそういうところ、可愛い。
便利屋の俺に関わってくれるなんて、本当に優しいお医者さんだね。
持つべきものは友だな…。こっちの部屋を使っていいの？
…俺と関わって後悔しない？
まさかそんなふうに言ってもらえるとは思わなかった。
おやすみ。…この恩は必ずかえすから。

大切だからいつまでもいて、か。
全部片づいたらいつか言えるかな。…好きだって言いたいな。
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裏稼業の最中、ある事件の犯人に仕立てられてしまった彼の話にしてみました。