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1人向け・慰め系
聞き届けた(契約・甘い囁き)
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…目が覚めた?そんなに驚かなくてもいいのに。
俺を呼び出した後、君はすぐ気を失っちゃったんだよ。
君が救われたいと願って握った本…それ、俺の召喚書なんだよね。
偶然ではあるものの、君の願いに反応して出てきちゃったんだ。
現実が苦しいんでしょ?頑張っても頑張っても、結果が出てくれるわけじゃない。
誰かに見つけてもらえた人たちは幸福に満ちていくけど、埋もれちゃった人たちの苦しみは永遠に続く。
俺を呼び出すってことは、君は後者でしょ?
…楽しめなくなっちゃったんだよね?だから苦しくなって、消えたいって願った。
だけど、消えるのはいつでもできるから…俺からひとつ提案がある。
君の苦しみも辛さも、もう終わりにしよう。
理不尽に当たり散らす人たちも、君を嘲笑う人たちも、全部無視できるようにしてあげる。俺も背負うよ。
…その代わり、君が消えることを決意したときは俺と一緒に来てもらう。どう?
痛いこととか嫌がることはしないよ。
たしかに俺は悪魔だけど、人間をそそのかすんじゃなくて末路を見たいんだ。
俺は少し手を貸すだけ。…怖いと思うけど、俺と一緒に部屋を出よう。
夜だと人通りが少ないんだね。まあいいけど。
外の景色を見ているだけでいいの?…ああ、たしかに星が綺麗だ。
それなのに美しくないものがある。ちょっと待ってて。怖がらなくていいからね。
…ほら、こうすれば何も聞こえない。何か言っているのは分かっても、君に悪意ある言葉が届くことはない。
あの人たちもどこかへ行ったし、部屋に戻ろうか。
こっちにおいで。抱きしめてあげる。
…毎日あんなに心無い言葉をぶつけられて、よく耐えたね。
それは消えたくもなるわけだ。…頑張ったね。
泣いていいんだよ。もう我慢しなくていい。
君はいつだって他人を優先してきた。その結果が今だというなら、そんな理不尽なことはないじゃないか。
…これからもあいつらが来たら耳をふさいであげる。
汚い言葉は俺が受け止めるから、これから君は、自由に生きられる道を探して。俺も一緒に探すよ。
いつか必ず自由な道を選べるように手助けするから、まだ諦めないで。
背中に腕まわして。こうしていると温かいよね。
…だいぶ前に俺を呼び出した人間が教えてくれたんだ。
君も温かいね。…心が温かいからかな?
もう大丈夫だよ。今夜はゆっくりおやすみ。
…愚かな人間だらけの世界なんて滅べばいいと思うけど、見届けさせてもらうよ。
他者のためにと常に考え続けて動いていた、君の末路を…。
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少女が救われる話を綴ってみました。
俺を呼び出した後、君はすぐ気を失っちゃったんだよ。
君が救われたいと願って握った本…それ、俺の召喚書なんだよね。
偶然ではあるものの、君の願いに反応して出てきちゃったんだ。
現実が苦しいんでしょ?頑張っても頑張っても、結果が出てくれるわけじゃない。
誰かに見つけてもらえた人たちは幸福に満ちていくけど、埋もれちゃった人たちの苦しみは永遠に続く。
俺を呼び出すってことは、君は後者でしょ?
…楽しめなくなっちゃったんだよね?だから苦しくなって、消えたいって願った。
だけど、消えるのはいつでもできるから…俺からひとつ提案がある。
君の苦しみも辛さも、もう終わりにしよう。
理不尽に当たり散らす人たちも、君を嘲笑う人たちも、全部無視できるようにしてあげる。俺も背負うよ。
…その代わり、君が消えることを決意したときは俺と一緒に来てもらう。どう?
痛いこととか嫌がることはしないよ。
たしかに俺は悪魔だけど、人間をそそのかすんじゃなくて末路を見たいんだ。
俺は少し手を貸すだけ。…怖いと思うけど、俺と一緒に部屋を出よう。
夜だと人通りが少ないんだね。まあいいけど。
外の景色を見ているだけでいいの?…ああ、たしかに星が綺麗だ。
それなのに美しくないものがある。ちょっと待ってて。怖がらなくていいからね。
…ほら、こうすれば何も聞こえない。何か言っているのは分かっても、君に悪意ある言葉が届くことはない。
あの人たちもどこかへ行ったし、部屋に戻ろうか。
こっちにおいで。抱きしめてあげる。
…毎日あんなに心無い言葉をぶつけられて、よく耐えたね。
それは消えたくもなるわけだ。…頑張ったね。
泣いていいんだよ。もう我慢しなくていい。
君はいつだって他人を優先してきた。その結果が今だというなら、そんな理不尽なことはないじゃないか。
…これからもあいつらが来たら耳をふさいであげる。
汚い言葉は俺が受け止めるから、これから君は、自由に生きられる道を探して。俺も一緒に探すよ。
いつか必ず自由な道を選べるように手助けするから、まだ諦めないで。
背中に腕まわして。こうしていると温かいよね。
…だいぶ前に俺を呼び出した人間が教えてくれたんだ。
君も温かいね。…心が温かいからかな?
もう大丈夫だよ。今夜はゆっくりおやすみ。
…愚かな人間だらけの世界なんて滅べばいいと思うけど、見届けさせてもらうよ。
他者のためにと常に考え続けて動いていた、君の末路を…。
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少女が救われる話を綴ってみました。
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