物置小屋

１人向け・イベント系

拝啓、あなたに身を焦がした僕より(手紙)

拝啓

久しぶり。最近お互い忙しくてあんまり話せてなかったね。
君が元気にしているかずっと心配でした。
だけど、僕には話しかける勇気もなくて…。
もしあの日、沢山の人に声をかけられている君から逃げなかったら、もう少し話せていたのかな。
僕は他の人達みたいに楽しい話ができるわけではないし、勉強もスポーツもあんまり得意じゃない。
だけど、バイト先で一緒に過ごせる時間が何よりも大切で幸せでした。
はじめは僕の方ができていた調理も、今では君に勝てる気がしません。
こんな僕と沢山仲良くしてくれてありがとう。
今夜、いつもバイト帰りに立ち寄っていた喫茶店で待ってます。


…捨てられたらそれまでだけど、靴箱に入れておいたら気づいてくれるよね。
最後にちゃんと話ができるといいな。


お疲れ様でした。…もう行かないと。
こんばんは。このお店の雰囲気、やっぱりいいなあ…。ごめんなさい、なんでもありません。
いつものデザートセットをお願いできますか？ありがとうございます。
……え、本当に来てくれたの!?絶対会えないと思ってたのに…ねえ、どうして泣いてるの？
…そっか、聞いちゃったんだ。
家の事情で定時制に転入することにしたんだ。だから、シフトが一緒になることももうないんだと思う。
だけど、ヘタレな僕にも伝えたい気持ちがあるんだ。
…ずっと前から好きでした。動物に優しいところとか、休憩中に紅茶を飲みながら楽しそうに笑うところとか…全部。
会えなくなる前にちゃんと話せてよかった。それじゃあ、さようなら。
…どうして引き止めるの？好き？君が、僕なんかを…？
だって、君の周りにはいつだって人がいて、住む世界が違うというか…いつから好きだったの？
そんなに前から…知らなかった。僕でいいなら、よろしくお願いします。
それじゃあ、連絡先聞いてもいい？…恥ずかしくてずっと聞けてなかったけど、話せて本当に嬉しいんだ。
これからはバイト先の同僚じゃなくて、未来のパートナーとしてよろしくお願いします。
どうして笑ってるの？…堅かった？どうしても緊張しちゃうんだ。
だけど、君が笑ってくれてよかった。
君さえよければもう少し話をしてもいい？一緒にいられるの、すごく嬉しいから。
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バレンタインが近づいてきたので綴ってみました。