物置小屋

１人向け・慰め系

ずっとこのまま(箱庭-2)

どうしたの？また辛いことを思い出した？
…そっか。それは疲れちゃうよね。誰がなんと言おうと、僕だけは味方でいるよ。
君のことを裏切ったりしない。…それに、この世界にいればもう誰も君を傷つけられないもんね。
前から言ってるでしょ、無理矢理現実に帰れなんて言わないって。
今日も君の話、聞かせてくれる？

怖いんだね、人間って。君が苦しい思いをしてきたのは知ってたけど、まさかここまで酷いとは思ってなかった。
暴力なんて最低だし、君の話を誰も聞いてくれなかったのは辛かったよね。
どうして分かったのか？…だって、この物語には君の思いがこめられている気がしたから。
ここでの生活の楽しさと、現実に絶望しているからこそここにいられて楽しいっていう気持ち。
僕は君といてつまらないなんて思わないよ。
ここは君の箱庭なんだし、自由にやりたいように過ごしてくれたらいいなって思ってる。
だけど、今でも苦しめるなんて君の心の傷は僕が予想していたよりずっと深いんだなって…。
何か食べたいもの、ない？今日も色々用意するよ。
どうかしたの？…ありがとうって言われると、こんなに心が温かくなるんだね。
僕の方こそいつもありがとう。
人間嫌いな君の側にいられて幸せだよ。
僕は人間とはちょっと違うけど、少しずつ心が分かってきてる気がするんだ。
もっと君に寄り添えるといいんだけど、まだまだだね。
…また調子がいいときに君の大切な想い出を聞かせて。希望に満ち溢れていた頃の話も聞かせてほしいな。
それじゃあ、食事の用意ができたらまた来るね。


…今日も彼女は現実に帰るつもりがない。500日を越えたけど、それでもまだ心の傷が癒えてない。
僕にできること、他にどんなことがあるかな。…どうすればいいんだろう。
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少女はやはり箱庭から出ようとしませんでした。