物置小屋

１人向け・慰め系

理想の王国(箱庭-2)

入るよ。…どうかしたの？
怖い夢を見た？やっぱり呪縛から逃れるのは難しそうだね。
お願い？…ごめん、それはできない。
君の苦しみを消すために、記憶を改ざんできたらいいなって思ったことはある。
だけど、僕にはそんな力はない。君の願いはなんでも叶えたいけど、それだけはできないんだ。
この場所は辛い現実があったからこそできた場所でしょ？
多分、君自身でさえも記憶を消すことはできないんじゃないかな…。
…また理不尽なことで叱られた？夢の中でも苦しいことは苦しいでしょ？
僕でよければ話を聞かせて。
そっか。君はあんなにぼろぼろになるまで頑張っていたのに、誰もその頑張りを見てくれなかったんだね。
僕はよく知ってる。君は自分の時間ができたとき、家のことをしたり辛い思いを抱えている人の話を聞いてたことを。
家の中がぐちゃぐちゃだったら率先して家事をしていたことを。
…自分の苦しみを誰にも打ち明けられなかったことも。
だからこの場所があるんだ。
君が二度と苦しい現実に戻らなくていいように、君がほしいと願った世界に変えられる。
苦しいことを埋め尽くせるくらい、ここの思い出を沢山作るのはどうかな？
現実に戻りたくなったらいつでも戻れるんだし、君がここにいたいと望む間は僕が支えるよ。
欲しいものややりたいことがあったら言って。これからも、できる限り叶えてみせるから。
…いいよ、それならできる。このまま抱きしめていたら、君の涙を止められる？
誰も知らなかったとしても、君の頑張りは僕がちゃんと見てる。
ずっとひとりで頑張って、疲れちゃったんだよね。…ここでは君のことを否定するものなんてないから。
僕は君を肯定するよ。…君が望んでくれる限り、こうやって側にいるから。
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1度抱えた闇を晴らすのは難しいことで、やっぱり箱庭の世界に憧れを抱いてしまいます。…危険な思考でしょうか。