物置小屋

１人向け・慰め系

止まった世界(箱庭-2)

ご飯持ってきたよ…って、どうかしたの？
そっか、嫌なことを思い出してたんだね。
いいんだ。君が謝ることなんて何ひとつない。
独りでずっと苦しんで、だから今ここにいるわけだし…それを責めるつもりなんてないよ。
ここで眠っても悪夢を見ちゃうんだね。今日はどんなものだったの？
他者との比較…そこから自己嫌悪に陥った？やっぱりそうなんだ。
直感で言ってみただけだったんだけど、まさか本当にあたっちゃうとは思わなかった。
この場所は君の思考でできているようなものだから、きっと僕でも分かったんだろうね。
…大丈夫。この場所では泣いていいんだよ。
君のことを頭ごなしに否定する怖い人たちは、ここには絶対に来られないから。

…落ち着いた？そんなに謝らないで。それから、自分を責める必要はないんだよ。
君は君なりのやり方で頑張ってきた。それを否定する誰かを僕は許さない。
…ねえ、今日も一応聞くけど、やっぱり現実に帰りたいとは思わない？
そっか…。この状況が君にとって救いになるなら、やっぱり僕は現実に戻れなんて言えない。
ただ側にいることしかできないけど、これからもここで一緒にいるよ。
…ありがとうって言われると、こんなに温かくなるんだね。
こちらこそいつもありがとう。君の物語を読めるのはわくわくするし、書いている君はすごく楽しそうでほっとする。
僕でよければこれからもよろしくね。
君が望んでくれる限り、君が笑っていられるこの場所を護ってみせる。
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こうして彼女はやはり現実には戻らないと心に決めるのでした。