物置小屋

１人向け・other

猫柳の歌(もう1度立ちあがった話)

ただいま…って、何やってるんだよ。
それ、歌詞ノートじゃないのか？なんでこんなびりびりになって…やめとけ。勢いでやったら後悔する。
今日は外に出て書いてみるって言ってただろ。何かあったのか？
馬鹿にされた、か…悔しいな。
折角頼んでもらえたんだから頑張るって必死に書いてたのに、こんなに綺麗な詞をいらないなんて…本当に勿体ない。
…これ、俺にくれないか？それっぽいフレーズは作れても、俺には歌詞が書けない。
今度のフェスにそいつらも出るんだよな？だったら俺がおまえの思いをその場にいる全員に伝えてみせる。
勿論、この歌詞をやっぱりいらないなんて言った奴等にも。
簡単に言っていいことじゃないのは分かってるけど、諦めないでほしい。
おまえが書く優しい歌詞も、誰かに伝えたいと必死になれる真っ直ぐさも、俺は好きだよ。
待て、言ってるそばからどうして…俺だけの歌詞？
俺たちだけの、だろ？そのためにギターの練習もして、合間を縫って色々考えてくれてたんだから。
知らないわけないだろ。俺はおまえの歌に救われた。だから今度は、その歌を沢山の人に届けよう。
おまえの心が折れそうになったときは、どれだけすごいか語り続けてやる。
人前に立つのが嫌なら、舞台袖から歌ってくれるだけで充分だ。
できれば弾くのもやってほしいけど、両方は…やるつもりなのか。
分かったよ。じゃあふたりで弾語ろう。
音楽は言葉だ。少なくとも、俺はそう思ってる。
明日からもう少し早めに帰るから、一緒に練習しよう。
あと…これ、一応考えた譜面。歌詞を入れるのが難しいなら先に歌詞を作ってくれ。それに俺が音をあてる。
…うん。おまえの歌詞、楽しみにしてる。
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
頼んでもらえて嬉しくて作った後、やっぱりいらないと言われたときの衝撃は大きいので、なんとか落とし込んでみました。
いつか短篇小説でも紡げたら楽しそうだな…とは思っています。
猫柳の花言葉は、『努力が報われる』です。