物置小屋

１人向け・other

【閲覧注意】楽園への道標(救いようがない話)

もう忘れ物はない？それじゃあ、もう少し月がのぼったらせーのでジャンプしようか。
運がよければ月に行けるかもしれないよ？
謝らないで。僕は君に無理矢理付き合わされてるわけじゃない。
寧ろ、最後くらい誰かと一緒にいたいって思ってたから、お礼を言うのは僕の方。
ここまでついてきてくれてありがとう。
自由を手に入れられなかった僕たちには、これ以外道が残されてなかったんだろうね。
僕は、所謂社会不適合者ってやつだったんだと思う。
誰にも馴染めなくてずっと孤独だった。
だけど、その心は君との出会いで救われたんだ。
君は僕よりずっと酷い目に遭っていて…本当はちゃんと助けたかった。
誰のことも信じられなくてあやふやな関係が怖かったけど、君のことだけは最後まで信じられたよ。
君がこの世界を捨てるなら、僕は新しい世界を探す道標になるよ。
もう理不尽な暴言や暴力に怯える必要もない、いい子をやめて本当の自分でいられる楽園。
どのくらいかかっても君だけはその場所へ連れていく。
…僕も、一緒にいていいの？負担にならない？
ごめん、嬉しくて涙が出たのって初めてかもしれない。
大切だなんて言ってくれてありがとう。
最後まで手を離さないでくれてありがとう。
…言いたいことは言えたし、そろそろ行けそう？
また後で話をしよう。ここから飛んで、海を流れて…それからふたりで旅をするんだ。
どこまでもずっと一緒にいられるように、同じバングルをつけておこうか。
どこにいても君を見つけるって約束するよ。次の世界ではふたりで幸せになれますように。…せーの。
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心中ものにしました。