物置小屋

１人向け・慰め系

そして花は散る(視える人シリーズです)

…そうか。それじゃあ、それが君の願い？
俺に叶えられるかどうかは分からないけど、せいいっぱい手伝うよ。
それで、ばらばらになった鏡の欠片って普通に転がっているもの？
…もしかしてこれもそう？これだけ細かいものとなると、1日で集めるのは無理そうだ。
今日はもう少し暗くなるまで探して、その続きは明日以降にさせてもらうね。
できるだけ早く見つけるって約束する。全部は無理でも、なんとか形になるように間に合わせてみせるから。


こんにちは。さっき大きめの欠片を拾ったよ。
割とこの大きな木からそれほど離れていない場所の方が多いみたいだ。
ところで、ずっと言いたかったんだけど…君は随分仲よしな相手がいるんだね。
最近毎日話をしてるでしょ？あの子にも手伝ってもらうことはできないかな？
…分かった、言わない。ちゃんと秘密にしておくよ。
さて、今日もはりきって欠片探しを楽しまないと。
向こうの方を探してみるから、何かあったら声をかけて。

見つけた。これって、あとどのくらいあるんだろう。
…あれ、もしかしてこれで全部か？
急いであの子のところへ持っていかないと。

…おまたせ。やっと完成させられたよ。
それより、その鏡について君の友だちにも話さない方がいい。
俺はよく知らないけど、君にとって大切なものなんでしょう？それなら誰にも言わない方がいいと思う。
それに…君が毎日会ってる相手、もうなくなってるみたいだしね。
嘘じゃない。はじめは俺も分からなかった。
ただ、今日よく見てみたらそのままだと悲鳴をあげるような怪我を負ってる場所があったんだ。
君はその事件の関係者でもなさそうだし、相手も自分が死んでいることに気づいてない。
最近君の体も透けて見えるけど、もしかして欠片集めを急いでいたのは君自身が消えてしまいそうだから？
…それじゃあ君は、桜の妖なんだね。
全然気づいてなかった…。俺は、君と一緒にいる時間が楽しかったよ。
もしかすると、相手の人も同じなんじゃないかな？
君と一緒にいる時間が楽しいんじゃないかってこと。
約1年の眠りにつく前に、相手とちゃんと話した方がいいよ。
そうでもしないと、きっと悔いが残る結果になるから。
俺の仕事はここまでだから、そろそろ行くね。
どうか君が、眠りにつくまで穏やかな気持ちでいられますように。
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展開が迷子になりましたが、視える人シリーズで綴ってみました。