物置小屋

１人向け・慰め系

君だけの魔法(よく分からなくなってしまいました…)

この時間帯なら外に出られるのか。知らなかった…。人とあんまり会わないから？
そっか。じゃあ次は俺から誘いに行く。
ところで…どうした？大丈夫か？
なんか具合悪そうだけど、無理してないか？
…ごめん、なんか嘘っぽい。涙の痕ついてるし、ずっと俯いてばっかりだし…やっぱりちょっとここで休んでいこう。
疲れてるなか、誰だって走り続けることはできないから。


…それで、なんでこんな時間にひとりで歩いてた？
危ないだろ。このあたりは街灯少ないし、ただ散歩に来たようには見えない。
また家で何か嫌なこと言われた？…失敗作、か。
親にそれを言われたら、居場所がないよな。
それに、この前も出来がいい下の兄弟と比べられたって泣いてただろ？…俺には、君がすごいように見えるけど。
家のこともちゃんとして、お母さんみたいな動きして…。俺だったら、きっと途中で嫌になってると思う。
家に戻るのは辛いか？…よし、じゃあ今夜は俺の家に泊まればいい。
その荷物、ネットカフェにでも行こうとしてたんだろ？だったら、無料で寝床も食事も提供できる俺の家の方が安全だ。
君に万が一のことがあったら、俺はきっと発狂する。
だから、そうなる前に君が安全だと思える場所に来てほしいんだ。
俺の家は、くつろげないか？…独りだよ、あの家の人間とはもう縁を切ったから。
実は最近引っ越して、このあたりに住んでるんだ。
俺は君のことを君のご家族みたいな扱いはしない。
できないことを数えるより、できたことを自分で探せた方が楽しいだろ？
体調が悪いなか、料理して洗濯や掃除までやって…それの何がいけないんだろうな。
一先ず、今夜だけでも泊まっていけ。
それから、新しい家の合鍵を渡しておく。
もし行く場所がなくて困ったら、それ使っていつでも来ていい。
たいしたもてなしはできないけど、君がいてくれると俺は楽しいから。
ごめん、泣かせるつもりじゃ…褒められたことがなかった？
まさか近くにそこまで酷い家庭環境で育った奴がいるとは思わなかった。
誰も褒めてくれないなら、俺がちゃんと頑張りを見てる。
いいところだって沢山知ってる。
だから…今みたいに自分なんかって思ったときは真っ先に俺に連絡して。
いいところ、これでもかというほど聞かせてやる。
それで、どうする？家に戻るなら送っていくけど…冗談。
ほら、危ないから手を離さないように。
俺がこの手で、どんな最悪なことからも必ず護り抜いてみせる。
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
人と比べられるだけならまだいいのですが、そのときに飛び出す言葉がいつもナイフのように突き刺さります。
だから、それを癒せる内容を綴ってみたかったのです。