物置小屋

１人向け・other

今夜が月が綺麗ですね(閲覧注意・絶闇です)

こんばんは。今夜は月が綺麗ですね。
どうしてこんな場所に独りでいらっしゃるんですか？
こんなに真っ暗ななか、この場所にいるのは危ないんじゃないかな？
僕はたまたまここにいただけ。他に居場所なんてないし、行く宛もない。
ここにいれば、少しは寂しさが紛れると思ったんだ。
追い詰められたときに来たくなる場所ってあるでしょ？
僕にとってはここがそう。
ここなら、理不尽なことを言われないし...誰にも邪魔されずに星だけを見ていられる。
僕にとってここまで理想的な場所はない。...君もそう？
周りの人たちと違う考え方を持っていて、理解を求めるのも諦めた。
辛いことから逃げないようにしてきたけど、心が悲鳴をあげている。
一生このまま、誰かに怯えながら生きていくのか...なんて考えているんじゃないかな。
僕はあくまで予想しただけだけど、まさかそんなに驚かれるとは思ってなかった。
今夜はこんなにも景色が綺麗なんだから、沫のように消えてしまうにはいい日かもしれない。
ここは昔からそういう場所だから、てっきり君もそういうつもりで来たのかと思ってた。
違うなら帰った方がいい。ここであったことは忘れて、君がやりたいようにやってみればいい。
...なんだ、飛ぶ準備万端で来ているのか。
大丈夫。誰にも君を責める権利はない。
今までもがいてきたことも、それが無駄なことに思えているのもなんとなく分かる。
そうして絶望したから、この場所に立っているんだろう？
僕はそういう人たちに声をかけている。
勿論止めたりなんてしない。...それは、君が決めていいことなんだから。
その鞄の傷は誰かにつけられたものだろう？
だけど、それは相談してどうにかなることじゃなかった。
今この瞬間さえも絶望している...ごめん、泣かせるつもりじゃなかったんだ。
僕はただ、同じような考えを持った人がいるのが嬉しいだけ。
君は頑張ってきたのに救われなかったんだね。
必死にやってきたのに、誰にも見てもらえなかった...そのうえ、やっと求めた助けの声はかき消されてしまった。
僕も経験があるんだ。生きていればいいことがあるなんて言う人もいるけど、それはいつなんだろう。
それがくるまで苦しめということなのか...そう思ったら、絶望しかなかった。
今すぐ何かいいことがおこってほしいのに、それがないから困っているのに、いつかなんとかなるなんて簡単に言われるとただ心が壊れてしまう。
どうかしたの？...いいよ。これも何かの縁だろうし、君が沫となって消えてしまいたいなら一緒に消えてあげる。
今夜は月が綺麗ですねって、誰かがI love youのことを訳したものだったっけ。
だけど、僕は思うんだ。...この傷つける存在だらけの世界であれほど美しいものは滅多にないって。
...それを眺めながら消えられるなんてありがたいって。そっか、君も同じなんだね。
君は悪くない。ずっと努力してきたんだろうから。
それならきっと、こんなことをしても誰も何も言わないさ。
...手、繋いでおく？もしも次があるなら、か。そうだな...海か星がいい。
そうすればきっと、もう傷つけられずにすむから。
君のことは俺が抱きしめておく。それじゃあいくよ。
...もしもまた会えるなら、次もこんなふうに月が綺麗に見える場所がいいね。
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
ごめんなさい、暗くなってしまいました...。