物置小屋

１人向け・other

物語の旅路(よく分からなくなってしまいました)

おはよう。今日は学校行けそう？
もし無理なら、ちょっと付き合って。
単位は足りてるし、遊びに行くくらい平気だから。
たまには外に出ないと、気分転換にならないでしょ？
ここで待ってるから、一緒に行こう。


その服、すごく似合ってる。あれ、もしかして照れてる？...可愛い。
それにしても、君は本当に本を読むのが好きだね。鞄から落ちそうになってたよ。
嫌だって思ってる訳じゃなくて、今日巡る場所に丁度いいなって思っただけ。
本に興味がない人なら、そんなに行きたいと思わない場所だと思うんだ。
...それに、君がぼろぼろになるまで読んでいたあの本に出てくる場所に似ているんだよ。
電車とバイク、どっちがいい？分かった、それじゃあバイクは駅の近くに停めさせてもらっておくね。
電車からの景色もきっといいよ。


この駅で降りよう。...ちょっと寒い？これ羽織ってて。
サイズぶかぶかだと思うけど、ないよりはいいはずだから。
裏道を真っ直ぐ進んだところに...ほら、あった。
この廃墟、この前独りでうろうろしてるときに見つけたんだ。
命懸けで恋人を護る探偵と犯罪集団の戦闘シーンって、こういう場所だったでしょ？
喜んでもらえてよかった...。あとは、もう少し時間が遅くなってから行ってみたい場所があるんだ。
その前にちょっと休憩しようか。
お弁当作ってきたんだ。折角いい天気なんだし、座って食べられる場所があれば言いなって...たとえば、あのベンチとか。
それじゃあ、いただきます。
どうかな？美味しい？君が好きな食べ物さえ知らないなって思ったんだけど、笑ってくれてよかった。
その傷、大丈夫？手の甲のところにある...そう、それ。
痛くないならいいけど、痕になってるみたいだね。
結構深く切れてたみたいだし...ごめん、無理には聞かないから。
夕方まで、近くの図書館で時間潰そうか。


今日最後に来たかったのはここ。どうかな？夕陽が綺麗に見える場所ってあんまり知らないから...。
よかった、また笑ってくれた。
最近連絡しても元気なさそうだったから、少しでも様子が見られたらいいなって思ったんだ。
君を外へ連れ出したかったのも本当だけど、1番の理由は俺が一緒にいたかったから。
そんなにビックリした？嘘じゃないよ、レポート仕上げながら君のことばっかり考えてた。
好きな本のことだったら一緒に出掛けてもらえるかなって思って、最後まで読んだんだ。
それで、町をぐるぐるしていたら沢山いい場所が見つかって...ここなら行けるんじゃないかって思った。
今日1日、時間をくれてありがとう。
また別のいい場所を探しておくから、気が向いたら一緒に行こう。
帰りは送るから心配しないで。それから、勉強で行き詰まったらすぐ言うこと。
この前みたいにビデオ通話でふたりでやれば、すぐ終わるよ。
...ちょっと寂しい気もするけど、そろそろ帰ろうか。手、繋ごう。
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相手を理解したい...そう思ったときにどうするだろうと考えながら綴ってみました。