物置小屋

１人向け・看病系

ふたりだけの伝え方(失声症の恋人)

さて、そろそろ夕飯にしよう。今日は何作ろうか...。
もしかして具合悪い？さっきから時々頭を押さえてるから、そうなんじゃないかって思ったんだけど...取り敢えず横になってて。
無理に言葉にしなくてもいいから、はいなら2回、いいえなら3回ノートをたたいてくれる？
...よし。今頭痛がしているのは偏頭痛？やっぱりそうなんだ...。
それじゃあ、薬飲めそう？...ご飯は？
痛いのを我慢しててもきっと治らないから先に薬を飲んでて。
ご飯は何か食べやすそうなものを作るね。
そんなに袖を引っ張らなくても、ただキッチンに行くだけだよ。
あ、でも...君が寝るまで側にいるよ。
ご飯はそれからでも作れるし、俺も一緒にいたいから。
そんなに顔を赤くして...本当に可愛い。
大丈夫だから目を閉じて。...ゆっくり休んでね。

どうしようかな...。お粥はあんまり好きじゃなかったはずだし、こっちにしよう。
あ、起きた？体調はどんな感じ？
書くの、ゆっくりでいいからね。どれどれ...『薬を飲んだのとお世話してもらったおかげで今は元気』って、どうして息をするように可愛いことを言うの？
そういうところも含めて好きだけど、突然だとやっぱり心臓に悪いよ...。
ご飯、食べられそう？一応おじやふうにしようと思って作ったんだけど、やっぱり無理かな...？
座ったってことは、食べてくれるの？
『一生懸命作ってくれたものを食べないなんて言わない』なんて、今度はものすごくかっこいいことを言いはじめたような...ううん、なんでもない。
それじゃあ、いただきます。
ちょっと味薄かったかな？え、メモ？
...『味よりも作ってくれたことが嬉しかった。ありがとう』、か。
君はやっぱりいい人だね。
誰が相手でも平等に接するのは難しいことのはずなのに、君はいつもそれをやってる。
きょとんと首を傾げても駄目だよ。...時々、そういうところに嫉妬しちゃいそうになるけどね。
なんでもないよ。おかわり食べられそう？それじゃあ持ってくるから待ってて。

...よかった、食欲はあんまり落ちてないみたいだね。
美味しかった？その顔、本当に美味しいって思ってもらえて嬉しい。
『どうして分かるの？』って...それは、毎日一緒に過ごしているうちに自然と見分けられるようになったからかな。
そんなに喜ばれるようなことでもないと思うけど...でも、君が笑ってくれてよかった。
他の薬も飲めた？それならきっとすぐよくなるよ。
今夜は隣で寝ようか？近くに人がいた方が安心できるでしょ？...決まり。
ん、どうしたの？...『側にいてね』って本当に可愛い。
大丈夫だよ、今夜は絶対に離さないから。
無理しないで横になっててね。
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ここ最近の中では長くなったはずですが、最近割りと短めになってしまうことが多いです、申し訳ありません...。