物置小屋

１人向け・慰め系

あなたに捧ぐ(『あなたに誓う』のカップルです)

...ただいま。
別に疲れてる訳じゃない。ご飯？もう少し後にしてくれ。
何かしたのか？...自分の胸に手を当てて聞いてみろ。
...悪い、今は俺に構うな。
頼むから放っておいてくれ。酷いことを言いそうだから。
おい、こんな遅くにどこに行くんだ？
ちょっと待てって...追い掛けるか。
ん？あれって...。
今は取り敢えず追い掛けないと。


...やっぱりここにいた。
けど、一緒にいるのは誰なんだ？
あの...彼女に何かご用ですか？それなら僕が代わりに聞きますよ。
無関係だと、人に声をかけてはいけないんですか？僕が誰か...ね。
怯えているのが分からないのか？
そういう困ってる奴がいたら助けるのが普通だろ。
それから...俺の女に気安く触るな！
今度怯えさせたら警察呼ぶから...覚えておけよ？
やっと行ったか。大丈夫だったか？遅くなって悪かった。
これ着てろ。体強い方じゃないんだから気をつけるにこしたことはないだろ。
俺はコートを脱いだくらいじゃ風邪を引いたりしないから。
そもそも、そんな格好で外を歩いたら冷えるだろ？
ほら、早く帰るぞ。...家でちゃんと話をするから。


ひとまずこれ飲め。...抹茶ラテ、いつも飲んでるだろ。
俺が怒ってたのは、おまえが男とふたりで町を歩いているのを見たからだ。
しかもあんなに仲良くベタベタくっついて...俺と話すときより笑ってるような気がした。
そうだよ、妬いたんだよ。...悪いか。べ、別に照れてない。
でも、出掛ける前に見たんだ。
...おじいさんの写真の前、ケーキ置いてただろ。
隣の男はエプロンをつけてたし、もしかしたら古い知り合いなんじゃないかって...。
その顔...当たりか。
勝手に勘違いして当たり散らして...悪かった。
死んだおじいさんとの想い出が大切なのは分かるけど、俺が隣にいるだけじゃ足りないのか？
相談相手は俺じゃ駄目なのかよ...。
どうした、いきなり抱きついてきて。
迷惑だなんて思わねえよ。寧ろ店員とはいえ、他の男と一緒に歩いてたのが嫌だったんだよ。
それから...ご飯、温めなおすから。
おじいさんの話聞かせろ。それから...これやる。
ちょっと早いけど、クリスマスまで待ってられない。
おまえ、その時計を気に入ってただろ？
あと...俺の全部で受け止めてやるから、1人で隠れて泣くのはもうやめろ。
大事なおまえの想い出の話なんだから、聞きたいに決まってるだろ。
ご飯、用意しててくれてありがとな。
食べながらでもいいなら、これから話してくれないか？
...よし。どんな話が聞けるのか、今から楽しみだ。
これだけは言わせてくれ。...愛してる。
これから先、俺の全てを賭けて守るから。
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『あなたに誓う』のカップルで綴ってみました。
彼等ならきっと、ふたりで新しい想い出を紡いでいけるでしょう。
唯一褒めてくれた、私が私という個人でいられた時間...それはやはり、死んだ祖父母との時間です。
想い出を共有することができなくなった今の体ではそれも望めないので、少しだけ哀しいです。