物置小屋

１人向け・看病系

悪夢が降る日の過ごし方(トラウマや悪夢と戦う恋人)

...ねえ、起きて。起きてよ...ねえってば！
よかった、やっと起きてくれた。
ごめん。なんだか魘されていたから、起こした方がいいかもしれないと思ったんだ。
大丈夫...？悪夢を見ているみたいだったけど、今は平気？
様子を見ていたらすぐ分かったよ。
誰か、誰かってずっと手を伸ばしていたから...もしかしたらって思ったんだ。
当たってた？よかった...。
久しぶりに安眠できてるみたいだと思ってたんだけど、駄目だった？
いいんだ、謝らないで。俺はまだ寝てなかったわけだし...そうだ！
これからふたりでテレビでも見ながら何か飲まない？
ちょうど仕事が終わったところだったんだ。
何がいい？いつものカフェオレを淹れようか。
それから...え、クッキーがあるの？
しかもこれって手作りだよね？もしかして、夕飯の後で食べてほしいものがあるって話してたのは...そうだったんだ。
どうしよう、すごく嬉しい。
それじゃあクッキーの準備はお願いします。
その代わり、飲み物の用意は任せて。

まさか夕飯を食べ過ぎて食べられなかったものがこうやって食べられるなんて...やっぱり嬉しいな。
はい、カフェオレ。ああ、これ？俺のはブラックだよ。
そう、君が飲めないやつ。ごめんごめん、そういうところも含めて全部可愛いなって思ったんだ。
それじゃあ、いただきます。
すごく美味しい...！やっぱり君はすごいね。
これ、人参が入ってるでしょ？あとは生姜と蜂蜜かな...？
当たり？それならご褒美として、君を抱きしめてもいい？
...俺は、こうやって君が側にいてくれればそれでいいんだ。
あとは何も要らない。それに、君のことを置いていったりしないよ。
君の周りにいた人たちみたいに勝手に置いていって、1人になんてさせてあげないから。
だから、これからの話をしよう。
どこに出掛けるとか、どんなことがしたいとか...君が我慢してきたこと全部、俺が叶えられたらいいなって思うんだ。
俺が知らない君のこと、もっともっと教えてほしいな。
君について俺が知ってること？
テディベアとカフェオレが好きで、人にたいしていつも真剣に向き合っていて...過去と戦い続けてる、可愛い俺の彼女。
あれ？もしかして照れてる？抱きしめてると鼓動が伝わってくるから分かるよ。
...本当に可愛い。
どう？少しは眠れそう？無理そうなら、ふたりで一緒に寝ようか。
こうやって抱きしめて、手を握ってるから。
もしまた悪夢を見たときは、ふたりで楽しい話をしよう。
そうすればきっと、君が見るのは優しい夢になるはずだから。
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誰か一緒に飲んでほしかった...そんな願望をこめて綴りました。
やっぱり創るのは楽しいです。