物置小屋

１人向け・看病系

伝えられなかった言葉(理想です)

やっぱりここのお店はすごい人気だね。
あ、だけどなんとか席に座れそうだよ。
君はいつものを頼む？...俺もそうしようかな。
CDを買いに行きたいんだっけ？ついでに本屋さんにも行こうか。
どうしたの、人の顔をじっと見て...。
人目なんて俺は気にしないから、思ってることをそのまま伝えてほしい。
君はこの前、人に迷惑をかけるって言ってたけど、俺はそんなこと思わないし...寧ろ、書いてどんなことを考えているのか教えてほしいんだ。
『本屋さんで買うものがあるの？』って...そういうわけじゃないけど、いつも君が行く場所だから。
それに、病院に早く行きすぎても駄目でしょ？まだまだ予約の時間まであるし、寄っていっても問題ないんじゃないかな？
...あ、そろそろ料理がくるみたいだよ。ありがとうございます。
それじゃあ、いただきます。
ねえ...大丈夫？あんまり箸が進んでないように見えるけど...もしかして頭痛い？
すぐ出ようか。病院の診察がはじまるくらいの時間に着くには...バスとか大丈夫？余計に酷くなったりしない？
よし、それじゃあバスで行こうか。


予約より早いのは問題ないよね、多分。
待ってて、診察券を機械にとおして...受付完了。
少し静かなところで休ませてもらおう。
すみません、彼女ちょっと今体調が悪いみたいで...どこかもう少し静かな場所はありませんか？
点滴室...分かりました。そこまで歩ける？よし、それじゃあ行こうか。

こんにちは。俺ですか？...はじめまして、いつも恋人がお世話になってます。
え、ご飯が食べられていたかですか？
彼女、今日はほとんど食べていないんです。
朝もあんまり食べてなかったし...お昼も食べられないくらいしんどいみたいなんです。
薬は飲んでるところを見ましたけど...点滴、ですか？あと注射も？
どうする？やってもらう？...お願いします。
あの、俺はここにいても構いませんか？
ありがとうございます。よろしくお願いします。
...頷くのも辛いから、指を動かしたんでしょ？
前に決めた電話越しでの合図...はいならノックを1回、いいえなら2回。
今回は直接だったけど、ちゃんと分かったよ。
君が眠るまでこうして手を繋いでるから、そんなに泣きそうな顔をしないで？
確か自動販売機あったよね...何か飲み物を買ってこようか？
よし、それじゃあちょっとだけ待っててね。

...お待たせ。水にしたけど飲めそう？
体起こせる？...はい、どうぞ。
いつの間に点滴がはじまったの？...って、この質問じゃ答えづらいよね、ごめん。
『ついさっき』...そうなんだ。
ん？どうかした？
『終わるまで時間がかかるかもしれない』？
そんなの全然いいよ。ずっとここで待ってる。
具合悪いでしょ？寝てていいからね。
よほどのことがない限り起こさないから。

...よかった、眠れたみたいだ。
ああ、こんにちは。
すみません、ついさっき眠って...注射ですか？取り寄せに時間がかかるって、どれくらいですか？
1時間くらい...分かりました。
利き手...彼女は一応両利きなはずですが、書くのは右です。


...ごめん、起こしちゃった？さっき看護師さんきてたよ。
頭痛い？注射の薬がしばらく届かないんだって。
だから、まだ寝てても大丈夫だよ。
さっきも言ったけど、俺はずっとこうして側にいるから。
今のは『ありがとう』でしょ？
無理して書かなくても、できるだけ読唇してみせるよ。
...ああ、すみません。
もしかして薬が届いたんですか？
それなら俺、一旦外に出ておきます。
それじゃあ、注射が終わったらまたくるから。
...？どうかした？そっか、それじゃあまた後で。

終わった？ありがとうございます。
分かりました、点滴が終わったらすぐ呼びます。
...大丈夫？痛むの？腕...え、そんなところに打つものなの？
『にんにく注射』...ああ、『筋肉注射』なのか。
ごめん、読唇ってやっぱりちょっと難しいね。
点滴はもうしばらくかかりそうだね。
寝てて？その方が早く治るはずだから。
...よかった、眠れてるみたいだ。
そういえば、どうしてさっきメモ帳を持っていたんだろう？
ん？走り書きがあるな...。
『寂しいから行かないで』...これって...！
気づけなくてごめん。
筋肉注射ってかなり痛いし、注射があんまり好きじゃないの分かってたのに...。
君が起きたらもう1回謝らせてね。

せんせい、彼女は大丈夫なんでしょうか？
それならよかった...。
次の予約ですか？2ヶ月後...分かりました。
薬が出せないんですね、それも伝えておきます。
点滴が終わったら帰っていい...分かりました、本当にありがとうございました。


...起きて、点滴終わったよ。
もう痛くない？よかった...。
あの、さっきはごめん。きょとんとした顔してるね。
メモ帳、開いてるページだけ読んじゃったんだ。
寂しいって伝えようとしてくれてたのに、俺が遮っちゃったから...。
もっと君の言葉を受けとるようにしないとね。
...大丈夫、言いたいことがあるなら言って？ゆっくりでいいから。
『手を繋いでもいい？』って...勿論だよ。
一緒に行こう。
お会計を済ませたら帰っていいってせんせいが言ってた。
『何か食べたい』、か...本当によくなったんだね。
家に帰ったら何か作るよ。
あんまりいいものじゃないかもしれないけど、楽しみにしてて。
それから...今度から寂しかったら俺の手を握って。
そのサイン、絶対に見逃さないから。
ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ
昨日実際に偏頭痛でご飯も食べられず、点滴と痛み止めの注射を受けたので綴りました。
本当は通院日だったのですが、調子が悪くなり急遽そういった状況になりました。
たまたまその薬がなくて届くのが遅くなりそうだと言われたのも本当です。
筋肉注射は痛いし、ただ書くこともなかなかできず意思疏通するのに苦労しました...。
誰かが一緒に行っている訳ではないので、説明も受け答えもなかなか大変でした...。
それに、『今回は予防薬も何も出せない』と言われてしまったなかで6週間...耐えられるでしょうか。