物置小屋

黒蝶

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1人向け・イベント系

たとえ、波のように過ぎ去ったとしても。(海に行く物語)

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おはよう。今日はいい天気だね...。
どこか行きたい場所ってある?海か...いいね、ご飯食べたら早速行こうか。
そんなに慌てなくても、もうできてるよ。
どうして起こしてくれなかったのって...夕べ遅くまで起きてたでしょ?折角の休みなんだから、ゆっくり寝てもいいんじゃないかって思ったんだ。
君がご飯を作ろうとしてくれたのはすごく嬉しいけど、俺ができることは俺がしようって思っただけ。
え、俺が行きたい場所?特にないな...君が隣にいてくれれば、それだけで充分だから。
今の時期ならそんなに人もいないはずだし...って、照れてる?
そういうところ、本当に可愛いね。
ん?どうしたの?ちょっと待ってほしいって、それは全然構わないけど、もし体調が悪いなら...お弁当を作るから?
それなら俺も手伝うよ。朝ご飯のお礼だから1人でやらせてほしい、か...分かった、それならありがたく待たせてもらうね。

...え、もうできたの?やっぱり君は手際がいいね。
俺ならもっと時間かかったと思う。
綺麗って、何が?ああ、風鈴の音...。
どこで買ったもの、か...先週、一緒に行ったお祭りの屋台で買ったんだ。
きっと、君の日記帳に書かれてるんじゃないかな?
ごめん、謝らせるつもりなんてなかったのに...取り敢えず行こうか。


やっぱり今日はあんまり人がいないね。
少し涼しいし、何をしようか...。
足だけ入る?そうしようか。わっ、冷たくて気持ちいいね。
...よかった、やっと少し笑ってくれた。
ううん、なんでもない。
折角きたのにただ眺めるだけっていうのも...そうだ、今から砂浜に絵を描くから何の絵か当ててね。
それじゃあ、スタート。
お、もう分かったの?正解、まだ丸しか描いてないのによく西瓜だって分かったね。
次は君の番。この小枝、描きやすかったからどうぞ。
...分かった、かき氷でしょ?よかった、間違えてたらどうしようかと思った...。
どうしたの、急にしゅんとして...楽しくなかった?
私みたいって、何が?
砂浜に描いた絵が波に消される瞬間って...そうかもしれないね。
儚くて、だからこそ大切さが分かるわけだし、それに...見えていないだけで、実はなくなっていないのかもしれない。
さっきの絵も、きっと見えなくなっただけでなかったことにはならない。
君と過ごした時間だって、きっとそう。
なかったことになんて、俺が絶対にさせないから。
君が分からなくなっても、俺がちゃんと覚えてる。
だから、今朝みたいになっても大丈夫だよ。
...本当はずっと気にしてたんでしょ?俺も自分の言い方が悪かったから、君にもっとちゃんと謝りたかったんだ。
本当にごめん。君を傷つけたくなかったのに...。
抱きしめてもいい?...やっぱり君は、すごくあったかいね。
お昼ご飯食べる?実は俺もじっとしていられなくて、昨日作りかけだったスイーツを完成させて持ってきました!
いつも美味しそうに食べてくれるから、すごく嬉しいなって思って...君相手だと甘いものを沢山作りたくなる。
君が作ってくれたお弁当を食べた後で、一緒に食べよう。
今日も写真を撮っておこうか。
枚数はそんなにいらないんだったよね?...よし、撮れた。
日記をここでつけるの?俺は全然構わないけど、濡れないように気をつけてね。
写真には納められない想いを書いているなら、いつまでだって待ってるから。
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声が出ない、喜楽の記憶は吹き飛ぶ...我ながら自分が置かれている状況ってあまりにも異常なので、沢山の理想の欠片を散りばめられます。
色んな症状が原因不明で不安になることが多いので、思いきって綴ってみました。
人との距離感が分からないのです。
忘れてしまって相手を傷つけてしまったり、打ち明けて重いからと言われて離れられてしまうくらいなら...とも思ったりします。
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