物置小屋

１人向け・慰め系

アキレアのような君を(ヘルプマークに理解がある恋人)

おかえり。今日は早い列車で帰っちゃってたみたいで...って、どうしたの？何かあった...？
なんでもないって顔じゃないよ...。取り敢えず、ここおいで。
そう、俺の膝の上。恥ずかしい？そんなに照れなくても...さあ、こっちおいで。
もしかして今日、体調悪かった？
鞄にそれをつけてるってことは、そういうことでしょ...？
いつもは仕舞ってるもんね、ヘルプマーク。
連絡してくれて全然よかったのに...。
途中で発作がおこりかけたって、もしかしてそれで今日帰りが遅くなったの？
君のこと、迎えに行けばよかった...。一人で我慢して帰ってきたんでしょ？
そんなことさせたくなかったのに...。
どうして泣いてるの？
もしかして、また心ない言葉をかけられた？
...どうして世の中には、そういうことを平気で言ったりやったりする人がいるんだろうね。
別に席を譲れじゃなくて、申し訳ないけれど体調がよくないから座らせてくださいっていう意味なのにね。
君はきっと、そんな状態でも席を譲ったんでしょ？
...分かるよ、君のことならなんでも。
ごめん、やっぱり君がくるまで駅で待ってればよかった。
一人で辛い思いをさせてしまうくらいなら、俺がちゃんと待っていればよかったんだ...。
困ったときは、俺を頼ってほしい。
いつでも連絡して。出られるときは絶対に出るから。
すぐに出られなくても、絶対にこっちから折り返すから。
だから...一緒に理不尽な世界と戦っていこう？
たとえ世界中の人が君を非難しても、俺だけは味方でいるって誓うよ。
もっと俺に寄りかかって？
...いいんだよ。沢山泣いて、俺のこともっと困らせて？

...少し落ち着いた？
そういえば、発作の方はもう大丈夫？笑顔でいられるってことは、本当に大丈夫そうだね。
俺がずっと側で支えるから、君は一人で心配しなくてもいいんだよ。
...ごめん、また泣かせちゃったね。
抱きしめてたら落ち着くかな？
ご飯なら後でいいよ。君がいいならだけど...そっか、それじゃあ後で温めなおすね。
今はこうして、君の一番近くにいることが大事だと思うから。
もうしばらくこうしてようか。
手も繋いでるね。
...どんなことがあっても、絶対君を護るから。
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先日の病院帰り、列車のなかで見つけた本物のヘルプマークをつけている男の子を思い出しながら書きました。
どうやら聞こえてきた話をまとめると、男の子は心臓が弱いらしかったのです。
けれど、色眼鏡で見られるのが嫌だったのかご家族に「これもうつけない！」と泣きながら押し返していました。
「必要だからごめんね」と返すその女性は、泣いていました。
私は手作りのを持っていますが、それでも気づかれたときはすごい目で見られます。
声が出ないのをいいことに、「嘘つき？仮病？」と何人かに囲まれてそんな言葉をかけられたこともあります。
明日の病院も行きたくないと思うほどには傷つきましたが、仕方がないこと。
私は慣れていますが、本当に必要な男の子がそんな悲惨な目に遭うのはおかしいのではないか...そう思うんです。
田舎でこれならもっと混雑する都会はどうなんだろうとも考えました...。

因みにアキレアの花言葉は、『まごころ』『治療』『戦い』『勇敢』。
この二人には合うかな、と思いやってみました。