物置小屋

黒蝶

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1人向け・慰め系

紫陽花のような君に(希望を失った恋人へ)

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おかえり。今日は俺の方が帰ってきたのが早かったから、ご飯作っておいたよ。
まさかこの前君からもらったこの合鍵が役にたつことになるとはね。
ねえ、何かあった?なんだか暗い顔をしてるなって思って...。
疲れてるだけ?それならいいんだけど...何かあったら教えてね。
え、ご飯もういらないの?食欲ない?そっか、そういうときもあるよね。
今日は昨日話したように泊まらせてもらうから、いつもの部屋借りるね。
荷物置いてくるよ。食器は俺が洗っておくから、そのままにしておいて。

お待たせ...って、あれ?おかしいな、いつもならこれから始まるドラマを見る為に待機してるはずなのに。
もしかして、もう寝てるとか?
だけど、不眠症気味なのに眠れるのかな...。
寝てるだけならいいんだけど...ちょっと入るよ?
ちょっと待って、何してるの?
そんなところから身を乗り出そうとして...危ないよ?
どうして止めるのって、君に生きていてほしいからに決まってるでしょ!
今日、本当は何かあったんじゃないの?...お願いだから、ちゃんと話してよ。
支えあう為に側にいるのに、君が一人で苦しんでいるのを放ってなんかおけない。
生きていていいのか、分からなくなった?それっていつから?
随分前から...ごめん。
どうして抱きしめるのって、こうでもしないと今の君は儚げで、すぐ消えてしまいそうだから。
ごめんって言ったのは、君の異変に全く気づけていなかったから。
いくらだって知るチャンスはあったはずなのに、俺は何もしなかった。
君がなんでもないって言ったとき、何度か笑顔がひきつってたことがあったのに、俺は怖くて深入りしなかった。
知られたくないならそれがいいんじゃないかって、勝手にそう思ってた。
だけど結局、それは逃げだったんだって今更気づいたよ。
君が飛び降りてしまう前に話せて、本当によかった。
もし、さっき間に合わなくて死んじゃってたらどうしようって...そう思うと震えが止まらないんだ。
君が人間不信なのは知ってる。
だけど、俺にだけでいいからもう少し頼ってほしい。
君のなかに、もう少しだけ踏みこませてほしいんだ。
それがどんなに辛いことだったとしても、俺は君の隣にいるよ。
だから、俺と一緒に生きて。俺と一緒に未来を歩いてほしい。
君の目の前を、明るく照らしてみせるから。
だから、信じてほしいんだ。
信じることってすごく難しいのは分かってる。
ましてや、過去のことで心に傷を負っている君にとっては、他の人より何倍も難しいことだよね。
だけど、俺だけでいい。俺じゃなくてもいいから...誰かのことを信じて、一緒に歩いてほしいんだ。
泣いてもいいんだよ。無理矢理涙を止める必要なんてない。
君はたった一人で、ずっと頑張ってきたんだから。

少し落ち着いた?そうだ、お菓子があるから持ってこようか?
ん?ほっとしたらお腹がすいたんじゃないかなって...当たり?
それじゃあ、一緒に食べよう。
もし君が今日みたいに生きたくなくなったら、何度だって繋ぎ止めてみせる。
だから、もっと思ったことを俺にぶつけて?約束ね。
...温かい飲み物も用意するから、こっちにおいで。
二人一緒ならきっと大丈夫。
どんなことでも、乗り越えていける気がする。
君はとっても優しいけど、もっと我儘言って困らせて。
...どんな想いだって、ちゃんと受け止めるから。
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今回の場合は紫陽花の『辛抱強さ』という花言葉からイメージしました。
マイナスな意味が多めなのですが、そうではないものもあるのです。
...少し、人に近い部分があるような気がします。
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