物置小屋

１人向け・慰め系

お姫様になれる魔法(スカートがはけない恋人)

はーい...って、どうしたの!?そんなにずぶ濡れになって...。取り敢えず入って。
傘を持っていってなかったの？それなら電話してくれれば迎えに行ったのに...。
私はお姫様になれないからって、それどういう意味？
待って。先にお風呂入っておいで。
濡れたままだと風邪ひいちゃうでしょ？...話はそれから聞くから。

ごめんね、なんだかワンピースみたいな長さになっちゃって...。俺のズボンじゃぶかぶかだから。
ジャージの予備を持ってる？そのままでもいいと思うけど...可愛いし。
それで？どうして泣きながら雨に濡れて帰ってきたの？
スカートがはけないから...って、どういうこと？たしかに君がスカートをはいてるところ、見たことないけど...。
スカートをはいていて、怖いことに巻きこまれたって...どうして教えてくれなかったの？
怖かったって、俺が君を嫌いになると思ったってこと？
そのくらいじゃ嫌いになったりしないよ。女の子はスカートをはくのが普通だなんて馬鹿みたいなことを言う人も残念ながらいるけど、俺は君がどんなものを着ていても大切だと思うし、好きだなって思う。
それに、どこかで読んだ本にあったんだけど...『女の子は誰だってお姫様になれる』んだって。
君が自信なくて、お姫様になれないと思っているなら...俺がお姫様になれるようにとっておきの魔法をかけてあげる。
ドレスを着るだけがお姫様じゃない。...俺はそう思うよ。
それに、君の魅力は俺だけが知っていればいい...なんて言ったら独占欲強めに聞こえるかな？
さっきはごめん。そうとも知らずにそのままでも、なんて言っちゃって...。
本当にごめんね。
我慢しなくていい。泣いてもいいんだよ。だけど、次からは1人で抱えこまないで。
どんなことでも受け止めてみせるから。
それで、最後まで守り抜く。...約束ね。
頑張る君も好きだけど、こうやって俺に甘えてくれる君のことも大好き。
本当に綺麗な女の子だなって、会う度にどんどん惹かれていくよ。
未来への道は、1人で歩かなくちゃいけないなんて決められてない。
俺でいいなら、ずっと一緒に歩いていくから。
君は俺にとって、誰よりも優しい素敵な人だから。
今日はこのままぎゅってしててあげる。
眠くなってきた？それじゃあ横になろうか。
...おやすみ、俺のお姫様。
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スカートがはけないなんて、私だけなのかもしれません。
けれど、周りからスカートをはけと言われてしまう私にとっては、はけないことを許してくれる人がいる世界というものが大切な理想の欠片なのです。