物置小屋

１人向け・慰め系

たとえこの世界が君を拒絶しても。(ヴァンパイア系の恋人)

お邪魔します...ん？質問って何？
ヴァンパイアの世界のことが聞きたいって、急にどうしたの？...まあ、僕が話せることは話すけど、つまらなかったらすぐ言ってね。
僕が初めて母親についていったとき、ハーフだって分かっても誰も差別しなかったんだ。
寧ろ、人の世界で苦労してないかって聞かれて...優しい人が沢山いたよ。
私もヴァンパイアだったらよかったのにって、やっぱり何かあった？もしかして、また何か嫌なことされた...？
...そっか、それは大変だったね。
やっぱり人間社会って生きづらいね。
人と少し違う意見を持っただけで異端とみなされ、突然居場所を失うことも少なくない。
...僕もだったからよく分かるんだ。
僕はずっと、ヴァンパイアとのハーフってことを隠してるでしょ？
だけど、一度だけバレそうになったことがあるんだ。
そのとき、化け物って叫ばれちゃって...もう二度とあの街には行かないようにしようって思ってるけど、これからどうなるかはまだ分からないし...。
僕は自分がハーフであることをずっと拒絶して生きてた。
どうして僕だけが半分なのか、すごく迷ってた。
だけどもし、この半分がなかったら...きっと君とは出会えていなかった。
君は優しい、すごくいい人だから出会えてよかったって心から思ってる。
同じものを食べて一緒に美味しいって笑いあえるのは、同じ時を刻めるのは、人間の部分があるからできることでしょ？
今は半分でよかったって、そう思えるんだ。
だから君は絶対に屑なんかじゃない。
世界を敵にまわしても、僕は君の味方でいるよ。
人間社会でやっていく自信がない...？
...たしかにこの世界は間違いで満ち溢れているし、自分なんかって思うのも分かる。...僕も、そういう日があるから。
だけど、まだ諦めないでほしいんだ。
君が優しいことを、僕はよく知ってる。
人に親切にできるって、才能だと思うんだ。
自分なんかって思ってるなら、何度だって君がどれだけすごいか証明する。
寂しいなって思ってるなら、何度だってその気持ちを消し去るよ。
今みたいに屑だって言われて気にしてるなら、君からもらった優しさで包みこむ。
...だからお願い、涙を我慢するのはやめて。僕の前でなら、どれだけ泣いたっていいんだよ。
君が泣いてるときに何もできないのが一番嫌なんだ。
わっ...よしよし、君が泣き止むまでずっとこうして抱きしめてるから。
もし君が本当にここにいるのが嫌でしかたなくて、命の危険が迫るくらいになったそのときは...僕が向こうの世界に連れていく。
そう約束するから、今は心優しい人間のままでいて？
...これから一緒に、沢山楽しいことを増やしていこう。
僕にできることなら、なんだって手伝うから。
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ヴァンパイアハーフ...久しぶり？に書いたような気もします。
ハーフだからこそできることって何だろうということと、今の世界ってなんて生きづらいんだろうと考えた結果こうなりました。
もう少しイチャイチャさせて、ポジティブな話も書けるといいのですが...。