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秋久ルート
第65話
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「足に絡まって…くそ!」
動けなくなって慌てている人たちの声を聞きながら、離れた場所から少しずつ他の人たちも同じ場所に行くように仕掛ける。
見つからないように気をつけながらできるのはここまでだった。
「そのまま動くな。俺はただ、おたくのメンバーに用があって来ただけなんだ」
「メンバーだと?」
「蔡原を名乗っている下っ端に会わせろ。場合によってはそれで許してやる」
暗くて秋久さんたちの表情は確認できないけれど、蕀さんたちから伝わってくるのは怒りと不安だった。
「何の話だ?少なくとも、私達のところにそんな人はいませんよ」
「つまり取引相手ってことか。今すぐ呼び出せ」
彼の声はやっぱり怒っている。
ディアボロの人たちもそれを感じたのか、何か機械を操作している音がした。
「私です。今すぐ来ていただけませんか?お店したいものがあるのです」
「…よくできました」
その直後、私の目に写ったのは小さな稲妻だった。
どうしたらいいのか分からなくて固まっていると、足音がひとつ近づいてくる。
「…月見」
「あ、秋久さん…」
やっと確認できた表情は、とても申し訳なさそうなものだった。
「巻きこむ気はなかったんだけどな…」
「ひとりで解決しに行くのは駄目です。秋久さんが傷ついたら、他の人たちも悲しみます。…私も、悲しいです」
手に痛みがはしったのと同時に、怖くなって足が震える。
なんとか立ちあがりたかったけれど、上手く力が入らない。
「そろそろ敵がくるから移動したい。…立てるか?」
「は、はい」
全然立てそうにない私を見て、秋久さんは手をひっぱってくれた。
「いきなりあんなもの見せて悪かった」
「いえ。秋久さんが悪いわけではないので…。私の方こそ、ご迷惑をおかけして申し訳ありません」
「それならお互い様だな。しばらくここで様子を見よう」
ゆっくり頷くと、秋久さんはゆっくりおろしてくれた。
その場でしゃがんだら彼も同じようにしゃがんで、表情が確認できる。
「それにしても、いつから俺についてきてたんだ?」
「少し前から…だと思います」
正確な時間なんて分からないけれど、こっそり来て結構経っていることは分かる。
「何をするつもりなんですか…?」
「相手の面を拝みたかった。それから、できれば夏彦が関係ないところでケリをつけたかったんだ。
もし本当に蔡原を名乗る下っ端がいるなら放っておけないしな」
「さっきの雷みたいなものはなんですか?」
「それはこの道具を使った。使い方さえ間違えなければ護身用として使える」
「夏彦さんにはともかく、他の人たちには報告した方がよかったんじゃ…」
秋久さんは苦笑いしながら私の頭を撫でる。
「他のメンバーに言わなかったのは…」
そこまでで会話が途切れたのは、がさがさと音がしたからだ。
「ようやくおでましか」
動けなくなって慌てている人たちの声を聞きながら、離れた場所から少しずつ他の人たちも同じ場所に行くように仕掛ける。
見つからないように気をつけながらできるのはここまでだった。
「そのまま動くな。俺はただ、おたくのメンバーに用があって来ただけなんだ」
「メンバーだと?」
「蔡原を名乗っている下っ端に会わせろ。場合によってはそれで許してやる」
暗くて秋久さんたちの表情は確認できないけれど、蕀さんたちから伝わってくるのは怒りと不安だった。
「何の話だ?少なくとも、私達のところにそんな人はいませんよ」
「つまり取引相手ってことか。今すぐ呼び出せ」
彼の声はやっぱり怒っている。
ディアボロの人たちもそれを感じたのか、何か機械を操作している音がした。
「私です。今すぐ来ていただけませんか?お店したいものがあるのです」
「…よくできました」
その直後、私の目に写ったのは小さな稲妻だった。
どうしたらいいのか分からなくて固まっていると、足音がひとつ近づいてくる。
「…月見」
「あ、秋久さん…」
やっと確認できた表情は、とても申し訳なさそうなものだった。
「巻きこむ気はなかったんだけどな…」
「ひとりで解決しに行くのは駄目です。秋久さんが傷ついたら、他の人たちも悲しみます。…私も、悲しいです」
手に痛みがはしったのと同時に、怖くなって足が震える。
なんとか立ちあがりたかったけれど、上手く力が入らない。
「そろそろ敵がくるから移動したい。…立てるか?」
「は、はい」
全然立てそうにない私を見て、秋久さんは手をひっぱってくれた。
「いきなりあんなもの見せて悪かった」
「いえ。秋久さんが悪いわけではないので…。私の方こそ、ご迷惑をおかけして申し訳ありません」
「それならお互い様だな。しばらくここで様子を見よう」
ゆっくり頷くと、秋久さんはゆっくりおろしてくれた。
その場でしゃがんだら彼も同じようにしゃがんで、表情が確認できる。
「それにしても、いつから俺についてきてたんだ?」
「少し前から…だと思います」
正確な時間なんて分からないけれど、こっそり来て結構経っていることは分かる。
「何をするつもりなんですか…?」
「相手の面を拝みたかった。それから、できれば夏彦が関係ないところでケリをつけたかったんだ。
もし本当に蔡原を名乗る下っ端がいるなら放っておけないしな」
「さっきの雷みたいなものはなんですか?」
「それはこの道具を使った。使い方さえ間違えなければ護身用として使える」
「夏彦さんにはともかく、他の人たちには報告した方がよかったんじゃ…」
秋久さんは苦笑いしながら私の頭を撫でる。
「他のメンバーに言わなかったのは…」
そこまでで会話が途切れたのは、がさがさと音がしたからだ。
「ようやくおでましか」
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