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秋久ルート
第64話
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「甘栗…どうしたんですか?」
その口には、カルナさんと交換していた瓶がくわえられている。
中には手紙が入っているみたいだった。
「え…」
そこに書かれていたのは、ひとりでどこかへ向かう秋久さんを見たという内容で、なんだか様子がいつもと違うと書かれていた。
「少し行ってきます。…甘栗、お留守番お願いします」
甘栗は寂しそうにひと鳴きしたけれど、焦っている私を見て自分の寝床へ戻っていった。
勝手に出ていくのはよくないと分かっていても、追いかけないなんて選択肢はない。
「──お願い、蕀さんたち」
とにかく今立っているこの周りにいないか確認しよう…そう考えていたけれど、甘かったみたいだ。
冬真さんの病院からどんどん遠ざかって、見たことがない建物の前に辿り着く。
中から騒がしい声がして、その中に知っているものがあることに気づいた。
「──お願い、蕀さんたち」
どこまでできるかは分からないけれど、彼の助けになりたい。
手のひらに痛みがはしったものの、そんなことより今は目の前のことを解決したかった。
「誰かいるなら出てこい!」
知らない男の人の声が聞こえて、こちらに向かって足音が近づいてくる。
わざとなのか、私を見つけてわざと言っているのか区別がつかない。
男の人と目が合った気がしたけれど、その人は私の近くに置かれていた木の枝を掴んで叫んだ。
「見つけた…俺だけの神様だ!」
「そうか。それならその神様とやらとこっちに来い」
それはずっと探していた人物の声で、そのまま見えないように隠れた。
「俺が1番愛されているんだ。この人が俺を妹のところまで連れて行ってくれる」
「…そうかもしれないな」
秋久さんはそう言って、相手に思いきり蹴りをいれた。
「おまえ、何しやがる!?」
「それはこっちの台詞だ。こんなになるまで飲み続けて現実と解離したら、一体どうやって目を覚ますんだ?
誰でもいい、この男にどれぐらい飲ませたか答えろ」
「そんなのいちいち覚えてるわけないだろ」
「分かった。じゃあ全員かかってこい」
秋久さんはひとりで決着をつけるつもりだ。
彼の方が不利なはずなのに、絶対に曲げられない思いがあるからなのかとても強そうに見える。
「俺が倒してやる!」
「…随分おしゃべりだな」
次々となぎ倒されていく人を見ていてすぐに理解した。
秋久さんは今とても怒っているのだと。
「ほら、どっちからやればいい?」
「馬鹿にするな!」
その言葉と同時に、いきなり大きな武器が運ばれてくる。
にたにた笑うその人たちに向かって、私は蕀さんを伸ばした。
「おい、なんだこの草は?」
「まるで生きてるみたいに動いてるぞ…」
相手が混乱しているなら、秋久さんだって逃げられるかもしれない。
周りに沢山の蔦を広げて、相手が油断するのを待つことにした。
その口には、カルナさんと交換していた瓶がくわえられている。
中には手紙が入っているみたいだった。
「え…」
そこに書かれていたのは、ひとりでどこかへ向かう秋久さんを見たという内容で、なんだか様子がいつもと違うと書かれていた。
「少し行ってきます。…甘栗、お留守番お願いします」
甘栗は寂しそうにひと鳴きしたけれど、焦っている私を見て自分の寝床へ戻っていった。
勝手に出ていくのはよくないと分かっていても、追いかけないなんて選択肢はない。
「──お願い、蕀さんたち」
とにかく今立っているこの周りにいないか確認しよう…そう考えていたけれど、甘かったみたいだ。
冬真さんの病院からどんどん遠ざかって、見たことがない建物の前に辿り着く。
中から騒がしい声がして、その中に知っているものがあることに気づいた。
「──お願い、蕀さんたち」
どこまでできるかは分からないけれど、彼の助けになりたい。
手のひらに痛みがはしったものの、そんなことより今は目の前のことを解決したかった。
「誰かいるなら出てこい!」
知らない男の人の声が聞こえて、こちらに向かって足音が近づいてくる。
わざとなのか、私を見つけてわざと言っているのか区別がつかない。
男の人と目が合った気がしたけれど、その人は私の近くに置かれていた木の枝を掴んで叫んだ。
「見つけた…俺だけの神様だ!」
「そうか。それならその神様とやらとこっちに来い」
それはずっと探していた人物の声で、そのまま見えないように隠れた。
「俺が1番愛されているんだ。この人が俺を妹のところまで連れて行ってくれる」
「…そうかもしれないな」
秋久さんはそう言って、相手に思いきり蹴りをいれた。
「おまえ、何しやがる!?」
「それはこっちの台詞だ。こんなになるまで飲み続けて現実と解離したら、一体どうやって目を覚ますんだ?
誰でもいい、この男にどれぐらい飲ませたか答えろ」
「そんなのいちいち覚えてるわけないだろ」
「分かった。じゃあ全員かかってこい」
秋久さんはひとりで決着をつけるつもりだ。
彼の方が不利なはずなのに、絶対に曲げられない思いがあるからなのかとても強そうに見える。
「俺が倒してやる!」
「…随分おしゃべりだな」
次々となぎ倒されていく人を見ていてすぐに理解した。
秋久さんは今とても怒っているのだと。
「ほら、どっちからやればいい?」
「馬鹿にするな!」
その言葉と同時に、いきなり大きな武器が運ばれてくる。
にたにた笑うその人たちに向かって、私は蕀さんを伸ばした。
「おい、なんだこの草は?」
「まるで生きてるみたいに動いてるぞ…」
相手が混乱しているなら、秋久さんだって逃げられるかもしれない。
周りに沢山の蔦を広げて、相手が油断するのを待つことにした。
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