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冬真ルート
第51.5話
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「ごめん。彼女のことを見ててほしい」
「何か理由があるのは分かるが、ひとりで突っ走るのはよくない」
「ありがとう。僕はいい仲間に出会えたと思う。だけどごめん。今回は話せないんだ」
秋久さんの制止をふりきりそのまま進む。
彼女がマジックと言ったのは、恐らくあいつに何かあったからだ。
あの怪我で何かしようと思うほど馬鹿じゃないと思いたいが、あいつの動きは昔から読みづらい。
教会の中に入ろうとしたものの、回り道するしかないと悟った。
「…おい」
裏口から侵入して、開口一番出た言葉はそれだった。
「あれ…どうしたのリセッター」
「別にいいだろ、なんでも。それより、手品師はふたつ名らしく手品してなよ」
目の前にはざっと8人ほどのラムネ屋が並んでいる。
表に見覚えのない車が停まっていたのはこれが原因だ。
「おまえたち、やれ!」
「…本気でやれると思ってるの?」
相手を過小評価するつもりはないが、人数差で抑えこもうとしているあたりが賢くない。
これ以上誰かに手を出すつもりならここで止める。
「怪我人相手に奇襲しかできないなんて、相手を恐れてる証拠だよね」
「なんだと!?」
「あんたは黙ってて」
言うのを止めるのが遅れて、前から3人が飛びかかってくる。
その方角に注射器を投げつけた。
「…怒らせるくらいなら黙っててくれた方がよかった」
「だって僕だって話したいんだもん」
頬を膨らませて拗ねたような顔をしながら、手品師はナイフをふる。
その先にあるのは銃を持ったラムネ屋の手だった。
「いぎゃあ!」
「…ねえ、痛い?少なくとも俺の怪我はそれより痛むよ」
すぐに手刀をくらわせるのは変わっていない。
逃げようとする何人かを追おうとしたが、逃げられる心配はなかったらしい。
「駄目だよ、逃げちゃ」
「これは…テグス?」
何人かの足に絡みつくそれはぎちぎちと音をたてて締まっていく。
そうしているうちに3人が失神した。
「あんなのいつ仕掛けたの?」
「だいぶ前から。餌になるくらいしか俺にできることがなさそうだったからね」
「……そう」
「そういえば、どうしてここに来たの?悪いけど、まだ新しい情報は何も入ってないよ」
飄々と話しているが、本当は怪我が痛んでいるのを知っている。
僕の目を誤魔化そうとするなんて100年早い。
「あの子が教えてくれたんだ。あんたが危ないって」
「そっか、蕀姫のおかげ…仲良しなんだね」
「一言余計って言われたことない?」
ここまで自然に話せたのは久しぶりかもしれない。
そんなことを感じていると、何かがきらりと光る。
「冬真!」
「え…」
勢いよく突き飛ばされるのと同時に、乾いた音が反響する。
それが銃声だと理解するまでに少し時間がかかった。
「何か理由があるのは分かるが、ひとりで突っ走るのはよくない」
「ありがとう。僕はいい仲間に出会えたと思う。だけどごめん。今回は話せないんだ」
秋久さんの制止をふりきりそのまま進む。
彼女がマジックと言ったのは、恐らくあいつに何かあったからだ。
あの怪我で何かしようと思うほど馬鹿じゃないと思いたいが、あいつの動きは昔から読みづらい。
教会の中に入ろうとしたものの、回り道するしかないと悟った。
「…おい」
裏口から侵入して、開口一番出た言葉はそれだった。
「あれ…どうしたのリセッター」
「別にいいだろ、なんでも。それより、手品師はふたつ名らしく手品してなよ」
目の前にはざっと8人ほどのラムネ屋が並んでいる。
表に見覚えのない車が停まっていたのはこれが原因だ。
「おまえたち、やれ!」
「…本気でやれると思ってるの?」
相手を過小評価するつもりはないが、人数差で抑えこもうとしているあたりが賢くない。
これ以上誰かに手を出すつもりならここで止める。
「怪我人相手に奇襲しかできないなんて、相手を恐れてる証拠だよね」
「なんだと!?」
「あんたは黙ってて」
言うのを止めるのが遅れて、前から3人が飛びかかってくる。
その方角に注射器を投げつけた。
「…怒らせるくらいなら黙っててくれた方がよかった」
「だって僕だって話したいんだもん」
頬を膨らませて拗ねたような顔をしながら、手品師はナイフをふる。
その先にあるのは銃を持ったラムネ屋の手だった。
「いぎゃあ!」
「…ねえ、痛い?少なくとも俺の怪我はそれより痛むよ」
すぐに手刀をくらわせるのは変わっていない。
逃げようとする何人かを追おうとしたが、逃げられる心配はなかったらしい。
「駄目だよ、逃げちゃ」
「これは…テグス?」
何人かの足に絡みつくそれはぎちぎちと音をたてて締まっていく。
そうしているうちに3人が失神した。
「あんなのいつ仕掛けたの?」
「だいぶ前から。餌になるくらいしか俺にできることがなさそうだったからね」
「……そう」
「そういえば、どうしてここに来たの?悪いけど、まだ新しい情報は何も入ってないよ」
飄々と話しているが、本当は怪我が痛んでいるのを知っている。
僕の目を誤魔化そうとするなんて100年早い。
「あの子が教えてくれたんだ。あんたが危ないって」
「そっか、蕀姫のおかげ…仲良しなんだね」
「一言余計って言われたことない?」
ここまで自然に話せたのは久しぶりかもしれない。
そんなことを感じていると、何かがきらりと光る。
「冬真!」
「え…」
勢いよく突き飛ばされるのと同時に、乾いた音が反響する。
それが銃声だと理解するまでに少し時間がかかった。
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