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夏彦ルート
第81話
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翌日、朝食をすませて夏彦の部屋を訪れる。
「装置はこれで大丈夫…なはず」
「あの、おはようございます」
「ごめん!おはよう、よく眠れた?」
「はい」
「…月見ちゃん、本当はあんまり寝てないでしょ?見れば分かるよ」
「夏彦も、ですよね?作業をしていたんだとは思いますが、体を壊してしまわないか心配です」
本当に彼には何でもお見通しらしい。
眠れなかったというよりも、普段からあまり眠れないのが当たり前の生活だったので、一般的な睡眠時間が分からないだけだ。
ただ、夏彦は目の下に隈ができやすい。
だからきっと、私以外の人たちもちゃんと寝ていなければすぐに見抜くだろう。
「ごめん。…それじゃあ少しだけ寝るから、お昼までに起こしてくれる?」
「わ、分かりました」
「ありがとう」
向日葵色の髪がふわふわと揺れて、夏彦はそのまま目を閉じた。
何をしようか考えていたけれど、たまたま近くにあった本を読むことにして手を伸ばす。
そのとき、足元を真っ白なもふもふとしたものが通っていくのが目に入った。
「…駄目ですよ、ソルト」
白猫を膝の上にのせると、にゃんと鳴いてそのまま丸くなって寝はじめる。
飼い主に似るという話をどこかで読んだような気がしたけれど、それは本当かもしれない。
なんとなく、夏彦とソルトは似ている部分があると思う。
普段のんびりしているところも、そのときの雰囲気も…時々感情を隠すところも。
「…寝てる?」
「あ、はい」
「それならいい」
部屋に入ってきた春人さんに一礼すると、唐突な質問をぶつけられる。
「君は、夏彦の側にいて楽しい?」
「はい。どんなことも楽しいです」
「…ならいい」
最近、春人さんは私相手にも敬語を外してくれるようになった。
どうして敬語になったりそうじゃなかったりするのかは分からないけれど、彼なりの理由があるのだろう。
「…もし次こいつに泣かされるようなことがあったら、思いきり殴っていいから」
「あの、人を傷つけるのはよくないと思います。それに、誰かを傷つけてしまうのは…怖いです」
「君は真面目だね。…今のは言葉のあや。だけど、本気で怒ったときはそれをぶつけて。
…夏彦は昔から変なところで鈍感だから」
「わ、分かりました」
ぐっすり眠っている夏彦はなんだかいつもより子どもっぽく見えて、少しだけどきどきしてしまう。
「それじゃあ俺はこれで」
「あ、あの…無理、しないでくださいね」
「どうしてそんなことを言うの?」
「なんとなく、なんですけど…傷ついているのを隠しているように見えたので」
春人さんは一瞬固まったものの、気をつけると一言だけ話して去っていく。
そろそろ夏彦を起こそうと肩に触ろうとすると、ぐっと腕をひかれた。
「お、起きてたんですか…?」
「うん。ちょっと前からね」
「装置はこれで大丈夫…なはず」
「あの、おはようございます」
「ごめん!おはよう、よく眠れた?」
「はい」
「…月見ちゃん、本当はあんまり寝てないでしょ?見れば分かるよ」
「夏彦も、ですよね?作業をしていたんだとは思いますが、体を壊してしまわないか心配です」
本当に彼には何でもお見通しらしい。
眠れなかったというよりも、普段からあまり眠れないのが当たり前の生活だったので、一般的な睡眠時間が分からないだけだ。
ただ、夏彦は目の下に隈ができやすい。
だからきっと、私以外の人たちもちゃんと寝ていなければすぐに見抜くだろう。
「ごめん。…それじゃあ少しだけ寝るから、お昼までに起こしてくれる?」
「わ、分かりました」
「ありがとう」
向日葵色の髪がふわふわと揺れて、夏彦はそのまま目を閉じた。
何をしようか考えていたけれど、たまたま近くにあった本を読むことにして手を伸ばす。
そのとき、足元を真っ白なもふもふとしたものが通っていくのが目に入った。
「…駄目ですよ、ソルト」
白猫を膝の上にのせると、にゃんと鳴いてそのまま丸くなって寝はじめる。
飼い主に似るという話をどこかで読んだような気がしたけれど、それは本当かもしれない。
なんとなく、夏彦とソルトは似ている部分があると思う。
普段のんびりしているところも、そのときの雰囲気も…時々感情を隠すところも。
「…寝てる?」
「あ、はい」
「それならいい」
部屋に入ってきた春人さんに一礼すると、唐突な質問をぶつけられる。
「君は、夏彦の側にいて楽しい?」
「はい。どんなことも楽しいです」
「…ならいい」
最近、春人さんは私相手にも敬語を外してくれるようになった。
どうして敬語になったりそうじゃなかったりするのかは分からないけれど、彼なりの理由があるのだろう。
「…もし次こいつに泣かされるようなことがあったら、思いきり殴っていいから」
「あの、人を傷つけるのはよくないと思います。それに、誰かを傷つけてしまうのは…怖いです」
「君は真面目だね。…今のは言葉のあや。だけど、本気で怒ったときはそれをぶつけて。
…夏彦は昔から変なところで鈍感だから」
「わ、分かりました」
ぐっすり眠っている夏彦はなんだかいつもより子どもっぽく見えて、少しだけどきどきしてしまう。
「それじゃあ俺はこれで」
「あ、あの…無理、しないでくださいね」
「どうしてそんなことを言うの?」
「なんとなく、なんですけど…傷ついているのを隠しているように見えたので」
春人さんは一瞬固まったものの、気をつけると一言だけ話して去っていく。
そろそろ夏彦を起こそうと肩に触ろうとすると、ぐっと腕をひかれた。
「お、起きてたんですか…?」
「うん。ちょっと前からね」
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