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その他
ハロウィン
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「さあ、楽しい余興を始めよう」
瞬間、会場はわっと盛りあがった。
ところどころに落っこちているお菓子をゴーストたちが拾い集める。
そんな様子を見ながら談笑する、ヴァンパイアや狼男。
司会のジャック・オ・ランタンは両手を掲げ、持っていたお菓子を餅投げのように投げた。
「早い者勝ちだよ」
それをさらに遠目で見ていたのは、主催の悪魔だ。
ワイングラス片手に優雅な立ち振る舞いでソファーに腰掛ける。
「問題なさそうだな」
「はい!貴方様の企画のおかげです」
「私は皆が楽しめればそれでかまわない」
悠然と去っていく悪魔の後ろ姿に、ジャック・オ・ランタンは羨望の眼差しを向ける。
ああいった人物をカリスマと呼ぶのだろう。
いつの間にかゾンビたちも加わり、夜が明けるまでどんちゃん騒ぎだった。
「片付けまで手伝わせてすまない」
「いいんです。貴方様とご一緒できて嬉しいですから」
「そうか」
頭のかぼちゃを取ることなく、他の参加者も共に清掃をおこなう。
全員に出来立ての料理を配り終えたところで、悪魔はようやくひと息ついた。
かぼちゃの君が帰ったところで疲れた様子の人々に声をかける。
「皆のもの、感謝する」
屋敷中の職員たちに休むよう通達し、自らもベッドにダイブした。
瞬間、会場はわっと盛りあがった。
ところどころに落っこちているお菓子をゴーストたちが拾い集める。
そんな様子を見ながら談笑する、ヴァンパイアや狼男。
司会のジャック・オ・ランタンは両手を掲げ、持っていたお菓子を餅投げのように投げた。
「早い者勝ちだよ」
それをさらに遠目で見ていたのは、主催の悪魔だ。
ワイングラス片手に優雅な立ち振る舞いでソファーに腰掛ける。
「問題なさそうだな」
「はい!貴方様の企画のおかげです」
「私は皆が楽しめればそれでかまわない」
悠然と去っていく悪魔の後ろ姿に、ジャック・オ・ランタンは羨望の眼差しを向ける。
ああいった人物をカリスマと呼ぶのだろう。
いつの間にかゾンビたちも加わり、夜が明けるまでどんちゃん騒ぎだった。
「片付けまで手伝わせてすまない」
「いいんです。貴方様とご一緒できて嬉しいですから」
「そうか」
頭のかぼちゃを取ることなく、他の参加者も共に清掃をおこなう。
全員に出来立ての料理を配り終えたところで、悪魔はようやくひと息ついた。
かぼちゃの君が帰ったところで疲れた様子の人々に声をかける。
「皆のもの、感謝する」
屋敷中の職員たちに休むよう通達し、自らもベッドにダイブした。
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