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じんわり系
家族
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「メグちゃん、どうしたの?」
「れんがいないの」
「れん……ああ、あのぬいぐるみね。確かに見てないわ」
近所に住むメグちゃんは、ぬいぐるみの国を作っている。
といっても、本人には人に見えているようだ。
だから私も、その優しい世界があると信じることにしている。
「最後に会ったのはどこ?」
「分からない。昨日寝るときは枕元にいたよ」
「なら、メグちゃんが学校に行ってる間探してみる」
「いいの?」
「勿論」
「ありがとう」
この子の顔を曇らせたくない。
メグちゃんの部屋の隅を調べると、腕がちぎれた状態のれんを見つけた。
ふわふわの猫のぬいぐるみ……どうやったらこんな千切れ方をするのか。
「早く治さないと」
鞄から裁縫道具を取り出し、急いでリボンを仕上げる。
こうすればきっと傷を隠せる。
ご両親の帰りが遅いメグちゃんにとって、れんは唯一心許せる存在だ。
誰にも言えない秘密も話していると笑っていた。
……見つけられてよかった。
「ただいま」
「おかえりなさい。それと……はい」
『メグ、ただいま』
「れん!」
メグちゃんはれんを抱きしめ、ぽろぽろと涙を零す。
「痛いことされてない?」
『うん。お姉さんが治してくれたから平気だよ』
「お姉さんが治してくれたの?」
「うん」
「ありがとう!れん、もう痛くないって」
「そっか」
ぎゅっと抱きしめて頭を撫でている。
「これからもずっと一緒だよ」
『うん!』
私にはれんの声は聞こえていない。
だけど、喜んでもらえたならよかった。
ふたりと一緒に夕飯を食べて、いつもどおり玄関の鍵を閉める。
明るい笑顔で送り出してくれる姿を見て、私まで温かい気持ちになった。
「れんがいないの」
「れん……ああ、あのぬいぐるみね。確かに見てないわ」
近所に住むメグちゃんは、ぬいぐるみの国を作っている。
といっても、本人には人に見えているようだ。
だから私も、その優しい世界があると信じることにしている。
「最後に会ったのはどこ?」
「分からない。昨日寝るときは枕元にいたよ」
「なら、メグちゃんが学校に行ってる間探してみる」
「いいの?」
「勿論」
「ありがとう」
この子の顔を曇らせたくない。
メグちゃんの部屋の隅を調べると、腕がちぎれた状態のれんを見つけた。
ふわふわの猫のぬいぐるみ……どうやったらこんな千切れ方をするのか。
「早く治さないと」
鞄から裁縫道具を取り出し、急いでリボンを仕上げる。
こうすればきっと傷を隠せる。
ご両親の帰りが遅いメグちゃんにとって、れんは唯一心許せる存在だ。
誰にも言えない秘密も話していると笑っていた。
……見つけられてよかった。
「ただいま」
「おかえりなさい。それと……はい」
『メグ、ただいま』
「れん!」
メグちゃんはれんを抱きしめ、ぽろぽろと涙を零す。
「痛いことされてない?」
『うん。お姉さんが治してくれたから平気だよ』
「お姉さんが治してくれたの?」
「うん」
「ありがとう!れん、もう痛くないって」
「そっか」
ぎゅっと抱きしめて頭を撫でている。
「これからもずっと一緒だよ」
『うん!』
私にはれんの声は聞こえていない。
だけど、喜んでもらえたならよかった。
ふたりと一緒に夕飯を食べて、いつもどおり玄関の鍵を閉める。
明るい笑顔で送り出してくれる姿を見て、私まで温かい気持ちになった。
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