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相変わらず相手は数で圧倒してくる。
…あんまり体の感覚ないけど、なんとか死なずにすんだ。
『平気?』
「これくらいなら、もう慣れて、る…」
『やめて。もう動かなくていい』
「弱くてごめん。いっつもこうなって、心配、かけて…」
『いいからもう動かないで。迎えに行くから』
気配は感じないし、多分大丈夫だろう。
桜良にも負担をかけて、やっぱり俺ってかっこ悪い。
そういえば、穂乃ちゃんたちは大丈夫だろうか。
見境なく狙っているなら白露だって狙われているはずだ。
「陽向」
「桜良、ごめ、」
普段は抱きしめたら照れるのに、慌てた様子で抱きしめられた。
「少し休んで。何かきたら私が対処する」
「……うん。ごめん」
瞼をおろして3分後、今度は激しい痛みとともに目が覚める。
「起きた?」
「おはよう」
「これ着て」
「あ、予備…。ありがとう」
しょっちゅう斬られたりして駄目になるから、何着かカッターシャツの予備を持ち歩くようにしている。
毎年寒くなってくると、桜良から少し頑丈にできたカーディガンをもらう。
手作りしてくれてるのは知ってるけど、本人が買ったと言いはるからそういうことにしている。
「どこか痛む?」
「ううん。俺って愛されてるんだなって思っただけ」
「相変わらず軽い」
「別にそんなことはないと思うんだけどな…」
先輩と出会った頃よりは扱える力も増えたけど、しょっちゅう死んでしまう。
痛みには慣れているから平気だけど、周りの人たちが悲しい顔をするのを見たらやってはいけないことなんだって分かる。
「……これ」
「ん?」
「疲労回復にいいと評判になっているお茶」
「ありがとう」
桜良は照れながらもこうやって優しくしてくれる。
先輩たちも死ぬ度に心配させてしまって、本当に申し訳ない。
ただ、穂乃ちゃんだけはこのことを知らないから見られないように気をつけている。
《……》
「え、白露!?穂乃ちゃんから離れていいのか?」
《主は今休んでいる。気休め程度だが結界をはっておいたので問題ないだろう》
「そっか。その怪我、痛くないか?」
《大したことはない》
白露の大したことはどこを指すんだろう。
なんだか少し顔色が悪い気がするし、どうしても怪我が気になる。
《また死んだのか》
「白露は知っているの?」
《特殊な体質だというのは夜紅から聞いている》
「先輩…やっぱありがたいな」
人のことは最低限しか話さないでいてくれる先輩と、必要以上人に踏みこまない白露。
先輩と桜良以外、俺がこの体質になった理由をはっきり知らないけど気にせず接してくれる。
本当にありがたいけど、結構甘えてしまっているのが現状だ。
先輩たちが帰ってくるまであと少し。それでも気は抜けない。
「…作戦、考えないとな」
…あんまり体の感覚ないけど、なんとか死なずにすんだ。
『平気?』
「これくらいなら、もう慣れて、る…」
『やめて。もう動かなくていい』
「弱くてごめん。いっつもこうなって、心配、かけて…」
『いいからもう動かないで。迎えに行くから』
気配は感じないし、多分大丈夫だろう。
桜良にも負担をかけて、やっぱり俺ってかっこ悪い。
そういえば、穂乃ちゃんたちは大丈夫だろうか。
見境なく狙っているなら白露だって狙われているはずだ。
「陽向」
「桜良、ごめ、」
普段は抱きしめたら照れるのに、慌てた様子で抱きしめられた。
「少し休んで。何かきたら私が対処する」
「……うん。ごめん」
瞼をおろして3分後、今度は激しい痛みとともに目が覚める。
「起きた?」
「おはよう」
「これ着て」
「あ、予備…。ありがとう」
しょっちゅう斬られたりして駄目になるから、何着かカッターシャツの予備を持ち歩くようにしている。
毎年寒くなってくると、桜良から少し頑丈にできたカーディガンをもらう。
手作りしてくれてるのは知ってるけど、本人が買ったと言いはるからそういうことにしている。
「どこか痛む?」
「ううん。俺って愛されてるんだなって思っただけ」
「相変わらず軽い」
「別にそんなことはないと思うんだけどな…」
先輩と出会った頃よりは扱える力も増えたけど、しょっちゅう死んでしまう。
痛みには慣れているから平気だけど、周りの人たちが悲しい顔をするのを見たらやってはいけないことなんだって分かる。
「……これ」
「ん?」
「疲労回復にいいと評判になっているお茶」
「ありがとう」
桜良は照れながらもこうやって優しくしてくれる。
先輩たちも死ぬ度に心配させてしまって、本当に申し訳ない。
ただ、穂乃ちゃんだけはこのことを知らないから見られないように気をつけている。
《……》
「え、白露!?穂乃ちゃんから離れていいのか?」
《主は今休んでいる。気休め程度だが結界をはっておいたので問題ないだろう》
「そっか。その怪我、痛くないか?」
《大したことはない》
白露の大したことはどこを指すんだろう。
なんだか少し顔色が悪い気がするし、どうしても怪我が気になる。
《また死んだのか》
「白露は知っているの?」
《特殊な体質だというのは夜紅から聞いている》
「先輩…やっぱありがたいな」
人のことは最低限しか話さないでいてくれる先輩と、必要以上人に踏みこまない白露。
先輩と桜良以外、俺がこの体質になった理由をはっきり知らないけど気にせず接してくれる。
本当にありがたいけど、結構甘えてしまっているのが現状だ。
先輩たちが帰ってくるまであと少し。それでも気は抜けない。
「…作戦、考えないとな」
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