王子と内緒の人魚姫

黒蝶

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青海 錬 続篇

第6話

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翌朝。
黒羽が起きると、隣で錬がぐっすりと寝ていた。
(なんだか喉が渇いちゃったな...)
黒羽は冷蔵庫まで行き、中にあった水を一気に飲み干した。
「...っ」
足が痛みだし、ふらふらと椅子に腰をおろす。
薬は寝室にあるため、取りに行くことができない。
しばらく座っていると、錬が起きてきた。
「錬、おはよう」
ふわり。
いつもと同じように見えるそれは、なんだか違和感があった。
♪「足、痛むの?」
「どうして...」
♪「黒羽のことならなんでも...とまではいかなくても分かるよ。ちょっと待っててね」
錬は急いで薬を持ってきて、黒羽の足に塗りはじめた。
「ひゃっ...!」
(冷たい...)
ひんやりとしたジェル状の薬のため、足に塗りこまなければならない。
錬はそれを丁寧に塗り終わると、そっと黒羽を見上げた。
♪「終わったよ。...黒羽、大丈夫?」
「...意地悪」
♪「ごめんね」
錬が悪戯な笑みを浮かべている。
黒羽は少し意地悪をしかえしたくなり、錬の頬にキスをした。
♪「...!」
ふわり。
錬は顔を真っ赤にして、目をふせた。
(可愛い...!どうしよう、錬が可愛く見えてしまう)
「ふふ...」
黒羽は錬の頭を撫でた。
♪「...もう。そんなに悪戯するなら、お仕置きだね」
「え、あ、」
錬は黒羽を横抱きにし、一気にソファーまで運んだ。
「錬...」
♪「離してあげない」
「...っ」
錬の顔が黒羽に近づいた時、扉がたたかれた。
ー「お食事をお持ちいたしました」
♪「残念、ここまでか」
「は、恥ずかしいよ...」
♪「困らせてごめんね」
錬の耳が赤くなっていたのを、黒羽は見逃さなかった。
「錬、ここでご飯が食べられるの?」
♪「そうだよ」
錬が膳を運んでくれる。
「景色が綺麗な場所だね」
♪「そうだね」
二人は景色を見ながら、楽しい朝食の時間を過ごしたのだった。
...食事のあと、錬に『デザート』を要求されたのはまた別の話...。
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