561 / 732
赤城玲音 篇
第33話
しおりを挟む
◆「昨日は、かっこわりいとこ見せちゃったな...」
「そんなことないよ!私は...色んな玲音が見られてよかった」
◆「黒羽...」
電話が鳴る。
◆「美音!どうした?...え?ごめんな、ダメな兄ちゃんだよな...。ゆっくり休め」
「どうしたの?」
◆「あいつ、体調悪いのを無理やり働いてたらしい。熱で倒れたと連絡があった。だから...」
「?」
◆「黒羽も、ついてくる?」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(よかった、公安零課の仕事かと...)
その夜、玲音のバーにきていた。
◆「いらっしゃい!」
(働く玲音、かっこいい...)
玲音はてきぱき動いていく。
そんななか、女性が襲われていた。
~「てめえ、可愛いじゃねーか...」
ー「や、やめて...」
明らかに様子がおかしい。
「玲音、あれ!」
◆「ありがとな、黒羽」
玲音は怖い顔になった。
◆「おいあんた、うちの店で何やってんだ」
~「この可愛い子がぶつかってきてよー」
◆「いいからでてけ」
~「...んだと、てめえ!」
◆「せいや!」
玲音は男をなぎ倒した。
◆「酔っぱらって暴れた。...現行犯な」
いつの間に呼んだのか、警察に引き渡している。
◆「お客様、大丈夫ですか?」
女性は青ざめて震えている。
(もしかしたら、役に立てるかもしれない...)
「...~♪」
気づいたら私は歌っていた。
...『追想の子守唄』。あの日海で歌ったものと同じだ。
ー「あ、ありがとうございます。なんか元気出ました...」
「それならよかったです」
ふわり。
本当にありがとうございました、と感謝の言葉を口にして彼女は帰っていった。
◆「...あの夜も、歌ってくれたの?」
「え?...まさか」
◆「あの日は遠征の帰りで...俺らの船はマフィアの攻撃を受けて沈没して...俺は流された。その時、人魚に会ったんだ。...綺麗な声で歌ってくれて...」
「じゃあ、玲音があの時の人...!」
黒羽も話した。
20になってようやく陸を見られたこと。
海を流される人影を見て陸へあげたこと。
...歌と勿忘草を残したこと。
◆「そうだったのか...。じゃあ俺らは、その時から運命が決まっていたのかもな!」
玲音の言葉に思わず笑みがこぼれる。
「玲音、子どもみたい...」
◆「黒羽が笑うなら子どもでいいよ」
二人で笑いあいながら片づけをすすめていった...。
「そんなことないよ!私は...色んな玲音が見られてよかった」
◆「黒羽...」
電話が鳴る。
◆「美音!どうした?...え?ごめんな、ダメな兄ちゃんだよな...。ゆっくり休め」
「どうしたの?」
◆「あいつ、体調悪いのを無理やり働いてたらしい。熱で倒れたと連絡があった。だから...」
「?」
◆「黒羽も、ついてくる?」
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
(よかった、公安零課の仕事かと...)
その夜、玲音のバーにきていた。
◆「いらっしゃい!」
(働く玲音、かっこいい...)
玲音はてきぱき動いていく。
そんななか、女性が襲われていた。
~「てめえ、可愛いじゃねーか...」
ー「や、やめて...」
明らかに様子がおかしい。
「玲音、あれ!」
◆「ありがとな、黒羽」
玲音は怖い顔になった。
◆「おいあんた、うちの店で何やってんだ」
~「この可愛い子がぶつかってきてよー」
◆「いいからでてけ」
~「...んだと、てめえ!」
◆「せいや!」
玲音は男をなぎ倒した。
◆「酔っぱらって暴れた。...現行犯な」
いつの間に呼んだのか、警察に引き渡している。
◆「お客様、大丈夫ですか?」
女性は青ざめて震えている。
(もしかしたら、役に立てるかもしれない...)
「...~♪」
気づいたら私は歌っていた。
...『追想の子守唄』。あの日海で歌ったものと同じだ。
ー「あ、ありがとうございます。なんか元気出ました...」
「それならよかったです」
ふわり。
本当にありがとうございました、と感謝の言葉を口にして彼女は帰っていった。
◆「...あの夜も、歌ってくれたの?」
「え?...まさか」
◆「あの日は遠征の帰りで...俺らの船はマフィアの攻撃を受けて沈没して...俺は流された。その時、人魚に会ったんだ。...綺麗な声で歌ってくれて...」
「じゃあ、玲音があの時の人...!」
黒羽も話した。
20になってようやく陸を見られたこと。
海を流される人影を見て陸へあげたこと。
...歌と勿忘草を残したこと。
◆「そうだったのか...。じゃあ俺らは、その時から運命が決まっていたのかもな!」
玲音の言葉に思わず笑みがこぼれる。
「玲音、子どもみたい...」
◆「黒羽が笑うなら子どもでいいよ」
二人で笑いあいながら片づけをすすめていった...。
0
お気に入りに追加
91
あなたにおすすめの小説
はなこい
虹空*ここあ*
恋愛
花屋の娘すみれは、花が大好きな高校一年生。過去のトラウマから、あまり学校に行けず、いつも庭の手入れをしていた。そんなある日、同じクラスのつばきという男の子に庭で話しかけられる。
すみれとつばきの恋物語。
※作者は言葉知らず、小説初心者です。
長編にする予定ですが、1本1本が短めです。
淫らな蜜に狂わされ
歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。
全体的に性的表現・性行為あり。
他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。
全3話完結済みです。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
隠れ御曹司の手加減なしの独占溺愛
冬野まゆ
恋愛
老舗ホテルのブライダル部門で、チーフとして働く二十七歳の香奈恵。ある日、仕事でピンチに陥った彼女は、一日だけ恋人のフリをするという条件で、有能な年上の部下・雅之に助けてもらう。ところが約束の日、香奈恵の前に現れたのは普段の冴えない彼とは似ても似つかない、甘く色気のある極上イケメン! 突如本性を露わにした彼は、なんと自分の両親の前で香奈恵にプロポーズした挙句、あれよあれよと結婚前提の恋人になってしまい――!? 「誰よりも大事にするから、俺と結婚してくれ」恋に不慣れな不器用OLと身分を隠したハイスペック御曹司の、問答無用な下克上ラブ!
私は5歳で4人の許嫁になりました【完結】
Lynx🐈⬛
恋愛
ナターシャは公爵家の令嬢として産まれ、5歳の誕生日に、顔も名前も知らない、爵位も不明な男の許嫁にさせられた。
それからというものの、公爵令嬢として恥ずかしくないように育てられる。
14歳になった頃、お行儀見習いと称し、王宮に上がる事になったナターシャは、そこで4人の皇子と出会う。
皇太子リュカリオン【リュカ】、第二皇子トーマス、第三皇子タイタス、第四皇子コリン。
この4人の誰かと結婚をする事になったナターシャは誰と結婚するのか………。
※Hシーンは終盤しかありません。
※この話は4部作で予定しています。
【私が欲しいのはこの皇子】
【誰が叔父様の側室になんてなるもんか!】
【放浪の花嫁】
本編は99話迄です。
番外編1話アリ。
※全ての話を公開後、【私を奪いに来るんじゃない!】を一気公開する予定です。
あまりさんののっぴきならない事情
菱沼あゆ
キャラ文芸
強引に見合い結婚させられそうになって家出し、憧れのカフェでバイトを始めた、あまり。
充実した日々を送っていた彼女の前に、驚くような美形の客、犬塚海里《いぬづか かいり》が現れた。
「何故、こんなところに居る? 南条あまり」
「……嫌な人と結婚させられそうになって、家を出たからです」
「それ、俺だろ」
そーですね……。
カフェ店員となったお嬢様、あまりと常連客となった元見合い相手、海里の日常。
あまやかしても、いいですか?
藤川巴/智江千佳子
恋愛
結婚相手は会社の王子様。
「俺ね、ダメなんだ」
「あーもう、キスしたい」
「それこそだめです」
甘々(しすぎる)男子×冷静(に見えるだけ)女子の
契約結婚生活とはこれいかに。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる