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日常篇
食事
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ぐったりした恋人が眠りにつくのを見つめ、そっと頭を撫でる。
「ごめんね、七海...」
僕はただ泣くことしかできない。
どうしていつもこうなってしまうのか。
七海の前では特に抑えがきかなくなりやすい。
以前まで、ここまでの状態になることは滅多にになかった。
僕は爆弾のようなものだ。
半分とはいえ、そういった部分を抱えてしまっている。
──どのぐらい時間がたっただろう。
「ん、朝...?」
「まだ夜だよ。ごめん、起こしちゃった?」
いつの間にか眠ってしまっていたらしい僕の体には、もこもこのブランケットがかけられていた。
「七海、僕...本当に、」
「ごめんなんて言わせない」
七海はいつもこう言って笑う。
怖がらせたのではないか、傷つけたのではないか。
だが、それよりも1番怖いのは...
「...僕のこと、嫌いになった?」
「いつも言ってるでしょ、これくらいじゃ嫌いにならないって」
何度も訊かないと不安になってしまう。
僕は化け物だから、七海に痛い思いをさせてしまうから...一緒にいてはいけない理由なんて数えきれないほどある。
それでも彼女は僕と一緒にいてくれるのだ。
「木葉、何か飲まない?私はこれからちょっと遅いご飯にしようかなって思ってるんだけど...」
「え、夕飯まだだったの?」
「食欲がなかったから...。今日はお昼も食べてなかったから、流石に何か食べないといけないなって思って」
苦笑している場合じゃない。
そんなふうに無理をしたら体を崩してしまう。
すぐに立ちあがり、キッチンで勝手に食材をとりだす。
「木葉...?」
「座ってて。あんまり上手じゃないけど、何か食べられるもの作るから」
有無を言わさぬ表情でそう告げて、一心不乱に具材を切り刻む。
人参に玉ねぎ...などなど。
いきなり沢山のものを食べては胃が吃驚してしまうはずだからと、スープを作ることにしたのだ。
「僕に言われたくないと思うけど、朝ご飯はちゃんと食べること」
「ありがとう。...いただきます」
七海は両手を合わせたものの、何故か食べようとしない。
何か足りなかっただろうか...そう思っていると、もうひとつカップを用意してよそいはじめた。
「どうして...」
「一緒に食べた方が美味しいから。それに、木葉の疲れだって吹き飛ぶんじゃないかって思うんだ」
七海の笑顔には嘘がない。
どうしようかと迷ったものの、結局席につく以外の選択を思いつかなかった。
「ありがとう。...また気を遣わせてごめん」
「私はただ本当のことを言っただけだよ」
真夜中、ふたりでスープを飲んで温まる。
それはほんの少しだけ、苦いような気がした。
「ごめんね、七海...」
僕はただ泣くことしかできない。
どうしていつもこうなってしまうのか。
七海の前では特に抑えがきかなくなりやすい。
以前まで、ここまでの状態になることは滅多にになかった。
僕は爆弾のようなものだ。
半分とはいえ、そういった部分を抱えてしまっている。
──どのぐらい時間がたっただろう。
「ん、朝...?」
「まだ夜だよ。ごめん、起こしちゃった?」
いつの間にか眠ってしまっていたらしい僕の体には、もこもこのブランケットがかけられていた。
「七海、僕...本当に、」
「ごめんなんて言わせない」
七海はいつもこう言って笑う。
怖がらせたのではないか、傷つけたのではないか。
だが、それよりも1番怖いのは...
「...僕のこと、嫌いになった?」
「いつも言ってるでしょ、これくらいじゃ嫌いにならないって」
何度も訊かないと不安になってしまう。
僕は化け物だから、七海に痛い思いをさせてしまうから...一緒にいてはいけない理由なんて数えきれないほどある。
それでも彼女は僕と一緒にいてくれるのだ。
「木葉、何か飲まない?私はこれからちょっと遅いご飯にしようかなって思ってるんだけど...」
「え、夕飯まだだったの?」
「食欲がなかったから...。今日はお昼も食べてなかったから、流石に何か食べないといけないなって思って」
苦笑している場合じゃない。
そんなふうに無理をしたら体を崩してしまう。
すぐに立ちあがり、キッチンで勝手に食材をとりだす。
「木葉...?」
「座ってて。あんまり上手じゃないけど、何か食べられるもの作るから」
有無を言わさぬ表情でそう告げて、一心不乱に具材を切り刻む。
人参に玉ねぎ...などなど。
いきなり沢山のものを食べては胃が吃驚してしまうはずだからと、スープを作ることにしたのだ。
「僕に言われたくないと思うけど、朝ご飯はちゃんと食べること」
「ありがとう。...いただきます」
七海は両手を合わせたものの、何故か食べようとしない。
何か足りなかっただろうか...そう思っていると、もうひとつカップを用意してよそいはじめた。
「どうして...」
「一緒に食べた方が美味しいから。それに、木葉の疲れだって吹き飛ぶんじゃないかって思うんだ」
七海の笑顔には嘘がない。
どうしようかと迷ったものの、結局席につく以外の選択を思いつかなかった。
「ありがとう。...また気を遣わせてごめん」
「私はただ本当のことを言っただけだよ」
真夜中、ふたりでスープを飲んで温まる。
それはほんの少しだけ、苦いような気がした。
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