97 / 150
本篇・1年目前期
久しぶりの独り、上手く息ができない。
しおりを挟む
記録
『私はまた学校に行けなくなってしまった。
弥生を独りにしてしまうのは辛い。
私も、独りでいるのが辛い。
あんなに日曜日が楽しみだったはずなのに、でも、どうしても体が動いてくれないの。
返事もかえせなくなってどのくらいだろう。
もう、日付の感覚もない。
...ごめんなさい』
葉月と連絡がとれなくなって、二週間。
こんなに独りでいるのは久しぶりなような気がする。
家に行ってみるべきか、それとも...。
迷っていると、元・担任の先生に放課後きてほしいと言われた。
(先生、部活持ってなかったっけ...)
通信制にだって、部活はある。
但し、運動部だけなので私も葉月も入らなかった。
なんだか息ができない。
どうして、と言われれば答えられないけれど、上手く息が吸えていないような気がする。
「...寂しいな」
体育の授業中、口をついてそんな言葉が出てしまう。
「...」
結局、あれから見学ばかりしている。
もし参加したとしても、組むことになるのは全然知らない後輩とになるからだ。
...それが辛い。
「はい、それじゃあ片づけましょう」
私はただ休んでいるだけ。
だから、準備と片づけは率先してやった。
他の人たちはへとへとになるまで試合してるのに、私は見ているだけだから。
二人で笑いあっている人たちの姿を見て、なんだか遠い過去と重なる。
『そっち重いなら持とうか?』
『ううん、私が持ちたいの!』
...あの時間も。
『葉月、そっち重いから持つよ』
『弥生は力持ちなんだね...』
...あの時間も。
どちらも崩壊したのは私のせいだ。
私が壊したも同然なのだ。
私は周りを不幸にしてしまう。
(私、何の為にいるんだろう...)
葉月とお揃いにしたハンカチが、手の中でひらひらと揺れている。
「...あれ?」
独り教室にいるとき気づく。
...いつのまにか、頬を涙が伝っていることに。
「...」
ハンカチで急いで顔を覆う。
声はあげずに、ただ泣き続けた。
どうして私の側にいる子たちを、いつも不幸にしてしまうんだろう。
...落ちこんでばかりではいられない。
(取り敢えずメッセージを送ってみよう)
返信がこなくてもいい。
返信できないくらい元気がないなら、それでもいい。
けれど、せめて。
せめてできることはしたい。
二週間の孤独が、それだけで吹き飛ぶような気がする。
(...そうだ、職員室に行かないと)
『私はまた学校に行けなくなってしまった。
弥生を独りにしてしまうのは辛い。
私も、独りでいるのが辛い。
あんなに日曜日が楽しみだったはずなのに、でも、どうしても体が動いてくれないの。
返事もかえせなくなってどのくらいだろう。
もう、日付の感覚もない。
...ごめんなさい』
葉月と連絡がとれなくなって、二週間。
こんなに独りでいるのは久しぶりなような気がする。
家に行ってみるべきか、それとも...。
迷っていると、元・担任の先生に放課後きてほしいと言われた。
(先生、部活持ってなかったっけ...)
通信制にだって、部活はある。
但し、運動部だけなので私も葉月も入らなかった。
なんだか息ができない。
どうして、と言われれば答えられないけれど、上手く息が吸えていないような気がする。
「...寂しいな」
体育の授業中、口をついてそんな言葉が出てしまう。
「...」
結局、あれから見学ばかりしている。
もし参加したとしても、組むことになるのは全然知らない後輩とになるからだ。
...それが辛い。
「はい、それじゃあ片づけましょう」
私はただ休んでいるだけ。
だから、準備と片づけは率先してやった。
他の人たちはへとへとになるまで試合してるのに、私は見ているだけだから。
二人で笑いあっている人たちの姿を見て、なんだか遠い過去と重なる。
『そっち重いなら持とうか?』
『ううん、私が持ちたいの!』
...あの時間も。
『葉月、そっち重いから持つよ』
『弥生は力持ちなんだね...』
...あの時間も。
どちらも崩壊したのは私のせいだ。
私が壊したも同然なのだ。
私は周りを不幸にしてしまう。
(私、何の為にいるんだろう...)
葉月とお揃いにしたハンカチが、手の中でひらひらと揺れている。
「...あれ?」
独り教室にいるとき気づく。
...いつのまにか、頬を涙が伝っていることに。
「...」
ハンカチで急いで顔を覆う。
声はあげずに、ただ泣き続けた。
どうして私の側にいる子たちを、いつも不幸にしてしまうんだろう。
...落ちこんでばかりではいられない。
(取り敢えずメッセージを送ってみよう)
返信がこなくてもいい。
返信できないくらい元気がないなら、それでもいい。
けれど、せめて。
せめてできることはしたい。
二週間の孤独が、それだけで吹き飛ぶような気がする。
(...そうだ、職員室に行かないと)
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
膀胱を虐められる男の子の話
煬帝
BL
常におしがま膀胱プレイ
男に監禁されアブノーマルなプレイにどんどんハマっていってしまうノーマルゲイの男の子の話
膀胱責め.尿道責め.おしっこ我慢.調教.SM.拘束.お仕置き.主従.首輪.軟禁(監禁含む)
寝室から喘ぎ声が聞こえてきて震える私・・・ベッドの上で激しく絡む浮気女に復讐したい
白崎アイド
大衆娯楽
カチャッ。
私は静かに玄関のドアを開けて、足音を立てずに夫が寝ている寝室に向かって入っていく。
「あの人、私が
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
[恥辱]りみの強制おむつ生活
rei
大衆娯楽
中学三年生になる主人公倉持りみが集会中にお漏らしをしてしまい、おむつを当てられる。
保健室の先生におむつを当ててもらうようにお願い、クラスメイトの前でおむつ着用宣言、お漏らしで小学一年生へ落第など恥辱にあふれた作品です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる