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41・セクシー真弓。
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ジーンズの裾をまくり上げ膝から下の肌を出して水に浸かれる様にした真弓が、ザブザブと海に入って行った。
海面は凪いでいて波が殆ど無く、プールみたいにな水面がどこまでも広がっている。
青い空と白い雲をバックに静かな海の中に立ち海の向こうを眺める真弓の横顔は、カメラの前でポージングをしたかの様に完成された綺麗さで、そのまま一枚のポスターの様だ。
せっかくのシャッターチャンスなのにスマホを取りに行き真弓の写真を撮るのさえも忘れ、思わずうっとりと見惚れてしまった。
その姿を目に焼き付ける様に、頭に刻み込む様に、真弓から目を離す事が出来ない。
瞬きする事すら惜しい位にずっと見ていたい。
「………真弓………キレイ……」
胸に拳を当てて激しく鳴る動悸を押さえ、俺は真弓の名を小声で呟いた。
俺の声が聞こえる距離に居なかった真弓が、俺の声に反応したかのようなタイミングで振り返った。
太陽と海面からの反射の光を受けた真弓の金の髪が眩く輝く。
少し下にずらしたロイド眼鏡の上から覗く、真弓のブルーグレーの優しい目が俺を射抜いた。
「どうしたラン、来ないのか?」
波打ち際に立ったまま真弓に見惚れていた俺に向け、微笑む真弓が「ここまで来い」と言う様に俺に手を差し延べた。
「い、行く…!いっ…」
真弓の手を掴みたくて、慌てて海に入った。
真弓だけを見て膝まで海に浸かりながら、歩きにくい水の中を早足で急いだせいで足元をよく見ていなかった。
俺は海中でナニかを踏んだらしく、裸足の足裏にヌルンと気味の悪い感触が走り、ズルッと滑って海の中に倒れてしまった。
ザバァッと大きな水しぶきをあげて浅い場所で仰向けに全身が海に浸かった。
海水も僅かに飲んでしまい、浅い場所で溺れかけた俺はパニックになって手足をバタつかせて暴れた。
「ラン!ラン!おい、大丈夫か!!」
慌てた真弓が俺に駆け寄って、俺を海の中から抱き起こす。
海水を飲んで咳き込む俺の背中を擦り、心配そうに顔を覗き込んできた。
「ゲホッ!ゲホッ!うわぁあ!スライム踏んだ!
違う!ヌメッてなったぁ!ナマコだ!
ナマコ踏んだァあ!俺がナマコを踏み殺したァ!
ごめんなさいナマコぉ!」
「落ち着けラン!ナマコじゃねぇよ!
海藻だ!ワカメだワカメ!ワカメは死んじゃいねぇ!
まだ生きてるぞ!」
パニックになった俺につられて、助けに来た真弓も言葉がパニクっている。
俺達は真剣だったが大声で漫才のような、おかしなやり取りをしてしまった。
余りにも大声だったので、少し離れた場所に居たカップルにも聞こえていたらしく、クスクスと笑う声が聞こえてきた。
その笑い声を聞いて俺と真弓はハッと我に返り、落ち着きを取り戻した。
「……ラン、大丈夫か?」
「う、うん…ごめん、真弓まで濡れちゃって……」
海に沈んだ俺を抱き起こした真弓は、白いTシャツもジーンズもずぶ濡れになってしまった。
海風に遊ばせていた金髪も濡れている。
「そんなもん気にすんな。
風呂に入って行けって言われてるし、濡れた服は温泉に浸かってる間にコインランドリーで洗濯しときゃいいだろ。」
ずぶ濡れになった俺の頭をグリグリと撫でてから、海の中で俺を立たせた真弓は、俺の両頬に手の平を当て、親指で目の周りの水分を拭ってくれた。
海水のせいでボヤけていた視界が少しクリアになり、俺の正面で海の中に両膝を立てて腰を落とした真弓の全身がハッキリと見えた。
さっきまでの海の中に立つ真弓はホントにモデルって感じで、ものすごく綺麗だと思った。
今、全身ずぶ濡れで俺の前にひざまずく真弓は…
なんて色っぽいんだろう……。
濡れた髪を後ろに撫で付け、水滴が頬を伝い顎先から滴っている。
白いTシャツは濡れて真弓の肌に張り付き、ところどころ透けて真弓の肌と胸の粒がうっすらと見えてしまっていた。
━━…エッロ!!服が濡れて肌と乳首が透けて見えるとか…
エロい!とにかくエロい!!━━
漫画じゃあるまいし興奮したからと言って、こんな事で鼻血が出たりはしないが条件反射の様に手の平で鼻と口元を覆い隠してしまう。
「どうした?寒いのか?鼻水がタレそうなのか?」
真弓の言葉には全く色気が無いのだけれど…。
「ッッックシュッん!!」
「ほら、風邪引いちまうんじゃないか?
まだ暖かいとは言え、もうとっくに秋だからな。
全身ずぶ濡れでいるのはヤバいな、風呂に入りに行こうぜ。」
くしゃみをした俺を心配した真弓が、ペンションに戻って風呂に入ろうと言って来た。
真弓と一緒に風呂………風呂!?
Tシャツが透けただけでドキドキしてしまう俺が、真弓の全裸を見るの!?
いや、それこそマジで鼻血出ちゃうんじゃない!?
「まっ…真弓、待って!こ、心の準備がっ!」
「風呂に入るのに心の準備もクソもあるか!
風邪なんかひかれたら、もうデートに誘えんくなるぞ」
確かに、責任感の強い真弓は自分が海に誘ったせいで俺が風邪をひいたなんてなったりしたら…
俺の父さんや母さんに責任を感じ申し訳無く思って二度とデートに誘ってくれなくなりそう!
それはヤダけど…!!
俺のガキっぽい裸を大人の真弓に見られるのも何かヤダぁ!
「俺、まだ毛が生えてないんだ!!!」
「はぁあ!?だからそれが何だ!!」
真弓は俺を荷物みたいに肩に乗せ、ザブザブと海からあがると階段に置きっぱなしの革ジャンや革ジャケット、ブーツやスニーカーを団子みたいに丸めて脇に抱えた。
「真弓に見られるの恥ずかしい!」
「そんなトコ、じっくり見たりしねぇわ!
気にし過ぎなんだよ!」
肩の上でワーワー抗議する俺を無視して、真弓がペンションに入った。
ずぶ濡れな為にフロントは通らずに別の場所から館内に入り浴場へと向かう。
浴場に続く廊下でペンションの男性スタッフに会い、真弓が濡れた衣服の洗濯と、その間着る物をお願いしていた。
浴場の脱衣場で降ろされた俺は、むくれた顔をしたまま真弓を睨む。
「ほら、早く脱げ。
洗濯して貰うんだから。」
真弓は俺の前で濡れたTシャツを脱ぎ始めた。
肌にまとわり付く様にへばり付いたシャツを脱ぐ際に髪が乱れた真弓に、思わずドキッとする。
シャツを脱ぎ捨て、濡れたジーンズを脱ぎ、黒いボクサーパンツを脱いだ真弓は俺の前で全裸になった。
脱いでいる過程は、やらしくてエロいと思っていたけど……
全裸になった真弓は完成された芸術品のようで、カッコいいし綺麗なんだけど、整い過ぎて見えるせいなのか逆にエロさは感じなくなってしまった。
「…うん、俺も脱ぐ。」
美術関係の本で裸婦画や全裸像を見たような、何か芸術品なんだからエロい目で見たら駄目だ、みたいな気がしてしまう。
俺もサッサと全裸になり、真弓と一緒に浴場に入った。
エロく見えなくなった芸術品の様な全裸の真弓の前では、俺の裸なんてどーでもいいことの様に思えて。
恥ずかしい気持ちも何だか薄くなってしまった。
昼食前の時間なためか浴場は誰も居らず、俺達の貸し切り状態だ。
見晴らしが良く、海が見える広々とした浴場は何だかテンションが上がってしまう。
「広い!眺めがいい!泳げそうだよ真弓!」
「誰も居ないからって、泳ぐなよ。」
俺達は、ザッと海水と砂を洗い流してから並んで浴槽に浸かった。
寒くないと思っていたけれど身体は冷えていたみたいで、ジンと全身が温まる。
「あー…あったまるなぁ……」
真弓が目を閉じて心地良さそうな顔をしている。
真弓の全裸を見るなんて滅多に無いだろうから、この機会にと俺は真弓の身体をじっくり観察し始めた。
父親がアメリカ人の真弓には、濃くなったうぶ毛の様な胸毛が胸筋の上部分に生えている。
あとは、腹部にも。
黒く太い毛がモサッとした感じで生えているのではなく、色も薄く細くてフワッとカールして見える体毛が真弓の肌を部分的に薄く覆っている感じ。
「真弓の毛って、トイプードルみたいだね。」
「トイプー?そんな事、初めて言われたわ。」
真弓の大事な場所もチラッと見たけど、湯に沈んでおり水面が揺らいでハッキリとは見えない。
かと言って、湯からあがった真弓のソコをガン見するなんて出来ない。
真弓の身体には体毛はあるけど、ある程度整えられていてムダ毛って感じはしない。
それは、モデルという仕事の為ってのもあるのだろうか。
身体も適度に鍛えられていてバランスが良く綺麗だ。
「真弓って、身体を鍛える何か習ってたりする?」
「んぁ…?体型を維持する為に、たまにジムに通う位で、ランの少林寺みたいに習って鍛えてるってのとは違うな…。」
少しうつらうつらした真弓が眠そうに答えた。
「俺さ、将来スーツアクターになりたいんだよね。」
「ヒーローを演じる役者の方でなくて、か?
ランなら、カッコいいし変身前のヒーローとかにもなれそうだが…な……。」
真弓にカッコいいと言われて思わずニマニマとニヤけてしまう。
でも俺は役者になって芝居をしたいワケじゃないし。
ヒーローの中の人になって、アクションを演じたい。
「真弓が今も俳優やっていたら将来、共演出来たかも知れないのにね。
……真弓、こんなトコで寝ちゃ駄目だよ。」
湯に浸かったまま寝てしまいそうな真弓の肩に手を置き身体を揺さぶる。
意識せずに触れた真弓の濡れた肌は俺の手の平にしっとりと吸い付く様に感じられ、思わずドキッとしてしまった。
「うわぁ…何かすげー気持ちいい触り心地…。」
思わず声を出して呟いたが、目を覚ましたばかりの真弓には聞こえて無かった様だ。
「んー…身体洗ってメシ…食いに行くか……」
「じゃあ俺が背中流してあげる!
お父さんにも、よくやってあげるんだ!」
もう少し真弓に触れたくて、そんな事を言ってみた。
海面は凪いでいて波が殆ど無く、プールみたいにな水面がどこまでも広がっている。
青い空と白い雲をバックに静かな海の中に立ち海の向こうを眺める真弓の横顔は、カメラの前でポージングをしたかの様に完成された綺麗さで、そのまま一枚のポスターの様だ。
せっかくのシャッターチャンスなのにスマホを取りに行き真弓の写真を撮るのさえも忘れ、思わずうっとりと見惚れてしまった。
その姿を目に焼き付ける様に、頭に刻み込む様に、真弓から目を離す事が出来ない。
瞬きする事すら惜しい位にずっと見ていたい。
「………真弓………キレイ……」
胸に拳を当てて激しく鳴る動悸を押さえ、俺は真弓の名を小声で呟いた。
俺の声が聞こえる距離に居なかった真弓が、俺の声に反応したかのようなタイミングで振り返った。
太陽と海面からの反射の光を受けた真弓の金の髪が眩く輝く。
少し下にずらしたロイド眼鏡の上から覗く、真弓のブルーグレーの優しい目が俺を射抜いた。
「どうしたラン、来ないのか?」
波打ち際に立ったまま真弓に見惚れていた俺に向け、微笑む真弓が「ここまで来い」と言う様に俺に手を差し延べた。
「い、行く…!いっ…」
真弓の手を掴みたくて、慌てて海に入った。
真弓だけを見て膝まで海に浸かりながら、歩きにくい水の中を早足で急いだせいで足元をよく見ていなかった。
俺は海中でナニかを踏んだらしく、裸足の足裏にヌルンと気味の悪い感触が走り、ズルッと滑って海の中に倒れてしまった。
ザバァッと大きな水しぶきをあげて浅い場所で仰向けに全身が海に浸かった。
海水も僅かに飲んでしまい、浅い場所で溺れかけた俺はパニックになって手足をバタつかせて暴れた。
「ラン!ラン!おい、大丈夫か!!」
慌てた真弓が俺に駆け寄って、俺を海の中から抱き起こす。
海水を飲んで咳き込む俺の背中を擦り、心配そうに顔を覗き込んできた。
「ゲホッ!ゲホッ!うわぁあ!スライム踏んだ!
違う!ヌメッてなったぁ!ナマコだ!
ナマコ踏んだァあ!俺がナマコを踏み殺したァ!
ごめんなさいナマコぉ!」
「落ち着けラン!ナマコじゃねぇよ!
海藻だ!ワカメだワカメ!ワカメは死んじゃいねぇ!
まだ生きてるぞ!」
パニックになった俺につられて、助けに来た真弓も言葉がパニクっている。
俺達は真剣だったが大声で漫才のような、おかしなやり取りをしてしまった。
余りにも大声だったので、少し離れた場所に居たカップルにも聞こえていたらしく、クスクスと笑う声が聞こえてきた。
その笑い声を聞いて俺と真弓はハッと我に返り、落ち着きを取り戻した。
「……ラン、大丈夫か?」
「う、うん…ごめん、真弓まで濡れちゃって……」
海に沈んだ俺を抱き起こした真弓は、白いTシャツもジーンズもずぶ濡れになってしまった。
海風に遊ばせていた金髪も濡れている。
「そんなもん気にすんな。
風呂に入って行けって言われてるし、濡れた服は温泉に浸かってる間にコインランドリーで洗濯しときゃいいだろ。」
ずぶ濡れになった俺の頭をグリグリと撫でてから、海の中で俺を立たせた真弓は、俺の両頬に手の平を当て、親指で目の周りの水分を拭ってくれた。
海水のせいでボヤけていた視界が少しクリアになり、俺の正面で海の中に両膝を立てて腰を落とした真弓の全身がハッキリと見えた。
さっきまでの海の中に立つ真弓はホントにモデルって感じで、ものすごく綺麗だと思った。
今、全身ずぶ濡れで俺の前にひざまずく真弓は…
なんて色っぽいんだろう……。
濡れた髪を後ろに撫で付け、水滴が頬を伝い顎先から滴っている。
白いTシャツは濡れて真弓の肌に張り付き、ところどころ透けて真弓の肌と胸の粒がうっすらと見えてしまっていた。
━━…エッロ!!服が濡れて肌と乳首が透けて見えるとか…
エロい!とにかくエロい!!━━
漫画じゃあるまいし興奮したからと言って、こんな事で鼻血が出たりはしないが条件反射の様に手の平で鼻と口元を覆い隠してしまう。
「どうした?寒いのか?鼻水がタレそうなのか?」
真弓の言葉には全く色気が無いのだけれど…。
「ッッックシュッん!!」
「ほら、風邪引いちまうんじゃないか?
まだ暖かいとは言え、もうとっくに秋だからな。
全身ずぶ濡れでいるのはヤバいな、風呂に入りに行こうぜ。」
くしゃみをした俺を心配した真弓が、ペンションに戻って風呂に入ろうと言って来た。
真弓と一緒に風呂………風呂!?
Tシャツが透けただけでドキドキしてしまう俺が、真弓の全裸を見るの!?
いや、それこそマジで鼻血出ちゃうんじゃない!?
「まっ…真弓、待って!こ、心の準備がっ!」
「風呂に入るのに心の準備もクソもあるか!
風邪なんかひかれたら、もうデートに誘えんくなるぞ」
確かに、責任感の強い真弓は自分が海に誘ったせいで俺が風邪をひいたなんてなったりしたら…
俺の父さんや母さんに責任を感じ申し訳無く思って二度とデートに誘ってくれなくなりそう!
それはヤダけど…!!
俺のガキっぽい裸を大人の真弓に見られるのも何かヤダぁ!
「俺、まだ毛が生えてないんだ!!!」
「はぁあ!?だからそれが何だ!!」
真弓は俺を荷物みたいに肩に乗せ、ザブザブと海からあがると階段に置きっぱなしの革ジャンや革ジャケット、ブーツやスニーカーを団子みたいに丸めて脇に抱えた。
「真弓に見られるの恥ずかしい!」
「そんなトコ、じっくり見たりしねぇわ!
気にし過ぎなんだよ!」
肩の上でワーワー抗議する俺を無視して、真弓がペンションに入った。
ずぶ濡れな為にフロントは通らずに別の場所から館内に入り浴場へと向かう。
浴場に続く廊下でペンションの男性スタッフに会い、真弓が濡れた衣服の洗濯と、その間着る物をお願いしていた。
浴場の脱衣場で降ろされた俺は、むくれた顔をしたまま真弓を睨む。
「ほら、早く脱げ。
洗濯して貰うんだから。」
真弓は俺の前で濡れたTシャツを脱ぎ始めた。
肌にまとわり付く様にへばり付いたシャツを脱ぐ際に髪が乱れた真弓に、思わずドキッとする。
シャツを脱ぎ捨て、濡れたジーンズを脱ぎ、黒いボクサーパンツを脱いだ真弓は俺の前で全裸になった。
脱いでいる過程は、やらしくてエロいと思っていたけど……
全裸になった真弓は完成された芸術品のようで、カッコいいし綺麗なんだけど、整い過ぎて見えるせいなのか逆にエロさは感じなくなってしまった。
「…うん、俺も脱ぐ。」
美術関係の本で裸婦画や全裸像を見たような、何か芸術品なんだからエロい目で見たら駄目だ、みたいな気がしてしまう。
俺もサッサと全裸になり、真弓と一緒に浴場に入った。
エロく見えなくなった芸術品の様な全裸の真弓の前では、俺の裸なんてどーでもいいことの様に思えて。
恥ずかしい気持ちも何だか薄くなってしまった。
昼食前の時間なためか浴場は誰も居らず、俺達の貸し切り状態だ。
見晴らしが良く、海が見える広々とした浴場は何だかテンションが上がってしまう。
「広い!眺めがいい!泳げそうだよ真弓!」
「誰も居ないからって、泳ぐなよ。」
俺達は、ザッと海水と砂を洗い流してから並んで浴槽に浸かった。
寒くないと思っていたけれど身体は冷えていたみたいで、ジンと全身が温まる。
「あー…あったまるなぁ……」
真弓が目を閉じて心地良さそうな顔をしている。
真弓の全裸を見るなんて滅多に無いだろうから、この機会にと俺は真弓の身体をじっくり観察し始めた。
父親がアメリカ人の真弓には、濃くなったうぶ毛の様な胸毛が胸筋の上部分に生えている。
あとは、腹部にも。
黒く太い毛がモサッとした感じで生えているのではなく、色も薄く細くてフワッとカールして見える体毛が真弓の肌を部分的に薄く覆っている感じ。
「真弓の毛って、トイプードルみたいだね。」
「トイプー?そんな事、初めて言われたわ。」
真弓の大事な場所もチラッと見たけど、湯に沈んでおり水面が揺らいでハッキリとは見えない。
かと言って、湯からあがった真弓のソコをガン見するなんて出来ない。
真弓の身体には体毛はあるけど、ある程度整えられていてムダ毛って感じはしない。
それは、モデルという仕事の為ってのもあるのだろうか。
身体も適度に鍛えられていてバランスが良く綺麗だ。
「真弓って、身体を鍛える何か習ってたりする?」
「んぁ…?体型を維持する為に、たまにジムに通う位で、ランの少林寺みたいに習って鍛えてるってのとは違うな…。」
少しうつらうつらした真弓が眠そうに答えた。
「俺さ、将来スーツアクターになりたいんだよね。」
「ヒーローを演じる役者の方でなくて、か?
ランなら、カッコいいし変身前のヒーローとかにもなれそうだが…な……。」
真弓にカッコいいと言われて思わずニマニマとニヤけてしまう。
でも俺は役者になって芝居をしたいワケじゃないし。
ヒーローの中の人になって、アクションを演じたい。
「真弓が今も俳優やっていたら将来、共演出来たかも知れないのにね。
……真弓、こんなトコで寝ちゃ駄目だよ。」
湯に浸かったまま寝てしまいそうな真弓の肩に手を置き身体を揺さぶる。
意識せずに触れた真弓の濡れた肌は俺の手の平にしっとりと吸い付く様に感じられ、思わずドキッとしてしまった。
「うわぁ…何かすげー気持ちいい触り心地…。」
思わず声を出して呟いたが、目を覚ましたばかりの真弓には聞こえて無かった様だ。
「んー…身体洗ってメシ…食いに行くか……」
「じゃあ俺が背中流してあげる!
お父さんにも、よくやってあげるんだ!」
もう少し真弓に触れたくて、そんな事を言ってみた。
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