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第二章【王太子と海の巫女】
44#【2章完結】ラジェアベリア国王妃。
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「ウィリア、疲れてないかい?」
目まぐるしく動き回った数日、ウィリアは私の部屋の長椅子に疲れた身体を横たえている。
「大丈夫ですわ…お見苦しい姿を…」
「見苦しいだなんて…私達は、本当に見苦しいものを毎日見ていたじゃないか」
「……それも、そうですわね…」
バカップルのイチャイチャやら、喧嘩やら…ディアーナ嬢の一方的な暴力と、それを幸せそうに受け止める変態神の御子。
見るに堪えないものをたくさん…。
「ウィリアが見苦しかったら、私なんかもっと見苦しいよ。
…結婚するまでは…我慢するつもりだけど…。」
「スティーヴン…?」
長椅子の上に片膝を乗せ、背もたれに手を掛けた。
そしてウィリアの顔に自分の顔を近付ける。
「実は自信がない。みっともない位、ウィリアが欲しくてたまらない…」
「スティーヴン、レオンハルト様に似てきましたわね?」
クスクスと笑うウィリアは楽しげで、私は……
「スティー……」
私の名を呼ぼうとした、その桜貝のような唇を私の唇で塞ぐ。
唇を重ねたまま彼女の髪を撫で、彼女の吐息すら飲み込むよう唇の隙間を食むように口付けを深くする。
彼女を抱き締めようと宙に浮いた手が、彼女の胸に乗ってしまった。
……!!でかっ!やわらかっ!!!
ちょっと、驚き過ぎて唇を離してしまった。
…これはヤバイ、これが私のものに?私の好きにしていいのか?
しかも触れるの、私が最初だよな?
「………ディアーナ様が…好きらしいですわよ…?わたくしの胸の触り心地…」
…………なんだって?ディアーナ嬢、結局揉んじゃってんの!?
私より先に!?
「女同士だから、ノーカウントパイだと言っておりましたが…意味が良く分かりませんの…」
ディアーナ嬢…貴女は私の、元婚約者ですが…
良家の令嬢ですが…!あえて言わせてもらいましょう。
ディアーナこの野郎…!!
▼
▼
▼
初めてウィリアと口付けを交わし、初めて彼女のたわわな胸に触れたのが私ではなくディアーナ嬢だと知ったあの日から2ヶ月後。
なんか色々耐えられなくなった私は、彼女と結婚した。
もう、一刻も早くウィリアを自分のものにしないと気が済まなくなった。
何だか混乱し過ぎて、ディアーナ嬢にウィリアの純潔まで奪われるのではないかと。
「そんなわけないでしょ!女同士なんだから!」とは
ディアーナ嬢は言わなかった。
「それも有りですわね…うふふ…。」
いやいや無い無い!恐ろしい事をのたまう。
そんなディアーナ嬢に恐怖を感じ、王族の婚礼の準備をするには、時間が足りないという声も無視して、さっさとウィリアを私の妻にしろと脅しつつ。
そんなこんなで結婚を急いだのだ。
準備期間も少ないし、あまり派手にしたくはなかったが、王太子の結婚ともなると、こじんまりという訳にはいかなかった。
国をあげてのお祭りに近い。
本来なら半年以上かかる準備を無理矢理2ヶ月に縮めたのだが、かなり盛大な婚礼式となったと思う。
結婚までの2ヶ月、ウィリアには王城にて王太子妃となる為の様々な教育を受けて貰っていた。
ウィリアは貴族ではないので、ディアーナ嬢の父だった侯爵のように、私に娘を嫁がせたがる貴族の反対や、彼女自身に対しての嫌がらせじみた事もあったようだが…。
そんな貴族達は、翌日にはもう生まれたての子鹿のようにプルプルになっていた。
そこはもう…うん、誰も逆らえないよな、この野郎…。
さすが、元影。現神。何をしちゃったのかな。ジャンセン。
親が黙らせられても、令嬢達は私に言い寄って来るのだが、ディアーナ嬢とタッグを組んだウィリアに勝てる者など居ない。
美しさも教養も魔力も…そこいらの令嬢達では敵わない。
そして、レオンハルト殿命名、豊満我が儘ボディ!
これには誰もが敗けを認めた。
結婚式を挙げた夜は……
初めて彼女のすべてを私のものにした。
ウィリアの全てが美しい。
初めて見る彼女の表情や、初めて聞く彼女の声、その全てが私一人のものとなる優越感。至福の時だった。
……レオンハルト殿、よく我慢していたな…千年以上も……。
私は結婚するまでの2ヶ月待つのも苦痛だったのに…
ああ、その反動でアレか…。
私達は夫婦となった後も、しばらくレオンハルト殿達の旅に同行していた。
ウィリアが25歳になった時に子を宿し、私達は二人と別れラジェアベリアに帰った。
やがて父が逝去し、35歳の若さで私は王となった。
「ねぇ、おばあ様!また月の女神様のお話しして!」
「ディアナはディアーナ様のお話しが大好きね。」
白髪頭の美しい老女、ラジェアベリア国王王妃ウィリアは花に彩られた庭園で幼い孫娘とお茶を楽しんでいた。
優しい風が吹き、花弁が舞う。
「まぁ…ディアーナ様…」
風が吹いた後に、ウィリアの前に16歳の姿のままのディアーナが立っていた。
「ウィリア、久しぶりね!元気そうね!年をとっても相変わらずエロい身体!」
ディアーナはまくし立てるようにウィリアに声を掛け、ウィリアの首に抱きつく。
「………ごめんなさい…ウィリア……今日来たのはね……」
ウィリアの首に抱きついたままディアーナは泣き出した。
ウィリアには、すべて分かってしまった。
ディアーナが、自分の寿命が尽きようとしている事を知らせに来てくれたのだと。
「ディアーナ様が謝る事ではございませんよ?わたくし、幸せでしたもの…」
ウィリアは水色の瞳を細めてディアーナを抱き返す。
「ずっと、お姉様のように思っていたディアーナ様が、まるでわたくしの娘のようですわね…。
大好きですわよ、ディアーナ様も…レオンハルト様も…ジャンセン様も…」
「うん、私もウィリアが大好き…きっと、また逢えるから。
…またね、ウィリア…。」
再び優しい風が吹き花弁が舞うと、ディアーナは姿を消していた。
「おばあ様、今のキレイなお姉様は…もしかしたら…!」
「そうよ、ディアーナ様よ。お会いした事、おじい様には内緒にしてね?」
ウィリアはスティーヴンにはディアーナに会った事を言わなかった。
言えばスティーヴンは気付いてしまう。嘆いてしまう。
「スティーヴンには、悪いけど…泣き顔あまり見たくないのよね。
…泣くのはわたくしが死ぬ直前と、死んだ後にしてほしいわ。ふふ…。やり残した事は…無いもの。」
ウィリアは孫娘を膝に乗せ、優しい声で語る。
素晴らしい家族に囲まれて、自分は幸せだと断言出来る。
「では、今日はわたくしがディアーナ様に初めてヘタレと呼ばれた時の話をしましょうか…まず、おじい様がね…。」
二日後、ウィリアは亡くなった。
庭で倒れたウィリアは寝室に運ばれ、一度意識を取戻した。
スティーヴンの手を握り、水色の瞳で真っ直ぐ見詰めて最後の言葉を最愛の夫に告げ、息を引き取った。
「あなたを信じてついてきて良かったですわ…幸せですもの。
愛してます…スティーヴン…………………………」
━━待ってますわ…でも、なるべく、ゆっくり来て下さいね…
長く待つのは平気ですわよ、千年以上待った大先輩がいますもの…。
だから、ゆっくり来て…スティーヴン…。
愛していますわ。━━━━
━━ 終わり━━
目まぐるしく動き回った数日、ウィリアは私の部屋の長椅子に疲れた身体を横たえている。
「大丈夫ですわ…お見苦しい姿を…」
「見苦しいだなんて…私達は、本当に見苦しいものを毎日見ていたじゃないか」
「……それも、そうですわね…」
バカップルのイチャイチャやら、喧嘩やら…ディアーナ嬢の一方的な暴力と、それを幸せそうに受け止める変態神の御子。
見るに堪えないものをたくさん…。
「ウィリアが見苦しかったら、私なんかもっと見苦しいよ。
…結婚するまでは…我慢するつもりだけど…。」
「スティーヴン…?」
長椅子の上に片膝を乗せ、背もたれに手を掛けた。
そしてウィリアの顔に自分の顔を近付ける。
「実は自信がない。みっともない位、ウィリアが欲しくてたまらない…」
「スティーヴン、レオンハルト様に似てきましたわね?」
クスクスと笑うウィリアは楽しげで、私は……
「スティー……」
私の名を呼ぼうとした、その桜貝のような唇を私の唇で塞ぐ。
唇を重ねたまま彼女の髪を撫で、彼女の吐息すら飲み込むよう唇の隙間を食むように口付けを深くする。
彼女を抱き締めようと宙に浮いた手が、彼女の胸に乗ってしまった。
……!!でかっ!やわらかっ!!!
ちょっと、驚き過ぎて唇を離してしまった。
…これはヤバイ、これが私のものに?私の好きにしていいのか?
しかも触れるの、私が最初だよな?
「………ディアーナ様が…好きらしいですわよ…?わたくしの胸の触り心地…」
…………なんだって?ディアーナ嬢、結局揉んじゃってんの!?
私より先に!?
「女同士だから、ノーカウントパイだと言っておりましたが…意味が良く分かりませんの…」
ディアーナ嬢…貴女は私の、元婚約者ですが…
良家の令嬢ですが…!あえて言わせてもらいましょう。
ディアーナこの野郎…!!
▼
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初めてウィリアと口付けを交わし、初めて彼女のたわわな胸に触れたのが私ではなくディアーナ嬢だと知ったあの日から2ヶ月後。
なんか色々耐えられなくなった私は、彼女と結婚した。
もう、一刻も早くウィリアを自分のものにしないと気が済まなくなった。
何だか混乱し過ぎて、ディアーナ嬢にウィリアの純潔まで奪われるのではないかと。
「そんなわけないでしょ!女同士なんだから!」とは
ディアーナ嬢は言わなかった。
「それも有りですわね…うふふ…。」
いやいや無い無い!恐ろしい事をのたまう。
そんなディアーナ嬢に恐怖を感じ、王族の婚礼の準備をするには、時間が足りないという声も無視して、さっさとウィリアを私の妻にしろと脅しつつ。
そんなこんなで結婚を急いだのだ。
準備期間も少ないし、あまり派手にしたくはなかったが、王太子の結婚ともなると、こじんまりという訳にはいかなかった。
国をあげてのお祭りに近い。
本来なら半年以上かかる準備を無理矢理2ヶ月に縮めたのだが、かなり盛大な婚礼式となったと思う。
結婚までの2ヶ月、ウィリアには王城にて王太子妃となる為の様々な教育を受けて貰っていた。
ウィリアは貴族ではないので、ディアーナ嬢の父だった侯爵のように、私に娘を嫁がせたがる貴族の反対や、彼女自身に対しての嫌がらせじみた事もあったようだが…。
そんな貴族達は、翌日にはもう生まれたての子鹿のようにプルプルになっていた。
そこはもう…うん、誰も逆らえないよな、この野郎…。
さすが、元影。現神。何をしちゃったのかな。ジャンセン。
親が黙らせられても、令嬢達は私に言い寄って来るのだが、ディアーナ嬢とタッグを組んだウィリアに勝てる者など居ない。
美しさも教養も魔力も…そこいらの令嬢達では敵わない。
そして、レオンハルト殿命名、豊満我が儘ボディ!
これには誰もが敗けを認めた。
結婚式を挙げた夜は……
初めて彼女のすべてを私のものにした。
ウィリアの全てが美しい。
初めて見る彼女の表情や、初めて聞く彼女の声、その全てが私一人のものとなる優越感。至福の時だった。
……レオンハルト殿、よく我慢していたな…千年以上も……。
私は結婚するまでの2ヶ月待つのも苦痛だったのに…
ああ、その反動でアレか…。
私達は夫婦となった後も、しばらくレオンハルト殿達の旅に同行していた。
ウィリアが25歳になった時に子を宿し、私達は二人と別れラジェアベリアに帰った。
やがて父が逝去し、35歳の若さで私は王となった。
「ねぇ、おばあ様!また月の女神様のお話しして!」
「ディアナはディアーナ様のお話しが大好きね。」
白髪頭の美しい老女、ラジェアベリア国王王妃ウィリアは花に彩られた庭園で幼い孫娘とお茶を楽しんでいた。
優しい風が吹き、花弁が舞う。
「まぁ…ディアーナ様…」
風が吹いた後に、ウィリアの前に16歳の姿のままのディアーナが立っていた。
「ウィリア、久しぶりね!元気そうね!年をとっても相変わらずエロい身体!」
ディアーナはまくし立てるようにウィリアに声を掛け、ウィリアの首に抱きつく。
「………ごめんなさい…ウィリア……今日来たのはね……」
ウィリアの首に抱きついたままディアーナは泣き出した。
ウィリアには、すべて分かってしまった。
ディアーナが、自分の寿命が尽きようとしている事を知らせに来てくれたのだと。
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ウィリアは水色の瞳を細めてディアーナを抱き返す。
「ずっと、お姉様のように思っていたディアーナ様が、まるでわたくしの娘のようですわね…。
大好きですわよ、ディアーナ様も…レオンハルト様も…ジャンセン様も…」
「うん、私もウィリアが大好き…きっと、また逢えるから。
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再び優しい風が吹き花弁が舞うと、ディアーナは姿を消していた。
「おばあ様、今のキレイなお姉様は…もしかしたら…!」
「そうよ、ディアーナ様よ。お会いした事、おじい様には内緒にしてね?」
ウィリアはスティーヴンにはディアーナに会った事を言わなかった。
言えばスティーヴンは気付いてしまう。嘆いてしまう。
「スティーヴンには、悪いけど…泣き顔あまり見たくないのよね。
…泣くのはわたくしが死ぬ直前と、死んだ後にしてほしいわ。ふふ…。やり残した事は…無いもの。」
ウィリアは孫娘を膝に乗せ、優しい声で語る。
素晴らしい家族に囲まれて、自分は幸せだと断言出来る。
「では、今日はわたくしがディアーナ様に初めてヘタレと呼ばれた時の話をしましょうか…まず、おじい様がね…。」
二日後、ウィリアは亡くなった。
庭で倒れたウィリアは寝室に運ばれ、一度意識を取戻した。
スティーヴンの手を握り、水色の瞳で真っ直ぐ見詰めて最後の言葉を最愛の夫に告げ、息を引き取った。
「あなたを信じてついてきて良かったですわ…幸せですもの。
愛してます…スティーヴン…………………………」
━━待ってますわ…でも、なるべく、ゆっくり来て下さいね…
長く待つのは平気ですわよ、千年以上待った大先輩がいますもの…。
だから、ゆっくり来て…スティーヴン…。
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