愚者ハイドラの復讐

タタクラリ

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一章 王都動乱

1. 聖誕の儀

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 感情に囚われない人間なんていない。
 感情に基づかない行動をとることはできない。
 あらゆる言動は必ず何かしらの感情に紐付いていて、何もしないことにすら、感情がまとわりつく。
 感情には、善い感情と、悪い感情がある。大抵の人間は、そのどちらも心のうちに抱えている。
 そして、都度変わる。善人が次の日には悪人になっていることもある。感情はその人に固定されない。
 愚なる感情に従えば、愚なる行動をとる。善も、また然り。
 善人であり続ければ、その者はいずれ聖者となる。常に善であれ。
 ──俺は剣を振ってきた。その言葉を信じて。

 
 剣を極めたい、みんなを護りたい、あいつに勝ちたい、〈聖者〉になりたい。
 〈聖者〉とは、善き感情が神に認められ、二度とその感情を忘れない誓約を結んだ者……と、言われている。そして、善き感情に基づく善行を為すために、力を与えられた存在だ。人口十万人の国なら約五百人いるとされ、体のどこかに〈聖者の光印〉と呼ばれる印を付している。
 聖者になれば、〈愚者〉を討ち滅ぼす力を得て、孤児院や街のみんなを護れる──あいつにも勝てる。

「時間だぞ」

 左斜め上の方から、男の声がする。物心ついた頃から、だんだんと低くなって今に至るまで十五年近く、毎日のように聴いている──ヘルクリーズ──という青年の声である。
 俺より背が十センチも高くて、世界最高峰の剣術を用いるヘルクリーズの左腰には、王家の家宝だった聖剣が下げられている。
『愚者を討ち滅ぼしたい』という誓約を結んだ聖者であり、我らが〈ティタノ王国〉の最高戦力と称される。
 王都の中心に位置する聖堂の地下に続く暗い階段においても聖剣は黄金の輝きを失わず、婦女子に人気の美しい顔立ちを下から照らしている。彫りの深い威圧感のある顔には、しかし髭の一本も生えていない。
 階段を降りながら剣を眺めていると、「やらないぞ」と言われる。それに対して俺はいつも、「いらないよ」と強く返す。
 松明の明かりに沿って、石で舗装された地下の通路を進むと、高さ四メートルはある鉄の大扉が現れた。その両脇には斧槍を持った兵士が二人並んでいるが、敵意はない。

「ヘルクリーズ殿、ハイドラ殿。儀式の準備は整っております」
「……ああ。通してくれ」

 ヘルクリーズが命じると、両脇の兵士はそれぞれ両開きの大扉を手前に引き下げ、扉の奥に鎮座まします空間をあらわにした。
 扉が開いた瞬間、奥からぶわっと冷たい風が吹き抜ける。初めて袖を通した白いローブに青いラインの入った礼装が、ひらひらと翻る。儀式に出るからとわざわざ理容師に整えられた短い黒髪は、全て後ろに流れてしまった。
 俺は向かい風に目を細めたが、ヘルクリーズは微動だにしなかった。

(初めて来た)
(儀式中だ、静かにしろ)

 突如明るくなった地下の大空間は、いくつもの太い柱に支えられており、審議場のように周りに並べられた長椅子には俺と同じ礼装の人が何人も座っていた。ちょうど地上にそびえる聖堂の内装よりずっと荘厳なこの地下空間の奥には、巨大な女神像があり、その足元には黒い棺桶が一つ置かれていた。
 俺は信心深い人間ではないが、とてつもない緊張感を覚える。なにしろ、儀式に際して王国の重鎮が軒並み揃っているのである。
 中でも最も位の高い教皇に対して、膝を地につけ胸に手を当てる敬礼をする。

「オリンポス、参上しました」

 ヘルクリーズの口にした『オリンポス』というのは、俺やヘルクリーズが所属する、教皇直轄の秩序維持部隊である。いつもは四人組だが、この日聖堂を訪れたのは二人だけだ。
 来ていない二人のうち、一人は失踪しており、もう一人は数日前から酷く塞ぎ込んでいる。失踪したのは、俺の実の姉だ。
 秩序維持部隊というのは死と隣り合わせで、特にオリンポスは王国の奉祝行事に積極的に参加するなど、認知度が高いが故に恨みを買いやすい。
 いつかその日が来ると、覚悟はしていたが……。

「よく来ましたね、オリンポスよ。……そして、ハイドラ」

 教皇に名前を呼ばれる。老齢の女性の声だ。彼女は俺の過ごした孤児院の院長でもある。名をヘラという。
 彼女も聖者だ。教皇の座は代々世襲で受け継がれ、全員がもれなく聖者だったという。聖者の光印に遺伝的な要素があるなら羨ましいが、俺の姉さんが聖者で、弟の俺は一切その気配すら感じ取れないのだから、関係はないか……。
 少しだけしわがれた声に、緊張が和らぐ感じがした。
 だが、この日は院長ではなく教皇なので、敬礼の姿勢のまま顔を上げず「はっ!」と、返事をし、気を引き締める。

「この儀式は、今まで執り行ってきたどの儀式よりも、多くの聖者を生み出すことでしょう……。あなたも、きっとそこに名を連ねるのです。ようやく……あなたの、私たちの悲願を……」

 この儀式──聖誕の儀──は、その名の通り、神が善き人間を聖者にするための、日時が明かされない不定期的な儀式だ。儀式が終わると、聖堂から世界中に精霊が飛び立ち、人々を聖者と化していく。その時のために、人々は日頃から善行を尊び、悪業を賤むのだ。
 精霊の数は儀式によって毎回変動するが、今回は特別多いらしい。
 教皇は手に持っている長杖の柄を床の石畳に叩きつけ、コツンと音を立てた。地下聖堂に緊張が走る。
 聖誕の儀も大詰め、精霊が呼び出されるのだ。

「教皇代理、棺桶を開けなさい」
「はっ!」

 俺はこの日、十八歳になった。聖者を志したのは、一足先にヘルクリーズが聖者となった、十年前のことだ。ヘルクリーズはその時、十一歳だった。
 聖者になるため修行を始めた八歳から三年、ヘルクリーズが聖者となった十一歳になっても、精霊は俺を選ばなかった。それから七年、音沙汰はない。その間に儀式は何十回、何百回と執り行われたにも関わらず、だ。
 そんな中、教皇から『儀式に参加せよ』と命を受けたのだ。儀式には聖者しか参列できない決まりのため、完全な特別扱いである。
 教皇は、何かを確かめるように頭上を見上げた。それに倣って女神像の上に目を向けると、大きな穴を塞いだ跡のようなものが見えた。

(あれは……)
(精霊が通る穴だ……塞いだのか、ここに閉じ込めるために)
(閉じ込める?)
(お前を聖者にするためだ。ここにいるのは、お前を除いて聖者だけ。行き場所を失った精霊は、迷わずお前を聖者にしようとするだろう)

 入ってきた鉄の大扉が閉じられ、地下聖堂は密室となった。
 聖堂の奥から、焼けたような臭いが微かにした。奥に座す女神像の方向に目をやる。そこにある木製のものといえば……

(なあ、なんで、棺桶なんだ?)
(…………)
(そもそも儀式ってなにすんだよ。なんで俺たち、儀式の途中で呼ばれたんだ?)
(……静かにしろ)

 少し気になったことがあったので、儀式の参加が初めてではないヘルクリーズに問うてみたが、返答は得られなかった。
 棺桶には、何が……いや、誰かが入っているのだろうか。真っ黒の棺桶は金で装飾されており、かなり高価なものであることが見受けられる。そして、どこか見覚えがあった。

(なあ、あれさ……聖者の……)
(……静かにしろ)
(聖者の葬儀で使われてるやつじゃ……)
(静かにしろ)
(おい、何か知ってんだろ。言えよ。あれは……まさか)
「静かにしろ!!!!」

 ヘルクリーズが声を張り上げ、俺の肩を掴み、揺らす。
 棺桶に集中していた礼装たちの目が、一斉にこちらを向く。
 それらの目はまるで、「静かにしろ」と暗に言っているようだった。叫んだヘルクリーズではなく、俺の方に。
「何も言わず、聖者になるまでじっとしていろ」と。
 地下聖堂が静寂を取り戻すと、教皇は代理の男に再び、棺桶を開くよう命じた。
 代理が棺桶の蓋に手を伸ばす。その手に力を込める、その瞬間、蓋はひとりでにガタガタと動き出した。代理が「ひぃっ」と悲鳴をあげて腰を抜かすも、蓋は暴れ続けた。
 耳をつんざくような鋭く高い鳴き声。それは、亡者の怒りを体現したように聞こえた。

「せせ、精霊よ! 顕現せよ!!」

 代理が震えた声で叫ぶ。
 それに応えるように、もしくはただ怒りに任せ、蓋は天井近くまで吹き飛び、棺桶から無数の光の粒が龍のように、天を突き破る勢いで溢れ出た。
 それらの光は、天井の穴を塞ぐモルタルに次から次へと体当たりを繰り返した。地鳴りが起こり、柱にヒビが入る。
 精霊である。それは御伽噺に登場する優しい心を持った人間に寄り添う高貴な輝光ではなく、凶暴で猛々しい光芒だった。

「……くっ!」
「おい、待て! ハイドラ!」

 俺は精霊の飛び出した棺桶に向かって走り出した。止めようと腕を掴んできたヘルクリーズを振り切り、女神像の足元へ。

「まさか、嫌だ……!」

 女神像に近づくにつれ焼け焦げたような匂いが強まる。間違いなく、棺桶からだ。
 強烈な違和感を覚えたのだ。
 ──姉さんの失踪。ヘルクリーズから、聖者の誓約とは無関係に「一生をかけて守り抜く」と約束された姉さんが、そう簡単に死んでたまるものか。
 最悪の予感。吐き気を催すほどの焦燥。
 ざわつく礼装たちを歯牙にも掛けず、二メートル余りの棺桶に目を落とす。
 蓋を跳ね飛ばした精霊たちは棺桶の中には一匹も残っておらず、中には誰もいなかった。
 しかし、空ではない。

「これは……杖の……」

 直径十センチくらいの球が棺桶の中をコロコロと転がり、端でコンと音を立てて止まった。煤で黒くなっているが、手で払うと深い青色の宝石が現れた。
 姉さんが魔法を使う際に用いる、長杖の先に取り付けられた宝珠である。
 手に取ると、とても軽かった。姉さんが長杖を振るうのに一年以上の厳しい筋力トレーニングを必要としたほど、この宝珠は重い。木製の杖と合わせて、金属製のロングソードと遜色ない重さとなる。それが、全くと言ってよいほど重量を感じなかった。
 軽くなった……否、俺の力だ。湧き上がる憤怒の感情が、俺の腕に作用したのだ。
 それが岩石なら砕け散ってしまいそうなくらい、俺は宝珠を握りしめたまま、腕に力を籠める。
 振り返ると、ヘルクリーズは立ち尽くしていた。浮気のバレた男のような、言い訳がましい困り顔をしている。いや、浮気なら上等だ。ヘルクリーズは──

 ──あいつは、部隊の仲間を、幼馴染を、恋人を、俺の姉さんを、見殺しにしたんだ。

 豆粒より小さな精霊たちは天井付近を飛び回り、その圧倒的な数のせいか、耳元で大きな蜂が飛んでいるような羽音が地下聖堂内に響き渡っている。
 ヘルクリーズは知っていた。この儀式で、姉さんがあの精霊になることを。それを俺に隠したまま、俺を聖者に仕立て上げようとしていたのだ。
 聖者になると、感情の誓約が結ばれる。これは任意ではなく、必定である。
 聖者になった人間の心中など知る由もないが、このような強行が許されるのであれば、叛心の行方など考えるに及ばない。

 ──キィィィィイ!!!! と、精霊は、野獣の剛爪が鎧を引き裂くような声で鳴いた。すると精霊たちは寄り集まり、高さ二メートル弱の塊になって、俺の方へ急接近した。
 俺は、元あった感情が変化していくのを、目視しているかのように鮮明に感じていた。
 『聖者になりたい』……小さな頃から俺の道標だったその願いは、今や位相を逆転しようとしている。
 『聖者になりたくない』──単なるひねくれた天邪鬼かもしれない……が、そんなことはどうでもいい。

 今はただ、あいつをぶった斬ってやりたい、姉さんの仇を討ちたい、聖者を────……。

 精霊が迫る。彼らの集合体は、元の姿を思い出したかのように人型だった。シルエットだけだが、すぐに分かった。長髪は俺と同じ黒色で、心配になるほど体は細くて、でも身長は俺より高くて、辛いことがあったら抱きしめながら慰めてくれて……。

「姉さんなんだな!!」

 姉さんの形をした精霊の群れは、腕を広げてまるで抱きしめんとばかりに近づいて来る。
 あの行動に、姉さんの記憶や経験がどれだけ関与しているかはわからない。だが、死ぬほど気分が悪い。
 怒りが湧いて仕方がない。おそらく人生で最も頭に血が上っている。
 許せない。許せない。あいつを許すわけにはいかない。

「…………」

 ふと口を開かないヘルクリーズの顔に視線を移したとき、プツッと何かが一線を超えた。

「ヘルクリーーーズゥゥゥウ!!!!」

 精霊が俺の体に到達する寸前、矢かなにかが俺の心臓を後ろから撃ち抜いたような衝撃が走った。衝撃は全身を駆け巡り、体中が一瞬痺れる。傷はない。
 すると、精霊たちを拒むように黒い陣風が辺りを覆い、一斉に跳ね飛ばした。
 騒々しかった礼装たちが「そんな……」やら口にしながら、俺のことを悲観的に見つめた。聖者化に失敗したからか。
 そうじゃない。
 体が軽い。頭の中がスッキリして、集中力が増している。それでいて、なお怨嗟は溢れる。
 左手の手首から五センチくらい肘に近いあたりに、黒い紋様が焼き付いていた。鶏の卵くらいの大きさの円の中に、二叉の槍の形。秩序維持部隊の敵〈愚者〉が証たる、〈愚者の灼印〉である。
 聖者の光印と対を為すそれは、俺の運命を決定づけるものだった。

「お下がりください、猊下! もはやハイドラは愚劣な思想に囚われました!」
「何かの冗談だ! あいつは誰よりも聖者を志していたではないか!?」
「あの灼印が何よりの証拠だろう!」「信じられん!」
「危険だ!」「早く制圧しろ!」
「ヘスティアの犠牲は……!」「叛乱が!」

 地下聖堂は混沌とする。
 俺は〈愚者〉になった。
 それは俺が志した〈聖者〉とは真逆の存在だった。愚なる感情に支配され、悪魔に心と体を捧げた者……とされている。
 俺の抱えた愚なる感情──それは、ヘルクリーズの善なる感情と相対するものだ。

 『──聖者を討ち滅ぼしたい』

 ヘルクリーズと目が合った。異様な喧騒に包まれた地下聖堂で、俺たちは互いだけを認めていた。
 あいつの誓約は、今まさにあいつの心を燃やしていることだろう。
 王国最強の聖者が、俺に語りかけた。

「俺の誓約は知っているな、ハイドラ」

 ヘルクリーズの胸元にある光印が輝くと共に、聖剣が青い炎を纏いながら抜刀される。浄化の炎……数多の愚者が、剣創から体内へ侵入するあの生きた炎に焼き尽くされてきた。
 愚者に対して特に有効な手段、聖者だけが使える破魔の火炎──俺が遂に手にできなかった炎が、空間を揺らめかせる。

「さあな。けど、誰かを守ることじゃないのは、よく分かったよ」
「悪く思うなよ、ハイドラ。ヘスティアの所へ送ってやる。お前の幸せを思ってのことだ。もうこの世界に、お前の居場所など無い!!」

 互いに剣を構える。儀式の体裁などとっくに崩壊している。これは儀礼の剣舞ではなく、相手を地獄へ送るための剣戟の始まりを告げる合図だ。
 ヘルクリーズは姉さんの所へ送ると言っていたが、どちらが勝利したとて俺たちはきっと天国へは行けないから、姉さんは孤独か。
 意思を確認し合ったところで、会話は終わった。これ以上、言葉を交わす必要はない。
 一定間隔で並行に窪みのある片刃刀の柄をしっかりと握りしめる。
 剣戟に明確な始まりなど存在しない。刀身がぶつかり合ってからだといえるし、睨み合ってからだともいえるし、剣の鍛造や、剣術の発展まで遡ることができる。

「…………っ」
「……!!」

 ──油断。睨視が綻んだのは、ヘルクリーズの方だった。
 床を蹴り付け、前に飛びかかる。
 自分でも制御できないほどの速度が生まれた。これが愚者となった力──聖者を討ち滅ぼすための力なのだと、実感する。
 力をどのように動かせば、体がどう駆動するかが分かる。
 一度足を床に着け、姿勢を矯正し、再度前進する。
 ヘルクリーズは剣を身の近くに構え、防御姿勢をとった。
 ならば肘を引き、刺突を狙う。今なら全て砕くことできると、そう思うほど、愚者になる以前と見える世界が違った。
 絶対に折れることのないよう祝福された聖剣の腹で食い止めようとするヘルクリーズと、祝福ごと打ち砕かんとする俺の思惑がぶつかり合う──

「…………」

 しかし、けたたましい金属音が耳に響くことはなく、俺は謎の外力によって、地面に這いつくばっていた。
 手に剣の感触はない。頬が磁石に張り付いたように石畳から離れず、剣の在処を探すこともできない。それは全身も同様で、俺は床に貼り付けになって、背中を無防備に晒していた。

「猊下! お手を煩わせてしまい、申し訳が立ちません!」

 教皇代理の声。
 俺たちの決戦に水をさしたのは、教皇の用いる魔法のようだった。
 体が重くなったように、指先すらまともに動かせない。
 上気した頭を、冷たい石畳が冷やしていく。

「しかし、ヘルクリーズ殿まで拘束する理由は……」
「……感情に任せて、弟のような存在であるハイドラを殺めることは、彼の望むところではないはずです。彼らを別室へ。沈静化させます」

 聖者であるヘルクリーズまでもが、俺の近くで石床を舐めていた。喧嘩両成敗。
 どこか、懐かしい気がする。俺たちが暮らしていた孤児院の記憶……。
 孤児院で共に育ったみんなは、多くが聖者になった。──懐かしいあの故郷の記憶は、『聖者を討ち滅ぼしたい』という愚者の灼印の邪悪な声に、どす黒く染められていく。

 教皇の拘束魔法に縛られて唾を吐く抵抗もできないまま、俺は姉さんの入っていた棺桶に放り込まれ、どこかへ運ばれていった。
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