天井の神と地上の悪魔

こみつ

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地球滅亡

戦いの始まり!

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司馬は何度も4人の顔を見回した。
そして力強く頷いて、何度もハグをした。

ホウが痛いと嫌がるまで、司馬はハグを続けたが、余程嬉しかったらしい。

光は思い切り笑った。他の者も司馬の様子に顔をくずし、彼の不安感を少しでも和らげられた事を知った。そして、彼のことを元気付けようと持ち寄った食料で、ちょっとしたパーティーが始まった。

暢気のんきなものだとは思わない。
今まで師匠が応援をよこしたことなど無かった。
ふらりと訪ねてきては、様子を見ていくだけだったのだが、今回は自分の愛弟子とも言うこの4人に招集をかけたのだ。この4人は司馬を含めて裏の顔を持つ者達である。

人知れずもめ事を解決していく集団に属している。
師匠の孫はその組織のナンバー4である。
組織の全容は、司馬にも他の4人にも知らされては居なかったが、今までやってきた任務の経験から、かなり大規模な組織であると言うことはわかっていた。

だからこそ、これから起こることが命がけの事態だというのが、司馬を含めた5人にはわかったのだ。
ゆえにちょっとしたパーティーを開いて、気合いを入れたのである。
近況報告と、仕上がり具合を話し合うミーティングの意味もある。

光が話しはじめた。
「神ってのは何なんだろうな」
ここに居る誰もが思っていた疑問である。
「オレが思うに、この神ってヤツは本物かもな」
光が得意げに語るのを、誰も止めようとはしなかった。
司馬も聞いてみたくなったので、黙ってドリンクを一口舐めた。

「本物だからこんなあそびを仕掛けてきたのだろう」
「昔から、神ってヤツはこういったあそびを仕掛けてきやがるからな!」
「神話の世界だって、これと似たようなものだろう?」
「だからオレは、コイツは本物だって思うのだよ」
光は一気に喋ると、グイと飲み物を口に入れた。それから食べ物をつまんだ。

「そうね、天変地異の記憶が人々から消えたってのも、痕跡が綺麗さっぱり消えたのも、本物の仕業だからよね」
「わたしたちは、組織や老師から特殊な訓練を受けていたから、記憶は多少残っていたけれど・・・」
芳蘭は続けた。
「それにどうやら、仲間を集めて戦おうとしているのはわたし達だけではないみたいなのよ。そして、その人達はある程度記憶が残っていたり、あっさりと事態を信用してしまうようなの」
芳蘭は組織がこの事件についてすぐに集められるだけ集めた資料に目を通していたから、その事を話してくれたのだ。司馬は深く頷いた。


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